数学I 第1章 数と式 — 式の計算
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この章で学ぶことは、大きく分けて2つある。1つは、式をつぎつぎに掛けていって細かい式の和で表すこと(展開)であり、 もう1つは、細かい式の和を大きな式の積で表すこと(因数分解)である。どちらも一見複雑な式を見通しよく扱うために大切な方法である。
多項式
単項式とは何か
3abx² のように、いくつかの文字や数を掛け合わせてできる式を単項式 (monomial) という。
単項式において、数の部分を係数 (coefficien) といい、掛け合わせる文字の個数を次数 (degree) という。たとえば、3abx² の係数は 3 で、次数は 4 である(次の図参照)。
特に、1 や -3 などの数は、文字を含まない単項式とみなし、次数は 0 とする。ただし、単項式 0 については次数を考えないものとする。
また、0 でない2つの単項式について、次数が m の式と次数が n の式の積は、次数 m+n の式になる。
単項式において、特定の文字に着目することがある。このとき、その他の文字を数と同様に扱う。たとえば、単項式 3abx² では以下のようになる。
| 文字 x の単項式と考えた場合 |
|
3abx²=(3ab)x²、次数は 2、係数は 3ab |
| 文字 a の単項式と考えた場合 |
|
3abx²=(3bx²)a、次数は 1、係数は 3bx² |
問題1単項式の次数
次の多項式について、[ ]内の文字に着目したときの次数と係数を答えよ。
- 3x⁴y⁵ [x], [y], [xとy]
- 2abxy² [x], [y], [xとy]
解答を見る
- x に着目すると、次数は 4、係数は 3y⁵ である。
- y に着目すると、次数は 5、係数は 3x⁴ である。
- x と y に着目すると、次数は 9、係数は 3 である。
- x に着目すると、次数は 1、係数は 2aby² である。
- y に着目すると、次数は 2、係数は 2abx である。
- x と y に着目すると、次数は 3、係数は 2ab である。
多項式とは何か
2a-3b²+ab のように、いくつかの単項式の和や差として表される式を多項式 (polynomial) という(整式 (integral expression) ともいう)。
多項式の項のうち、文字の部分が同じであるものを同類項 (similar term) という。多項式は、同類項を1つにまとめて簡単にすることができる。
たとえば、多項式 5a²b+3ab-a²b+2ab は、次のようにまとめることができる。
5a²b+3ab-a²b+2ab =(5-1)a²b+(3+2)ab (注) 同類項どうしは係数を合わせて1つにまとめる =4a²b+5ab
多項式においても、特定の文字以外を、数とみなすことがある。
0 次の項のことを、定数項 (constant term) という。
問題2多項式の次数
次の多項式を同類項でまとめよ。また、[]内の文字に着目したとき何次式か。
- x³+xy²-3xy²[x]、[y]
- x⁴+(a²-a)x³y+2bxy² +ax³y-4bxy²[x]、[y]
解答を見る
同類項でまとめると
x³+xy²-3xy²=x³-2xy²
x に着目すると、項 x³ の次数は 3、項 2xy² の次数は 1 であるから、
3次式
である。
y に着目すると項 x³ の次数は 0 (定数項)、項 -2xy² の次数は 2 であるから、
2次式
である。
同類項でまとめると
x⁴+(a²-a)x³y +2bxy²+ax³y-4bxy² =x⁴+(a²-a+a)x³y+(2-4)bxy² =x⁴+a²x³y-2bxy²
x に着目すると項 x⁴ の次数は 4、項 a²x³y の次数は 3、項 -2bxy² の次数は 1 であるから、
4次式
である。
