数学I 第2章 関数と方程式・不等式 — 1次関数とそのグラフ
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ここでは、1次関数のグラフの描き方について復習していこう。中学で学習済みの内容ではあるが、2次関数のグラフを書くために必要な視点から、まとめておく。
1次関数のグラフ
1次関数の定義
§
定義11次関数の定義
関数 f(x) が x の1次式で表されるとき、つまり、 a(≠0)、b を定数として
f(x)=ax+b
の形で表されるとき、f(x) は x の1次関数 (linear function) であるという。
たとえば、以下の x の関数 f(x) は、すべて1次関数である。
f(x)=x+2 f(x)=3x-1/2 f(x)=-2x+√2
y=ax のグラフ
1次関数 y=ax+b において、まずは b=0 の場合、つまり y=ax のグラフについて考えてみよう。このタイプのグラフは次のような特徴があった。
§
定理2 y=axのグラフの特徴
原点を通る直線である。
- a>0 のとき
- x が増加するとき、y も増加するため、グラフは右上がり
- a が大きいほど、右上がりは急
a<0 のとき
- x が増加するとき、y は減少するため、グラフは右下がり
- |a| が大きいほど、右下がりは急
直線の(x 軸に対する)傾き具合を決める、a の値を傾き (slope) という。
傾き a は「x が 1 増加したときの y の増加量」になっている。a が負のときは y の増加量が負になり、y は減少していることになる。
y=ax+b のグラフ
次に、一般の1次関数 y=ax+b のグラフについて考えてみよう。
例として2つの1次関数
y=(1/2)x y=(1/2)x+1
の関係を考えてみよう。
| x |
… |
-3 |
-2 |
-1 |
0 |
1 |
2 |
… |
| (1/2)x |
… |
-3/2 |
-1 |
-1/2 |
0 |
1/2 |
1 |
… |
| (1/2)x+1 |
… |
-1/2 |
0 |
1/2 |
1 |
3/2 |
2 |
… |
上の表から、 y=(1/2)x+1 のグラフは、 y=(1/2)x のグラフを y 軸方向に 1 だけ平行移動した直線であるとわかる。
また、原点より y 軸方向に 1 大きい点 (0, 1) を通ることがわかる。
§
定理3 y=ax+b のグラフ
y=ax+b のグラフは、 y=ax のグラフを
「y軸方向にbだけ平行移動」
した直線である。このときの b の値をy切片 (y-intercept) という。
y=a(x-p) のグラフ
例として2つの1次関数
y=2x y=2(x-3)
の関係を考えてみよう。
| x |
… |
-3 |
-2 |
-1 |
0 |
1 |
2 |
3 |
… |
| 2x |
… |
-6 |
-4 |
-2 |
0 |
2 |
4 |
6 |
… |
| 2(x-3) |
… |
-12 |
-10 |
-8 |
-6 |
-4 |
-2 |
0 |
… |
上の表から、 y=2(x-3) のグラフは、 y=2x のグラフを x 軸方向に 3 だけ平行移動した直線になるとわかる
また、このグラフは原点より x 軸方向に 3 大きい点 (3, 0) を通る。
§
定理4 y=a(x-p) のグラフ
y=a(x-p) のグラフは、 y=ax のグラフを
「x 軸方向に p だけ平行移動」
した直線である。このときの p の値をx切片 (x-intercept) という。
y=a(x-p)+q のグラフ
最後に、 y=a(x-p) の右辺に q を加えた
y=a(x-p)+q
という形をした1次関数のグラフについて考えてみよう。
たとえば y=2(x-3)+1 のグラフについて考えてみよう。これは、 y=2x のグラフを x 軸方向に 3 平行移動した
y=2(x-3)
のグラフを、さらに y 軸方向に 1 平行移動した
y=2(x-3)+1
のグラフを表している。
また、 y=2(x-3)+1 のグラフは、原点より x 軸方向に 3 大きく、y 軸方向に 1 大きい点 (3, 1) を通ることがわかる。
§
定理5 y=a(x-p)+q のグラフ
y=a(x-p)+q のグラフは、 y=ax のグラフを
「x 軸方向に p だけ平行移動し、y 軸方向に q だけ平行移動」
した直線である。また、このグラフは (p, q) を通る。
また、 y=2(x-3)+1 は、計算によって y=2x-5 や y=2(x-5/2) とも表せるので、 y=2x を y 軸方向に -5 平行移動したものともいえるし、x 軸方向に 5/2 平行移動したものともいえる。このことを、上のグラフで確認しておくこと。
「1次関数 y=ax+b のグラフ」のことを
「直線 y=ax+b」
ということがある。このときの y=ax+b は、直線の方程式 (equation of line) といわれる。
問題11次関数のグラフ
次の1次関数のグラフはすべて、 y=2x のグラフを平行移動してできる。それぞれ、x 軸方向、y 軸方向にいくつ平行移動が行われたのか、式の形から読み取れ。
また、それぞれのグラフを座標平面上に描け。
- y=2(x+2)
- y=2(x+3)-1
解答を見る
y=2{x-(-2)} であるので、 y=2x のグラフを x 軸方向に -2 平行移動したグラフである。座標平面上に表すと上の図のようになる。
y=2{x-(-3)}-1 であるので、 y=2x のグラフを x 軸方向に -3 平行移動し、y 軸方向に -1 平行移動したグラフである。座標平面上に表すと上の図のようになる。
1次関数の決定
変化の割合と傾きa
関数 f(x) において、ある x の範囲における「x の増加量に対する f(x) の増加量の比」を,その x の範囲における変化の割合 (rate of change) という。
