数学I 第2章 関数と方程式・不等式 — 2次関数とそのグラフ

この節の前提関数/1次関数とそのグラフ/式の計算

たとえば、2次関数 について、 のグラフを描くには、 の値をいろいろとり、 を満たす、の値を座標上の点として平面に打っていけばよい。しかし、そのような点は無数にあり、現実的な描き方とはいえない。2次関数のグラフには「頂点」という大きな特徴がある。以下では、この頂点をうまくとらえて2次関数のグラフを描く方法について学んでいこう。

2次関数のグラフ

2次関数の定義

関数 が のように の2次式で表されるとき、 は の2次関数 (quadratic function) であるという。

§

定義12次関数の定義

関数 が の2次式で表されるとき、つまり、 、、 を定数として の形で表されるとき、 は の2次関数 (quadratic function) という。

のグラフ

まずは、2次関数 において の場合、つまり のグラフについて考えてみよう。

このグラフについては、中学校で学んだように次のような特徴があった。

§

定理2 のグラフの特徴

  1. 原点を通り、 軸に関して対称である。

  2. グラフの 座標の増減に着目すると

    1. 原点Oを通る関数 y=ax^2 の下に凸な曲線が描かれており、y軸より左側には右下向きの矢印と「減少」、y軸より右側には右上向きの矢印と「増加」の文字が添えられている。

      のとき

      • の範囲にある。

      • の増加に対し

        • では は減少する
        • では は増加する

      このグラフのようにいったん下がってから上がるグラフのことを、下に凸とつ (convex downward) なグラフという。

    2. x軸とy軸がある座標平面に、原点Oを頂点とする上に凸な放物線y=ax^2がある。グラフの左側に増加を示す右上向きの矢印、右側に減少を示す右下向きの矢印が添えられている。

      のとき

      • の範囲にある。

      • の増加に対し

        • では は増加する
        • では は減少する

      このグラフのようにいったん上がってから下がるグラフのことを、上に凸 (convex upward) なグラフという。

一般に、2次関数のグラフにあらわれる曲線のことを放物線ほうぶつせん (parabola) という。この名前は、空中に物を放り投げたときにできる軌跡きせきに由来する。

地面から投げ出された黒い丸が上に凸の放物線を描く軌跡が破線で示されている。中央を通る垂直な点線に「軸」、最も高い点に「頂点」と添えられている。 放物線は必ず対称軸をもち、この対称軸のことを単に軸 (axis) といい、この軸と放物線の交点のことを頂点 (vertex) という。

のグラフ

次に、 のグラフについて考えてみよう。これは2次関数 において、 の場合である。例として2つの2次関数 の関係を考えてみよう。

上の表から、 のグラフは、 のグラフを 軸方向に だけ平行移動した放物線であるとわかる。

座標平面上に、破線の放物線 y=2x^2 と、頂点が点(0, 1)にある実線の放物線 y=2x^2+1 が描かれている。原点から上に 1 だけ移動したことを示す矢印と説明が付いている。 この平行移動によって、放物線の軸が 軸から変わることはない。しかし、頂点は移動し、原点より 軸方向に 大きい点 であることがわかる。

§

定理3 のグラフ

のグラフは、 のグラフを

「 軸方向に だけ平行移動」

した放物線である。このとき、軸は 軸(直線 )、頂点は となる。

のグラフ

次に という形をした放物線について考えてみよう。例として、2つの2次関数 の関係を考えてみよう。

座標平面上に、原点を頂点とする破線の放物線 y=2x^2 と、右に3平行移動した実線の放物線 y=2(x-3)^2 が描かれている。破線から実線へ向かう矢印とともに「右に3だけ移動した」と添えられている。 この2つの関数について、 を整数としていろいろ変化させてみると、 の値は下の表のようまとめることができる。

上の表から、 のグラフは、 のグラフを 軸方向に だけ平行移動した放物線であるとわかる。

この平行移動によって、軸は 軸方向に 移動し、直線 に重なる。また、頂点も移動し、原点より 軸方向に 大きい点 であることがわかる。

§

定理4 のグラフ

のグラフは、 のグラフを

「 軸方向に だけ平行移動」

した放物線である。このとき、軸は直線 、頂点は となる。

問題1放物線を描く~その1~

次の放物線は、内のグラフをどのように平行移動してできたグラフか。また、軸の方程式と頂点の座標を求め、座標平面にグラフで表せ。

解答を見る
  1. x軸とy軸からなる座標平面上に、下に凸の放物線y=2x^2-3が描かれている。頂点はy軸上にあり、そのy座標である-3の位置に黒丸が付されている。