y に着目すると項 x⁴ の次数は 0、項 a²x³y の次数は 1、項 -2bxy² の次数は 2 であるから、
2次式
である。
降べき・昇べきの順
多項式は、ある文字に着目した次数についてまとめると、式が扱いやすい。
たとえば、多項式 -3x²-7+4x³+x を
- (x について)次数が低くなる順に整理すると 4x³-3x²+x-7
- (x について)次数が高くなる順に整理すると -7+x-3x²+4x³
となる。 一般には、次のようにいわれる。
- 次数が低くなる順に多項式を整理することを降べきの順 (descending order of power) に整理するといい
- 次数が高くなる順に多項式を整理することを昇べきの順 (ascending order of power) に整理するという。
問題3降べきの順
次の多項式を x について降べきの順に整理し、各項の係数をいえ。
- 3x²-12xy+4+3x²-2x+5
- 2x²+2y²-3xy+4y²+2xy-x²
解答を見る
- まず同類項でまとめてから、降べきの順に整理する。
3x²-12xy+4+3x²-2x+5 =(3+3)x²+(-12y-2)x+(4+5) =6x²+(-12y-2)x+9
これより、x² の係数は 6、x の係数は -12y-2、定数項は 9 である。
- まず同類項でまとめてから、降べきの順に整理する。
2x²+2y²-3xy+4y²+2xy-x² =(2-1)x²+(2-3)xy+(2+4)y² =x²-xy+6y²
これより、x² の係数は 1、x の係数は -y、定数項は 6y² である。
多項式の加法・減法
多項式の加法・減法について
多項式の加法と減法は、同類項をまとめることによって行われる。
たとえば、 A=3x²-2x+1、 B=2x²+7x-3 のとき
多項式の加法
多項式の加法
A+B=(3x²-2x+1)+(2x²+7x-3) =3x²-2x+1+2x²+7x-3 =(3+2)x²+(-2+7)x+(1-3) =5x²+5x-2
多項式の減法
多項式の減法
A-B =(3x²-2x+1)-(2x²+7x-3) =3x²-2x+1-2x²-7x+3 =(3-2)x²+(-2-7)x+(1+3) =x²-9x+4
問題4多項式の加法と減法
A=3x²-2x+1、 B=2x²+7x-3 のとき、次の式の計算をしなさい。
- A+B
- A-B
解答を見る
- A+B=(3x²-2x+1) +(2x²+7x-3) =3x²-2x+1+2x²+7x-3 =(3+2)x² +(-2+7)x+(1-3) =5x²+5x-2
- A-B=(3x²-2x+1) -(2x²+7x-3) =3x²-2x+1-2x²-7x+3 =(3-2)x² +(-2-7)x+(1+3) =x²-9x+4
上の計算は、同類項を縦にそろえて並べ、次のようにもできる。
多項式の乗法
指数と指数法則
実数 a の n 個の積 a× a×…×a^n を a^n と書き、「a の n 乗」と読む(次の図参照)。このとき、a の右上に書かれた数 n のことを指数 (exponent) という。
指数が 1 のときは指数を書かない。実際、 a¹=a である。
a² のことを a の平方 (square)、a³ のことを a の立方 (cube) という。
また、a, a², a³, … を総称して a の累乗 (power) という。
累乗に関して、一般に次のような指数法則 (power law) が成り立つ
§
定義1指数法則
m、n が自然数のとき一般に次のような性質が成り立つ。
- a^ma^n=a^m+n
- (a^m)^n=a^mn
- (ab)^n=a^nb^n
- 例1.
a²× a⁴=(a× a2)×(a×a× a× a4) =a⁶ (=a^2+4)
- 例2.
(a²)⁴=(a× a2)×(a×a2) ×(a× a2)×(a× a2)=a⁸ (=a^2× 4)
- 例3.