x 座標が,x0 から x1 に増加するときの f(x) の変化の割合は
(変化の割合)=(f(x)の増加量)/(xの増加量) =(f(x1)-f(x0))/(x1-x0)
次の図のように、直線 y=ax+b が異なる2点 (x0, ax0+b)、 (x1, ax1+b) を通るとき
(変化の割合) =((ax1+b)-(ax0+b))/(x1-x0) =(ax1-ax0)/(x1-x0) =a(x1-x0)/(x1-x0) =a
となり、1次関数の変化の割合は傾きと等しいことがわかる。
§
定義6直線の傾き a
- 1次関数の変化の割合は、常にそのグラフの傾きに等しい。
- x 座標の異なる2点 (x0, y0)、(x1, y1) を通る直線の傾き a は次の式で求められる。
a=(y1-y0)/(x1-x0)(=(yの増加量)/(xの増加量))
問題2傾き a を求める
次の条件にあった1次関数の傾きを求めよ。
- x が 3 増えれば y は 6 増える1次関数
- x が 3 増えれば y は 6 減る1次関数
- グラフが2点 (0, 0)、(3, 6) を通る1次関数
- グラフが2点 (-3, 5)、 (2, -5) を通る1次関数
解答を見る
(傾き)=(yの増加量)/(xの増加量)=6/3=2
(傾き)=(yの増加量)/(xの増加量)=(-6)/3=-2
傾きは (6-0)/(3-0)=2
傾きは (-5-5)/(2-(-3))=(-10)/5=-2
1次関数を決定する
y=a(x-p)+q のグラフで学んだことを用い、条件に合った1次関数の式を求めてみよう。
問題3直線の傾きと通る1点が与えられた場合
グラフが次の条件を満たす1次関数を求めよ。
- 傾きが 3 で、点 (2, 1) を通る。
- 傾きが 2 で、y 切片が 1 である。
- 傾きが 2 で、x 切片が 3 である。
解答を見る
- 傾きが 3 で、点 (2, 1) を通る直線の方程式は
y=3(x-2)+1 ⇔ y=3x-5 (注) y=a(x-p)+qのグラフ
- y 切片が 1 であるということは、点 (0, 1) を通るということであるから
y=2(x-0)+1 ⇔ y=2x+1 (注) y=a(x-p)+qのグラフ
- x 切片が 3 であるということは、点 (3, 0) を通るということであるから
y=2(x-3)+0 ⇔ y=2x-6 (注) y=a(x-p)+qのグラフ
問題4直線の通る2点が与えられた場合
グラフが次の条件を満たす1次関数を求めよ。
- 2点 (-2, -7)、 (1, -1) を通る。
- 2点 (-5, -9)、(5, 7) を通る。
- x 切片が 3、y 切片が 5 である。
解答を見る
傾きは
(-1-(-7))/(1-(-2))=2
である。
通る点を (-2, -7) として
y=2{x-(-2)}-7 ⇔ y=2x-3 (注) y=a(x-p)+qのグラフ
傾きは
(7-(-9))/(5-(-5))=8/5
である。
通る点を (-5, -9) として
y=8/5{x-(-5)}-9 ⇔ y=(8/5)x-1 (注) y=a(x-p)+qのグラフ
求めたい関数のグラフは、x 切片が 3 なので (3, 0) を通り、y 切片が 5 なので (0, 5) を通る。
つまり、傾きは
(5-0)/(0-3)=-5/3
であるから、通る点を (3, 0) として
y=-5/3(x-3)+0 ⇔ y=-(5/3)x+5 (注) y=a(x-p)+qのグラフ
切片が与えられたときの直線の方程式
次の図のように原点を通らない直線で、x 切片が x0、y 切片が y0 である直線は、傾きが -y0/x0 であり (0, y0) を通るので、 y=-(y0/x0)x+y0 となる。
この式全体を y0 で割ると
y/y0=-x/x0+1 ⇔ x/x0+y/y0=1
となる。
§
定理7切片が与えられたときの直線の方程式
x 切片が x0(≠0)、y 切片が y0(≠0) の直線、つまり原点を通らない直線の方程式は x/x0+y/y0=1 で表される。
上の例題の3は、x 切片が 3、y 切片が 5 であるから
x/3+y/5=1 ⇔ 5x+3y-15=0 ⇔ y=-(5/3)x+5
となりさきほどの解答と確かに一致する。
1次関数の対称移動
x軸に関する対称移動
たとえば、1次関数
y=2x+1
と、右辺全体に -1 を掛けた1次関数
y=-2x-1
のグラフは、次の図のように互いに x 軸対称となっている。
これは、2つの1次関数に関して「同じ x0 という値に対して、y0 の値の絶対値は同じだが、符号は逆になるため」と考えれば明らかであろう。
§
定理8x 軸対称なグラフの関係
1次関数 f(x)=ax+b において y=f(x) のグラフと y=−f(x) のグラフは、互いに x 軸対称になる。
y軸に関する対称移動
次に、1次関数
y=(4/3)x-2 ①
と、右辺の x を -x で置き換えた1次関数
y=4/3(-x)-2=-(4/3)x-2 ②
のグラフを図示すると、下図のように互いに y 軸対称となっている。
これは、2つの1次関数に関して「同じ y0 という値をとるのが、① では x0、② では -x0 のときであるため」と考えれば納得できるだろう。具体的にいえば、① の x に 3 を代入すると y=2 となり、② の x に -3 を代入すると同じく y=2 になるということである。
§
定理9y 軸対称なグラフの関係
1次関数 f(x)=ax+b において y=f(x) のグラフと y=f(-x) のグラフは、互いに y 軸対称になる。
最終更新: 2026-08-19
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