    は のグラフを

    軸方向に 平行移動したグラフ

    であるから

    軸は 軸(または直線 )、頂点の座標は

    である。また、これは下に凸な放物線であるから、グラフは次の図のようになる。

  2. 座標平面上に、x軸上の点-2を頂点とする下に凸な放物線y=2(x+2)^2が描かれている。原点Oより左側でx軸に接し、y軸の正の部分を通過している。

    は のグラフを

    軸方向に 平行移動したグラフ

    であるから

    軸は 、頂点の座標は

    である。また、これは下に凸な放物線であるから、グラフは次の図のようになる。

  3. は のグラフを

    座標平面上に、y軸上の点(0, -1)を頂点とする上に凸な放物線 y=-3x^2-1 が描かれている。y軸上の頂点に黒点と-1の目盛りが付いている。

    軸方向に 平行移動したグラフ

    であるから

    軸は 軸(または直線 )、頂点の座標は

    である。また、これは上に凸な放物線であるから、グラフは次の図のようになる。

  4. x軸上の点(4, 0)を頂点とする、上に凸な放物線y=-3(x-4)^2が座標平面に描かれている。x軸上の頂点には黒丸と4の数字が付されている。

    は のグラフを

    軸方向に 平行移動したグラフ

    であるから

    軸は 、頂点の座標は

    である。また、これは上に凸な放物線であるから、グラフは上の図のようになる。

のグラフ

次に という形をした放物線について考えてみよう。

たとえば のグラフについて、次の図を見ながら考えてみよう。 のグラフを 軸方向に 平行移動すると のグラフになる。さらに、 軸方向に 平行移動して のグラフとなる。

原点を頂点とする放物線 y=2x^2 を、x軸方向に3平行移動した放物線 y=2(x-3)^2 と、さらにy軸方向に4平行移動した放物線 y=2(x-3)^2+4 が、移動を示す矢印とともに描かれている。 この平行移動によって、軸は原点より 軸方向に 大きい、直線 に移動する。

また、頂点も移動し、原点より 軸方向に 大きく 軸方向に 大きい点 であることがわかる。

§

定理5 のグラフ

のグラフは、 のグラフを

「 軸方向に だけ平行移動し、 軸方向に だけ平行移動」

した放物線である。このとき、軸は直線 、頂点は となる。

のグラフ

最後に、一般の2次関数 のグラフについて考えてみよう。たとえば のグラフを描くには、次のように式を変形(平方完成 (completing the square) という)してから考える。 こうすると、既に学んだ『 のグラフ』に帰着され、 のグラフは、 のグラフを 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動した放物線になるとわかる。

§

定理6 のグラフ

2次関数 のグラフは と変形することにより、軸が で、頂点が の放物線となることがわかる。

グラフを描くときは、 軸との交点の 座標(右のグラフの場合は )を書く習慣をつけよう。これは、 のときの の値である

座標平面上に、下に凸の放物線 y=ax^2+bx+c があり、y軸との交点のy座標はcである。頂点のx座標は -b/(2a) 、y座標は -(b^2-4ac)/(4a) と示されている。

ここまで見たように、2次関数 のグラフは放物線になる。

そこで、「2次関数 のグラフ」のことを「放物線 」ということがある。

このときの は、放物線の方程式 (equation of parabola) といわれる。

問題2放物線を描く~その2~

次の放物線を、頂点の座標を求めてから描け。

解答を見る
  1. x軸とy軸のある座標平面に、下に凸の放物線 y=x^2-2x+3 が描かれている。頂点の座標は(1, 2)であり、y軸とは(0, 3)で交わっている。