(a× b)⁴=(a× b)×(a× b)×(a× b) ×(a× b)=a⁴× b⁴
問題5指数法則の練習
次の式を計算して簡単にせよ。
- x²×x³
- (x²)³
- (x³)⁵
- (xy²)³
解答を見る
- x²×x³=x^2+3=x⁵
- (x²)³=x^2×3=x⁶
- (x³)⁵=x^3×5=x¹⁵
- (xy²)³=x³(y²)³=x³y⁶
多項式の乗法について
分配法則 A(B+C)=AB+AC や (A+B)C=AC+BC は多項式においても成立する。 これを使って、たとえば (x²+3)(x²-4x+5) は次のように計算できる。
(x²+3)(x²-4x+5) =(x²+3)A =x²A+3A =x²(x²-4x+5)+3(x²-4x+5) =x⁴-4x³+5x²+3x²-12x+15 =x⁴-4x³+8x²-12x+15
ここでは、 x²-4x+5 を A とおいて計算したが、それを省略して次のように計算することもできる。
このように、多項式どうしの積を計算して単項式だけの和にすることを展開 (expansion) するという
問題6多項式の展開
次の式を展開せよ。
- (x+3)(2x+1)
- (4x-1)(2x+3)
- (x+4)(2x²-8x+5)
- (3x-x²)(5x²-2x+1)
解答を見る
- (x+3)(2x+1) =2x²+x+6x+3 =2x²+7x+3
- (4x-1)(2x+3) =8x²+12x-2x-3 =8x²+10x-3
- (x+4)(2x²-8x+5) =2x³-8x²+5x+8x²-32x+20 =2x³-27x+20
- (3x-x²)(5x²-2x+1) =15x³-6x²+3x-5x⁴+2x³-x² =-5x⁴+17x³-7x²+3x
多項式の乗法の公式
中学の復習
以下の公式はすでに中学で学習している。 左の「i.うまい計算のやり方」で、計算できるよう繰り返し練習しよう。
§
定理2平方の公式
- (a+b)²=a²+2ab+b²
- (a-b)²=a²-2ab+b²
- うまい計算のやり方
慣れると省略できる(3x+2)²=9x²+2・(3x)・2+4慣れると省略できる =9x²+12x+4
- 普通の計算のやり方
(3x+2)²=(3x+2)(3x+2) =9x²+6x+6x+4 =9x²+12x+4
§
定理3和と差の積の公式
2. (a+b)(a−b)=a²−b²
- うまい計算のやり方
慣れると省略できる(5x+2y)(5x-2y) =(5x)²-(2y)²慣れると省略できる =25x²-4y²
- 普通の計算のやり方
(5x+2y)(5x-2y) =25x²-10xy+10yx-4y² =25x²-4y²
§
定理41次式の積
3. (x + b)(x + d) = x² + (b + d)x + bd
- うまい計算のやり方
慣れると省略できる(x+3y)(x-4y) =x²+(3y-4y)x+(3y)・(-4y)慣れると省略できる =x²-xy-12y²
- 普通の計算のやり方
(x+3y)(x-4y) =x²-4xy+3yx-12y² =x²-xy-12y²
1次式の積
(ax+b)(cx+d) を展開すると
であるから、 (ax+b)(cx+d)=acx²+(ad+bc)x+bd が成り立つ。
これを使い、たとえば (2x+3y)(5x-4y) は次のように計算する。
- うまい計算のやり方
慣れると省略できる(2x+3y)(5x-4y) =10x²+(-8y+15y)x+(3y)・(-4y)慣れると省略できる =10x²+7xy-12y²
- 普通の計算のやり方
(2x+3y)(5x-4y) =10x²-8xy+15yx-12y² =10x²+7xy-12y²
§
定理51次式の積の公式
4. (ax+b)(cx+d)=acx²+(ad+bc)x+bd
問題7多項式の展開~1次式の積の公式
次の多項式を展開し整理せよ。
- (x+2)(2x+1)
- (2x+3)(3x-2)
- (5x-3y)(2x-y)
- ((1/3)x-2y)(2x-(1/2)y)
解答を見る
- (x+2)(2x+1)=2x²+5x+2
- (2x+3)(3x-2)=6x²+5x-6
- (5x-3y)(2x-y) =10x²-11xy+3y²
- ((1/3)x-2y)(2x-(1/2)y) =(2/3)x²+(-1/6-4)xy+y² =(2/3)x²-(25/6)xy+y²
立方の公式1
(a+b)³ を展開すると
であるから、 (a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³ が成り立つ。
