数学I 第3章 集合の基礎 — 集合と要素
犬やサルや鳥は、これらをひとまとめにして「動物」と表すことができる。このように、ものを寄せ集め、ひとくくりにしたものを集合という。ここでは、集合という考え方に対する注意や、集合に関する用語について学ぶ。
集合と要素の表し方
集合の表し方
“1から9までの自然数の集まり”や“すべての偶数の集まり”のように、それに含まれるものが明確であるとき、このものの集まりを集合 (set) といい、ものそれぞれをその集合の要素 (element) という。集合は、アルファベットの大文字 A,B,C,…,X,Y などを用いて表される。
例えば、集合 A を
「12の正の約数の集合」 ①
とした場合、12 の正の約数は 1,2,3,4,6,12 であるから、A は
「を要素とする集合」「1,2,3,4,6,12を要素とする集合」 ②
といっても同じことである。
① のように、要素の満たす条件を示して集合を決める方法のことを、内包(ないほう)的定義 (intensional definition) といい
はの正の約数A={x|xは12の正の約数}
と表す。この方法では、A の要素を代表して例えば x などで表し、{ } の中の縦線 (|) の右側に、その x の満たす条件を書く。
また、② のように、すべての要素を書き並べて集合を決める方法のことを、外延(がいえん)的定義 (extensional definition) といい
A={1,2,3,4,6,12}
と表す。
また、「要素をもたない集合」というものも考えることとし、これを空(くう)集合 (empty set) といい、記号 ∅ で表す。
空集合を表すのにギリシア文字の φ (ファイ)をあてている本もある。
数の集合は次のように、あらかじめ表し方を決めているものがある。
| 数の種類 |
集合の表し方 |
| 自然数 natural number |
N |
| 整数 integer (独 zahlen) |
Z |
| 有理数 rational number |
Q |
| 実数 real number |
R |
数の種類について、詳しくはいろいろな数を参照のこと。
問題1集合の表し方
次の集合を、要素の条件を示す方法で表せ。
- A={1,2,3,4,5,6,7,8,9,10}
- A={2,4,6,…,100}
- A={2,3,5,7,11,13,17,19}
次の集合を、要素を書き並べる方法で表せ。
- はの正の約数A={x|xは18の正の約数}
- はの要素であり A={2n|nはNの要素であり1≦n≦6}
- は正の整数A={2n-1|nは正の整数}
解答を見る
1の要素の条件を示す方法では、答えが1通りになるとは限らず、いくつかの表し方があるのが普通である。
- は以下の自然数A={x|xは10以下の自然数}
《別解》
はの要素でありA= {x|xはNの要素であり1≦x≦10}
など
- は整数かつA={2x|xは整数かつ, 1≦x≦50}
《別解》
は以下の正の偶数A={x|xは100以下の正の偶数}
など
- は以下の素数A={x|xは20以下の素数}
A={1,2,3,6,9,18}
A={2,4,6,8,10,12}
A={1,3,5,7,…}
この例題にある、“18の正の約数”のように、有限個の要素からなる集合を有限集合 (finite set) といい、“自然数全体”の集合のように、要素の個数に限りが無い集合を無限集合 (infinite set) という。
要素の表し方
a が集合 A の要素であるとき、a は集合 A に属する (in) といい
a∈A
と表す。また、a が集合 A の要素でないことは、∈ に斜線を引いて
a∉A
で表す。
例として、 はの正の約数A={x|xは12の正の約数} とすると
3∈A , 5∉A
である。
問題2集合の要素の表し方
集合 A、B を
- は正の偶数A={x|xは正の偶数}
- はの正の約数B={x|xは18の正の約数}
とするとき、次の [?] の中に ∈ または ∉ のいずれかを入れよ。
- 2[?]A , 2[?]B
- 3[?]A , 3[?]B
- 4[?]A , 4[?]B
- 5[?]A , 5[?]B
解答を見る
わかりやすくするため、要素を書き並べてみると
- A={2,4,6,8,10,…}
- B={1,2,3,6,9,18}
これをもとに問に答える。
- 2 , 2
- 3∉A , 3
- 4 , 4∉B
- 5∉A , 5∉B
最終更新: 2026-08-12
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