    平方完成すると となるから、頂点が で、下に凸な放物線であるから、グラフは次の図のようになる。

  2. 座標平面上に、原点Oを通る上に凸な放物線y=-3x^2+6xがある。頂点は(1, 3)で、x軸の1とy軸の3から伸ばした点線の交点に黒丸で示されている。

    平方完成すると となるから、頂点が で、上に凸な放物線であるから、グラフは次の図のようになる。

  3. 座標平面上に、頂点が点(-2, -3)で下に凸の放物線y=2x^2+8x+5が描かれている。この放物線はy軸とy座標が5の点で交わっている。

    平方完成すると となるから、頂点が で、下に凸な放物線であるから、グラフは次の図のようになる。

  4. 座標平面上に、頂点が点(-3/2, 2)であり、y軸とy=-5/2の点で交わる上に凸な放物線y=-2x^2-6x-5/2が描かれている。

    平方完成すると となるから、頂点が で、上に凸な放物線であるから、グラフは上の図のようになる。

グラフの移動

2次関数の平行移動

ここでは、2次関数のグラフの平行移動について考える。

問題32次関数グラフの平行移動〜その1〜

とし、放物線 を とよぶ。

  1. を 軸方向に 平行移動したグラフ の式を求めよ。
  2. を 軸方向に 平行移動したグラフ の式を求めよ。
解答を見る

平方完成をすると、 となるので、頂点の座標は とわかる。

  1. 頂点が となればよいので
  2. 頂点が となればよいので

頂点(1, 1)をもつ実線の放物線 C から、y軸方向に 1 平行移動した点線の放物線 (1) と、x軸方向に 2 平行移動した点線の放物線 (2) が描かれている。 上の例題を別の見方でとらえてみよう。

たとえば、 上の各点 において、問題とは逆向きに 軸方向に 平行移動した点 は 上の点だから として答えを求めることができる。

このようなやり方は、 軸方向への平行移動でも実行できる。上の例題の2で各自それを確かめてみよ。

§

定理7放物線の平行移動

放物線 を 軸に 、 軸に だけ平行移動した放物線の方程式は、 を 、 を におきかえると となる。

問題42次関数グラフの平行移動〜その2〜

放物線 を、 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動して得られる放物線の方程式を求めよ。

解答を見る

を 、 を におきかえて

2次関数の対称移動

次に、2次関数のグラフの対称移動について考える。

問題52次関数グラフの対称移動〜その1〜

とし、放物線 を とよぶ。

  1. を 軸に関して対称移動したグラフ の式を求めよ。
  2. を 軸に関して対称移動したグラフ の式を求めよ。
  3. を原点に関して対称移動したグラフ の式を求めよ。
解答を見る

平方完成をすると、 となるので、頂点の座標は とわかる。

  1. 頂点が となり、上に凸なグラフになればよいので
  2. 頂点が となればよいので
  3. 頂点が となり、上に凸なグラフになればよいので

頂点(1, 1)で下に凸の放物線Cと、これをx軸、y軸、原点に関して対称移動した破線の放物線C_x、C_y、C_xyが描かれており、各頂点は点線で結ばれている。 上の例題を別の見方でとらえてみよう。

たとえば、 上の各点 において、問題とは逆に 軸に関して対称移動した点 は 上の点だから として答えを求めることができる。

x軸に関して対称な、下に凸の放物線Cと上に凸の破線の放物線Cxがある。C上の点Q(x, -y)とCx上の点P(x, y)が、x軸を挟んで等しい距離の垂直な線で結ばれている。 このようなやり方は、 軸に関する対称移動でも実行できる。上の例題の2と3で各自それを確かめてみよ。

§

定理8放物線の対称移動

放物線 を 軸に関して対称移動した放物線の方程式は、 を におきかえた また、 軸に関して対称移動した放物線の方程式は、 を におきかえた また、原点に関して対称移動した放物線の方程式は、 を に、 を におきかえた となる。

問題62次関数グラフの対称移動〜その2〜

放物線 を、次の直線または点に関して、それぞれ対称移動して得られる放物線の方程式を求めよ。

  1. 軸
  2. 軸
  3. 原点
解答を見る
  1. を におきかえて
  2. を におきかえて
  3. を に、 を におきかえて

一般のグラフの平行移動と対称移動については、『グラフの移動について』を参照のこと。

2次関数の決定

軸や頂点に関する条件が与えられた場合

この場合には、『 のグラフ』で学んだことを使って問題を解くとよい。

問題7頂点や軸に関する条件が与えられた場合

グラフが次の条件を満たす2次関数を求めよ。

  1. 頂点が で、点 を通る。
  2. 軸が直線 で、2点 、 を通る。
解答を見る
  1. グラフの頂点が であるから、求める2次関数は と表せる。さらに、このグラフは点 を通るから、 のとき となる。したがって よって、求める2次関数は 、つまり

