数学I 第3章 集合の基礎 — 集合と集合の関係

先程学んだように、集合とはものの集まりであった。2つの集合があるとき、この2つの集合が全く別の集まりを表すこともあれば、要素を共有することもある。ここでは、2つの集合の間の関係について考えてみよう。

部分集合

部分集合について

2つの集合 について、 からどのような要素 をとってきても、その要素 の要素であるとき、つまり が成り立つとき、部分集合 (subset) であるといい と表す。このとき、 の関係は図のようになり、含む (contain) という。

集合Bを表す大きな円の内部に、集合Aを表すひとまわり小さな円が完全に含まれており、集合Aの内部には要素xを示す黒点が描かれている。 また、この定義から集合 は自分自身の部分集合、すなわち がいえる。

なお、要素をもたない集合である空集合 は、どのような集合に対しても部分集合であると約束する。つまり、任意の集合 に対し、 とする。

《例》 のとき

集合の相等

2つの集合 において、 かつ のときは、 の要素が完全に一致している。

このとき、等しい (equal) といい と表す。また、等しくないときは と表す。

1つの円の上部が途切れており、そこに A=B という文字が配置されている。集合Aと集合Bが等しいことを、共通の1つの円で表している。 《例》 のとき

真部分集合

2つの集合 において、 であるが のとき、真部分集合 (proper subset) であるといい と表す。また、真部分集合でないときは と表す。

《例》 のとき

共通部分と和集合

共通部分

2つの集合 について、 の両方に属する要素全体の集合を、共通部分 (common part) といい、 と表す。

つまり である。 に共通の要素がない場合には となる。特に、 である。

一部重なり合う2つの円 A と B があり、互いに重なる中央の部分に斜線が引かれている。その斜線部分の上部に A∩B と記されている。 《例》 のとき

和集合

2つの集合 について、 の少なくとも一方に属する要素全体の集合を、和集合 (sum of sets) といい、 と表す。

つまり である。特に、 である。

一部が重なる集合A、Bを表す2つの円があり、両方の内部を合わせた全体に斜線が引かれています。その上部には A∪B と記されています。 《例》 のとき

暗記1集合の性質~その1~

次の等式が成り立つことを、図をつかって確認せよ。

3つの集合A、B、Cを表す円が、互いに一部ずつ重なり合って配置されている。上が集合A、左下が集合B、右下が集合Cを表している。 ここでは、3つの円が分ける7つの部分について、 だけに属する部分を だけに属する部分を だけに属する部分を だけに属する部分を だけに属する部分を だけに属する部分を のすべてに属する部分を と呼ぶことにする。

解答を見る
  1. は図において、ともに のすべてを表し等しい。

    また、 は図において、ともに の部分を表し等しい。

  2. は図において、ともに の部分を表し等しい。

    また、 は図において、ともに の部分を表し等しい。

§

定理1集合の性質~その1~

集合 に関して次のことが成り立つ。

  • i.
  • ii.

i は どうしや どうしの演算では、どこにかっこを付けても結果が変わらないことを意味しており、これを結合法則 (associative law) という。そのため、かっこを省略してそれぞれ と表すことがある。また、ii の後半 は、式の展開法則 と似ていることに注意すると覚えやすい。ただし、ii の前半 を同じように読みかえた は数では成り立たず、たとえば に対して となる。集合ではこちらも成り立つところが、数の計算との違いである。

補集合

共通部分と補集合

1つの集合 を定めておいて、 の要素や、 の部分集合だけを考えるとき、全体集合 (universal set) という。全体集合 の部分集合 に対して、 の要素ではあるが に属さない要素全体の集合を 補集合 (complement) といい、 で表す。

つまり である。

全体集合Uを表す長方形の中に、集合Aを表す円が描かれている。円の外側にあたる長方形の領域全体に斜線が塗られており、その斜線部分にAの上に横線を引いた記号が示されている。 《例》 のとき、全体集合 に関する の補集合

