数学I 第3章 集合の基礎 — 集合の要素の個数

集合の要素の個数の表し方

集合の要素の個数の表し方

集合 の要素の個数を で表す。

は数(number) の頭文字である。

例えば、集合 を1桁の奇数、すなわち とすると、 となる。空集合 には要素がないので、 とする。

集合 が等しいとき、 の要素の個数も当然等しい、すなわち が成り立つ。これより、集合の性質~その1~集合の性質~その2~ でみた集合に関する等式は、集合の要素の個数の場合にもそのまま成り立ち、次のようにまとめられる。

定理1要素の個数の基本 §
  1. ド・モルガンの法則

直積の要素の個数

直積の要素の個数

集合 の要素の個数 、集合 の要素の個数 とする。

の直積 は、 の要素 個それぞれに対して の要素 個を対応させることによって作られるので、 が成り立つ。

定理2直積の要素の個数 §

集合 と、その直積 の要素の個数に関して が成り立つ。

和集合の要素の個数(包含と排除の原理)

和集合の要素の個数(包含と排除の原理)

全体集合を とする、2つの集合 について であるとすると図のようになるので となるのがわかる。これより が成り立ち、これを包含(ほうがん)と排除(はいじょ)の原理 (principle of inclusion and exclusion) という。

包含と排除の原理の図
包含と排除の原理の図
定理3包含と排除の原理(2集合版) §

2つの集合 に関して が成り立つ。

特に、 のときには、 となる。

和集合の要素の個数(包含と排除の原理)

の要素の個数を数えるのに、 を加えたのでは、 を2回数えたことになる。そこで、余分な1回分の を引くのだと考えると覚えやすい。イメージは図のようになる。

包含と排除の原理のイメージ
包含と排除の原理のイメージ
問題1包含と排除の原理(2集合版)

を全体集合とし、 とするとき、次の値を求めよ。

解答を見る
  1. あまり より となるのがわかる。よって、 である。

  2. より となるのがわかる。よって、 である。

  3. は、 の倍数でかつ の倍数の集合だから、結局 の倍数の集合である。

    あまり より となるのがわかる。よって、 である。

  4. 和集合の要素の個数に関して

    包含と排除の原理(2集合版)参照

    が成り立つから、1~3より

暗記1包含と排除の原理(3集合版)の導出

2つの集合に関する包含と排除の原理 を使い、3つの集合に関する包含と排除の原理 が成り立つのを証明せよ。

解答を見る

定理4包含と排除の原理(3集合版) §

3つの集合 に関して が成り立つ。

和集合の要素の個数(包含と排除の原理)

3集合の場合の包含と排除の原理も、包含と排除の原理(2集合版)の場合と似ている。 を数えるのに、これを包み込む をまず計算する。すると、重なっている部分ができてしまうので、 を引くことにより除外する。しかし、これでは3つの集合が重なった部分を引きすぎてしまうので、最後に を加えておく。図で確認してみよう。

包含と排除の原理(3集合版)の図
包含と排除の原理(3集合版)の図

補集合の要素の個数

“着目しないもの”に着目する

図の中にある白丸(○)の個数を数えるには、実際に白丸の個数を数えるのではなく、丸が横に12個、縦に10個、計120個並んでいるのを確認し、そこから黒丸(●)の個数を引くのが よい。つまり と数えるのがよい。

白丸と黒丸 このように、着目しないもの(●)の個数を全体の個数から引くことによって、着目するもの(○)の個数を数えることができ、集合では次のようにまとめられる。

補集合の要素の個数について

全体集合を とする。集合 と、その補集合 について であるから、包含と排除の原理(2集合版)より となる。

全体集合と補集合
全体集合と補集合
定理5補集合の要素の個数 §

全体集合を とする集合 と、その補集合 に関して が成り立つ。

補集合の要素の個数について

このことは、ある集合 の要素の個数を数えるのが大変な場合、むしろ の補集合 の要素の個数に着目すべきである、ということを教えてくれる。

問題2補集合の要素の個数と包含と排除の原理

総世帯数が のある地区では、新聞をとっている世帯が ある。このうちA新聞をとっている世帯は 、B新聞をとっている世帯は ある。その他の新聞はこの地区には無いものとして、以下の問に答えよ。

  1. この地区では新聞をとっていない世帯はいくつか。
  2. A、B両方の新聞をとっている世帯はいくつか。
解答を見る
  • 「ある地区の総世帯」
  • 「A新聞をとっている世帯」
  • 「B新聞をとっている世帯」

とおく。

  1. 新聞をとっている世帯は と表せるので、新聞をとっていない世帯は となる。

    補集合の要素の個数参照

  2. A、B両方の新聞をとっている世帯は と表される。和集合の要素の個数に関して

    包含と排除の原理(2集合版)参照

    が成り立つから

問題3補集合の要素の個数と包含と排除の原理(3集合版)

人の高校生にA、B、Cの3種のテストを行った。Aテストに 人、Bテストに 人、Cテストに 人が合格したが、これらの中で、A、B両テストに 人、B、C両テストに 人、C、A両テストに 人が合格している。3種のテストのどれにも合格しなかった人は 人であった。このとき、3種のテストにすべて合格した人は何人か。

解答を見る
  • 「テストを受けた高校生全員」
  • 「Aテストに合格した人」
  • 「Bテストに合格した人」
  • 「Cテストに合格した人」

とおくと、3種のテストのどれにも合格しなかった人は と表され、3種のテストにすべて合格した人は で表せる。

包含と排除の原理(3集合版)参照

3つの集合の和集合に関して

補集合の要素の個数参照

全体集合と補集合の3集合の場合のド・モルガンの法則より

が成り立ち、また補集合に関して が成り立つ。より

元記事: http://www.ftext.org/text/section/69(取得日 2026-08-07)

最終更新: 2026-08-08

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