  2. 軸が直線 であるから、求める2次関数は と表せる。さらに、このグラフは2点 、 を通るから この連立方程式を解いて、 、 を得る。

    よって、求める2次関数は 、つまり

グラフ上の3点が与えられた場合

この場合は、求める2次関数を とおいて考えるとよい。

問題8グラフ上の3点が与えられた場合

グラフが3点 、 、 を通るような2次関数を求めよ。

解答を見る

求める2次関数を とおく。このグラフは、3点 、、 を通るから を得る。以下、3つの文字を含むこの連立方程式を解く。 まず、 より、 、よって さらに、 より、 、よって 、 の連立方程式を解いて 、 。さらに、これらを に代入して を得る。 よって、求める2次関数は

2次関数の最大・最小

ここでは、グラフを利用して2次関数の最大値や最小値を求める方法を考えよう。

たとえば、 は と変形できるので、 のグラフは点 を頂点とする下に凸な放物線であることがわかり、グラフは次の図のようになる。このグラフは、 の増加に対し

「 の範囲では の値が減少、 の範囲では の値は増加」

する。そのため、 の値が減少から増加に転じる で、最小値 をとる。また、 の値はいくらでも大きくなるので、最大値は存在しない。

放物線 y=(x-2)^2+1 が描かれ、頂点 (2, 1) の左側に減少、右側に増加を示す矢印が付されている。また、y座標が1の位置に最小値と示されている。 また、 は と変形できるので、 のグラフは点 を頂点とする上に凸な放物線であることがわかり、グラフは上の図のようになる。このグラフは、 の増加に対し

「 の範囲では の値が増加、 の範囲では の値は減少」

する。そのため、 の値が増加から減少に転じる で、最大値 をとる。また、 の値はいくらでも小さくなるので、最小値は存在しない。

頂点が点(-2, 3)である上に凸の放物線 y=-(1/2)(x+2)^2+3 が描かれており、x=-2の左側に増加、右側に減少を示す矢印がある。頂点のy座標3の横には最大値と示されている。 一般に、2次関数 については、次のことがいえる。

  1. の場合

    下に凸の放物線 y=a(x-p)^2+q が描かれており、頂点 (p, q) の y 座標 q に「最小値」と指示されている。グラフは頂点の左側で減少、右側で増加することが矢印で示されている。

    グラフは下に凸な放物線となるので、頂点の 座標 において最小値 をとり、最大値は存在しない。

  2. の場合

    座標平面上に頂点(p, q)である上に凸の放物線 y=a(x-p)^2+q が描かれ、頂点に向かって「増加」、頂点から「減少」と矢印で示されている。また、y座標のqには「最大値」と記されている。

    グラフは上に凸な放物線となるので、頂点の 座標 において最大値 をとり、最小値は存在しない。

定義域が限定された2次関数の最大・最小

問題92次関数の最大・最小〜その1〜

2次関数 において、定義域を次の1~5としたときの、最大値・最小値をそれぞれ求めよ。

解答を見る

平方完成によって と変形できる。

そこで のグラフを、与えられた定義域内で描いて考える。

  1. 放物線 y=(x-1)^2-3 のうち、-2≦x≦0 の部分が実線、頂点(1, -3)を含むその他の部分が破線で描かれており、端点の座標 (-2, 6) と (0, -2) が示されている。

    定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

  2. 2次関数 y=(x-1)^2-3 のグラフで、-1≦x≦2 の範囲が実線、その他が破線で描かれている。実線部分は点 (-1, 1) から始まり、頂点 (1, -3) を通って点 (2, -2) まで続いている。

    定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

  3. 座標平面上に2次関数 y=(x-1)^2-3 の放物線がある。xが0以上2以下の範囲のみ実線で、頂点(1,-3)と両端の点(0,-2)、(2,-2)を通る下に凸の曲線が描かれ、その他の部分は破線になっている。

    定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

  4. 2次関数 y=(x-1)^2-3 のグラフのうち、xが0から3までの範囲が実線で描かれている。実線部分は y軸上の端点(0, -2)から頂点(1, -3)を通り、端点(3, 1)に至る。

    定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

  5. 放物線 y=(x-1)^2-3 が破線で描かれ、xが3以上4以下の範囲に対応する点 (3, 1) から点 (4, 6) までの放物線の一部が実線で強調されている。