暗記2集合の性質~その2~

次の等式が成り立つことを、図をつかって確認せよ。

全体集合Uを表す長方形の中に、集合Aを表す円と集合Bを表す円が、一部を重ねて描かれている。色の塗りつぶしや要素の記載はない。
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  1. まず、 の補集合

    全体集合Uを表す長方形の中に、交わりのある2つの円AとBが描かれている。長方形の中で、円Aの内側を除いた部分全体に斜線が引かれている。

    であるから、 の補集合の補集合

    全体集合 U を表す長方形の中に集合 A と B を表す2つの円があり、一部が重なっている。そのうち集合 A の内部全体に斜線が引かれている。

    であり、これは と一致する。

  2. はそれぞれ

    全体集合 U を表す枠の中に、互いに重なる集合 A と B の円がある。左では A の内側全体に斜線が引かれ、右では A の外側全体に斜線が引かれている。

    であるから、 の和集合 と、共通部分 はそれぞれ

    全体集合Uを示す長方形の中に集合AとBの円が描かれたものが左右に並んでいる。左は長方形の内部全体に斜線が引かれており、右は斜線がどこにもない。

    であり、これらは と一致する。

  3. まず、

    全体集合Uを表す長方形の中に、一部が重なる2つの集合A、Bを表す円がある。集合Aと集合Bの和集合にあたる部分全体に斜線が引かれている。

    であるから、その補集合

    全体集合Uの中に、互いに重なる2つの集合A, Bの円が描かれている。円Aと円Bのどちらの内部にも含まれないUの領域に、斜線が引かれている。

    である。

    また、 はそれぞれ

    全体集合Uの中で一部が重なる集合AとBを表した2つの図が左右に並んでいる。左は円Aの外側全体に斜線が引かれ、右は円Bの外側全体に斜線が引かれている。

    であるから、これらの共通部分

    全体集合 U を表す長方形の中に、一部が重なる集合 A と集合 B の円があり、その2つの円のどちらにも含まれない外側の部分に斜線が引かれている。

    であり、これは先程の に一致する。

    最後に を確認する。まず、

    全体集合Uを表す長方形の中に、集合Aを表す円と集合Bを表す円が一部を重ねて描かれている。2つの円が重なる共通の部分に斜線が引かれている。

    であるから、その補集合

    全体集合Uを表す長方形の中に集合Aと集合Bを表す2つの円が描かれており、2つの円が重なり合う共通部分以外の領域全体に斜線が施されている。

    である。

    また、 はそれぞれ

    全体集合Uを表す長方形の中に、互いに重なる2つの集合AとBが円で描かれている。左側は円Aの外側全体に、右側は円Bの外側全体に斜線が引かれている。

    であるから、この2つの斜線を重ね合わせると、2つの円が重なる部分だけが斜線のつかない部分として残り、これらの和集合

    全体集合Uを表す長方形の中に、一部を重ねて描かれた集合Aの円と集合Bの円があり、2つの円が重なり合う共通部分を除いた領域全体に斜線が引かれている。

    であり、これは先程の に一致する。

§

定理2集合の性質~その2~

全体集合 とその部分集合 に関して次のことが成り立つ。

  • iii.
  • iv.
  • v.

特に、このvの性質は有名で、ド・モルガンの法則 (law of de Morgan) と呼ばれている。

なお、iii の左辺にある集合 の補集合の補集合 は、簡単に と書くことがある。

暗記33集合の場合のド・モルガンの法則

次の等式を集合の性質~その1~集合の性質~その2~ を用いて証明せよ。

解答を見る
  1. まず を1かたまりとして考えていく。 2行目では の結合法則を、3行目では にド・モルガンの法則を、4行目では にド・モルガンの法則を用い、さらに の結合法則でかっこを外している。
  2. まず を1かたまりとして考えていく。 2行目では の結合法則を、3行目では にド・モルガンの法則を、4行目では にド・モルガンの法則を用い、さらに の結合法則でかっこを外している。

集合の直積

直積とは何か

2つの集合 について、 の要素 の要素 の、順序を考えた組 全体がつくる集合を、直積 (direct product) といい、 で表す。つまり である。

《例》 のとき

最終更新: 2026-08-12

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