    定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

問題102次関数の最大・最小〜その2〜

1~4の全ての2次関数について定義域が であるとき、最大値・最小値をそれぞれ求めよ。

解答を見る
  1. 2次関数 y=x^2+4x-3 のグラフで、xが-1から2までの部分が実線、他は破線で描かれている。実線は点(-1, -6)から点(2, 9)まで右上がりに伸びている。

    を平方完成すると 定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

  2. 放物線 y=-x^2-x-2 のうち、-1≦x≦2 の部分が実線で描かれている。頂点の y座標 -7/4 を含み、右端の点 (2, -8) は黒丸で表され、範囲外は破線になっている。

    を平方完成すると 定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

  3. 2次関数 y=1/2 x^2-x-3 のグラフで、-1≦x≦2 の範囲が実線、それ以外の部分が破線で描かれている。x=-1 のときの y=-3/2 や、頂点 (1, -7/2) が点線で示されている。

    を平方完成すると 定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

  4. 上に凸の放物線 y=-3x^2+12x-5 が描かれている。xが-1から2までの範囲は実線で、点(-1, -20)と頂点(2, 7)が黒丸で示され、その他の部分は破線になっている。

    を平方完成すると 定義域が の場合、 のグラフは上の図の実線部分となるので

    • 最大値
    • 最小値

    となる。

下に凸の放物線について、定義域の異なる5つのグラフが並んでいる。定義域を表す実線部ごとに、最大となる点に黒の三角、最小となる点に黒の丸が示されている。

文字定数を含む2次関数の最大・最小

問題11文字定数を含む2次関数の形の判別

放物線 について以下の問に答えよ。

  1. の軸が定義域より左側にあるための、 の範囲を求めよ。また、定義域内における の最大値、最小値を求めよ。
  2. の軸が定義域より右側にあるための、 の範囲を求めよ。また、定義域内における の最大値、最小値を求めよ。
  3. の軸が定義域の中にあるための、 の範囲を求めよ。また、この範囲のうち、定義域の左端で が最大となるような の範囲を求め、このときの の最大値、最小値を求めよ。
解答を見る

の右辺を平方完成すると となるので、このグラフの軸は である。

  1. 軸 x=2a が x=-5 より左側にあり、放物線の x=-5 から x=5 までの部分が実線で描かれている。曲線は x=-5 で黒丸となり、右上がりに増加して x=5 で矢印となっている。

    放物線の軸 が定義域の左端 よりさらに左にあればよい。よって

    • 座標が最大となるのは定義域の右端なので、最大値 ( のとき)
    • 座標が最小となるのは定義域の左端なので、最小値 ( のとき)
  2. 下に凸の放物線があり、軸 x=2a は定義域の右端 x=5 の右側にあります。x=-5 から x=5 までの実線部分は右下がりで、x=-5 の点に黒い三角印、x=5 の点に黒い丸印が付いています。

    放物線の軸 が定義域の右端 よりさらに右にあればよい。

    • 座標が最大となるのは定義域の左端なので、最大値 ( のとき)
    • 座標が最小となるのは定義域の右端なので、最小値 ( のとき)
  3. 下に凸の放物線において、x=-5とx=5の点線の間に軸x=2aがある。定義域内のグラフは実線で、x=-5の位置に黒い上向き三角印、軸上の頂点に黒丸印が描かれている。

    放物線の軸 が定義域の中にあるためには さらに、定義域の左端で 座標が最大となるには、軸が定義域の右半分に存在すればよい。つまり

    • 座標が最大となるのは定義域の左端なので、最大値 ( のとき)
    • 座標が最小となるのは の頂点なので、最小値 ( のとき)

問題122次関数の最大・最小(文字定数を含む場合)

2次関数 について以下の問に答えよ。ただし、 とする。

  1. 最小値を求めよ。
  2. 最大値を求めよ。
解答を見る

を平方完成して となるので、このグラフをもとに問に答える。

    1. 2次関数 y=(x-2)^2+1 の放物線において、xが0から2より小さいaまでの部分が実線で描かれている。x=aのときの点 (a, f(a)) は黒丸で表され、実線部分の中で最も低い位置にある。

      のとき におけるこの関数のグラフは、次の図の放物線の実線部分となる。この定義域内では、関数の値は減少するから、最小値は となる。

    2. 放物線 y=(x-2)^2+1 の 0≦x≦a の部分が実線で描かれている。a は軸 x=2 の右側に位置し、グラフは最小値をとる頂点 (2, 1) を含んでいる。

      のとき におけるこの関数のグラフは、上の図の放物線の実線部分となる。この場合には、定義域内に軸 が含まれるから、最小値は となる。

    以上i、iiをまとめると

    • のとき、最小値
    • のとき、最小値
    1. 放物線y=(x-2)^2+1の0≦x≦aの部分が実線で描かれている。x=0のときy=5、x=2で最小値1、x=aでy=f(a)となり、x=4のときy=5となる点が点線で示されている。

      のとき におけるこの関数のグラフは、次の図の放物線の実線部分となる。この場合には、定義域の両端の 座標を比べると、左端の方が大きい。よって、最大値は となる。

    2. 下に凸の放物線 y=(x-2)^2+1 の、xが0からaまでの部分が実線で描かれている。xが4より大きいaのとき、y座標f(a)はx=0のときの値5よりも高く、最大値となっている。

      のとき におけるこの関数のグラフは、上の図の放物線の実線部分となる。この場合には、定義域の両端の 座標を比べると、右端の方が大きい( のときは両端が等しい)。よって、最大値は となる。

    以上i、iiをまとめると

    • のとき、最大値
    • のとき、最大値

2次関数の最大・最小の応用

2次関数の知識を利用して、現実にあるさまざまな問題を解くことができる。

問題132次関数の応用

  1. 長さ の針金を2つに切り、それぞれの針金で正方形を作るとき、それらの面積の和の最小値を求めよ。また、そのとき針金は何 ずつに切り分けられているか求めよ。
  2. ある品物の売価が1個 円のときには、1日の売上個数は 個であるという。売価を1個につき1円値上げするごとに、1日の売上個数は 個ずつ減るという。1日の売上金額を最大にするには、売価をいくらに設定すればよいか求めよ。
解答を見る
  1. の針金を、 と に切り分けたとする。ただし、 とする。

    それぞれの針金から作られる正方形の面積は となるから、これら2つの正方形の面積の和を とすると となる。ここで、 は

    y=f(x) のグラフは 0<x<5 の範囲で下に凸な放物線である。頂点は x=5/2, y=f(5/2) の黒丸で、両端の x=0 と x=5 では y=25 の白丸として描かれている。

    と変形できるから、 のグラフは で上の図のようになる。

    これより最小値は であるから、面積の和の最小値は であり、 のとき最小値となるのだから、針金は ずつに切り分けられる。

  2. 売価を1個 円( )とすると、 円より 円値上げしたことになる。その結果、1日の売上個数は、 個減る。ここで、値上げを考えているので であり、また、1日の売上個数 は 以上でなければならないから である。

    よって、1日の売上金額 は となる。ここで、 は

    座標平面上に上に凸な放物線 y=f(x) があり、120≦x≦320 の範囲が実線で示されている。頂点は x=160、y=f(160) の点にあり、グラフの最大点となっている。

    と変形できるから、 のグラフは で上の図のようになる。

    これより、最大値は をとるには、 。つまり、売価を 円にすればよい。

問題14条件をもつ2次関数の最大・最小

、 、 のとき、 の最大値・最小値と、そのときの 、 を求めよ。

解答を見る

を について解けば 。これを に代入すれば であり、さらに、 に代入すれば である。つまり、 のときに、2次関数 の最大・最小を求めればよい。この2次関数を とおいて平方完成すると そこでグラフ を描けば、次の図のようになり、 の最大値は 、最小値は とわかる。

のとき 、 のとき であるから、答えは次のようになる。

  • のとき最大値
  • のとき最小値
横軸x、縦軸Lの座標平面に、下に凸の放物線 L=5(x-4)^2+17 が描かれている。xが0から5の範囲が実線で示され、端点(0, 97)に黒三角、頂点(4, 17)に黒丸が付いている。

問題15式の一部を文字でおく

関数 について以下の問に答えよ。

  1. とするとき、 の値のとりうる範囲を求めよ。
  2. の値のとりうる範囲を求めよ。
解答を見る
  1. 横軸にx軸、縦軸にt軸をとった座標平面に、頂点が点(1, -1)で下に凸の放物線 t=x^2-2x が描かれている。グラフは原点Oを通る。

    平方完成によって であるので、上の図より 。

  2. を で表し平方完成すれば

    横軸をt、縦軸をyとする座標平面に、関数 y=t^2+4t+5 のグラフが描かれている。t=-1 以上の部分は端点 (-1, 2) から始まる実線で、tが -1 より小さい部分は破線で描かれている。

    となる。1より であるので、 に対する のグラフは上の図のようになる。つまり、 。

放物線と軸の位置関係-判別式D

放物線と 軸との位置関係については、次の3つのパターンに分けられる。ただし、グラフは下に凸な場合のものである。

i) 軸と2つの共有点をもつ

右向きの矢印がついた水平なx軸と、下に凸な放物線が描かれている。放物線の頂点はx軸の下側にあり、放物線とx軸が交わる2つの共有点にそれぞれ黒丸が打たれている。

ii) 軸と1つの共有点をもつ

下に凸の放物線の頂点がx軸の上にあり、1点だけで接している。接点には黒丸が打たれており、放物線とx軸の共有点が1つであることが表されている。

iii) 軸と共有点をもたない

右向きの矢印がついた水平なx軸の上側に、下に凸の放物線が描かれている。放物線の頂点はx軸より上にあり、放物線とx軸は交わったり接したりしていない。

たとえば、放物線 は平方完成によって となり、頂点の座標は とわかる。特に、頂点の 座標は負であるから、グラフは次の図のようになり、上のパターンiであることがわかる。

座標平面上に、下に凸の放物線 y=2x^2+8x+1 が描かれている。頂点の座標 (-2, -7) が破線で示され、放物線は x 軸と2点で交わっている。 このように、2次関数が与えられたとき、頂点の 座標の符号を調べれば、グラフがこの3つのパターンのうちどれに属するかを知ることができる。

では、一般の放物線 について考えてみよう。『 のグラフ』で学んだように、平方完成は となる。そして の場合は、この頂点の 座標の値 の負・・正が上のパターンi・ii・iiiと対応している。

の符号は、分子の と分母にある の符号がわかれば確定する。( の正負は、グラフが下に凸か上に凸かを決めているだけなので、 の符号を調べれば2次関数と 軸との位置関係を判別できる。)そこで、分子に表れる という式を判別式 (discriminant) とよび、 であらわす。

§

定義9判別式 の定義

2次関数 において、 を判別式 とよぶ。つまり とする。

いま、この判別式 の符号に着目して放物線と 軸との位置関係を調べると、次のようにまとめることができる。

a>0のとき、判別式Dの符号に応じて下に凸の放物線とx軸の位置関係を3通りに分けた図。i) D>0 のとき頂点のy座標は −(正)/(正) で負となり、放物線はx軸と2点で交わる(共有点は2つ)。ii) D=0 のとき頂点のy座標は −0/(正) で0となり、放物線はx軸に接する(共有点は1つで、頂点が共有点)。iii) D<0 のとき頂点のy座標は −(負)/(正) で正となり、放物線はx軸の上にあって共有点はない。 a<0のとき、判別式Dの符号に応じて上に凸の放物線とx軸の位置関係を3通りの場合に分け、それぞれの頂点のy座標の符号と、共有点が2つ、1つ、ないときのグラフが描かれている。 以上の結果について、 軸との共有点の数だけに着目すれば、 の正負によらず次のようにまとめられる。

§

定理10判別式 と放物線の関係

  1. のとき

    放物線 は 軸と「2つの共有点をもつ」

  2. のとき

    放物線 は 軸と「1つの共有点をもつ」

    このとき、この放物線 は 軸と接する (contact) といい、この共有点のことを、特に、接点 (point of contact) という。

    この接点の座標は、放物線の頂点に等しく、 である。

  3. のとき

    放物線 は 軸と「共有点をもたない」

問題16 軸との共有点の個数の判別

2次関数 のグラフと 軸との共有点の個数は、定数 の値によってどのように変わるか調べよ。

解答を見る

2次関数 の判別式を とすると

  1. 、つまり のとき

    となり、グラフは 軸と異なる2点で交わる。

  2. 、つまり のとき

    となり、グラフは 軸と接する。

  3. 、つまり のとき

    となり、グラフは 軸と共有点をもたない。

以上i~iiiより、共有点の個数は次のようになる。

  • のとき 個
  • のとき 個
  • のとき 個
座標平面上に、下に凸の3つの放物線が描かれている。k=-2のグラフはx軸と2点で交わり、k=-1/2のグラフはx軸と接し、k=1のグラフはx軸と共有点をもたない。

最終更新: 2026-09-03

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