これを使い、たとえば (2x+y)³ は次のように計算する。
- うまい計算のやり方(○)
慣れると省略できる(2x+y)³ =(2x)³+3・(2x)² y+3・(2x) y²+y³慣れると省略できる =8x³+12x²y+6xy²+y³
- 普通の計算のやり方(×)
(2x+y)³ =(2x+y)(2x+y)² =(2x+y)(4x²+4xy+y²) =8x³+8x²y+2xy²+4x²y+4xy²+y³ =8x³+12x²y+6xy²+y³
同様に計算すれば (a-b)³=a³-3a²b+3ab²-b³ も成り立つ。
§
定理6立方の公式1
- (a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³
- (a−b)³=a³−3a²b+3ab²−b³
立方の公式2
(a+b)(a²-ab+b²) を展開すると
であるから、 (a+b)(a²-ab+b²)=a³+b³ が成り立つ。
これを使い、たとえば (3x+1)(9x²-3x+1) は次のように計算する。
- うまい計算のやり方
慣れると省略できる(3x+1)(9x²-3x+1) =(3x+1){(3x)²-(3x)・1+1²}慣れると省略できる =27x³+1
- 普通の計算のやり方
(3x+1)(9x²-3x+1) =27x³-9x²+3x+9x²-3x+1 =27x³+1
また、同様に (a-b)(a²+ab+b²)=a³-b³ も成り立つ。
§
定理7立方の公式2
- (a+b)(a²-ab+b²)=a³+b³
- (a-b)(a²+ab+b²)=a³-b³
問題8多項式の展開~立方の公式~
次の多項式を展開し整理せよ。
- (2x+1)³
- (3a-2)³
- (x+2)(x²-2x+4)
- (ab-3)(a²b²+3ab+9)
解答を見る
- (2x+1)³ =(2x)³+3・(2x)²・1 +3・(2x)・1²+1³ =8x³+12x²+6x+1
- (3a-2)³ =(3a)³+3・(3a)²・(-2) +3・(3a)・(-2)²+(-2)³ =27a³-54a²+36a-8
- (x+2)(x²-2x+4) =x³+2³=x³+8
- (ab-3)(a²b²+3ab+9) =(ab)³-3³=a³b³-27
問題9多項式の展開の練習~その1~
1.((1/2)x+(1/3)y)²
2.(3a-(1/2)b)²
3. (2x-5y)(2x+5y)
4. (-2ab+3c)(2ab+3c)
5. (x+5)(x-8)
6. (a²-3)(a²+7)
7. (2x+1)(x-3)
8. (3a-2)(4a+1)
9. (x-3)³
10. (2x+4y)³
11. (2x-5)(4x²+10x+25)
12. (p+q)(3p²-3pq+3q²)
解答を見る
((1/2)x+(1/3)y)²=x²/4+xy/3+y²/9
(3a-(1/2)b)²=9a²-3ab+(1/4)b²
(2x-5y)(2x+5y)=4x²-25y²
(-2ab+3c)(2ab+3c) =(3c-2ab)(3c+2ab) =9c²-4a²b²
(x+5)(x-8)=x²-3x-40
(a²-3)(a²+7)=a⁴+4a²-21
(2x+1)(x-3)=2x²-5x-3
(3a-2)(4a+1)=12a²-5a-2
(x-3)³=x³-9x²+27x-27
指数法則参照立方の公式参照(2x+4y)³ =2³・(x+2y)³ (注) 指数法則3.参照 =8(x³+6x²y+12xy²+8y³) (注) 立方の公式1参照 =8x³+48x²y+96xy²+64y³
(2x-5)(4x²+10x+25) =8x³-125
公式を使えるようにした立方の公式参照(p+q)(3p²-3pq+3q²) =3(p+q)(p²-pq+q²) =3(p³+q³) (注) 公式を使えるようにした =3p³+3q³ (注) 立方の公式2参照
展開の工夫
式の一部をまとめる
展開の工夫
『多項式の乗法の公式』で学んだ公式を工夫して用いると、 複雑な式の計算がかなり容易にできるようになる。 ここでは、展開の工夫として代表的な2つの方法を取り上げる。
式の一部をまとめる
多項式の一部を1つの文字とみなすと、今までの公式がより広く使える。
まず、 (a+b+c)² の展開を考ええてみよう。 A=a+b とおくと
とおき、式の一部を一つの文字とみなす平方の公式をに戻す平方の公式この順番にすると式が見やすい(a+b+c)² =(A+c)² (注) A=a+bとおき、 式の一部を一つの文字とみなす =A²+2Ac+c² (注) 平方の公式 =(a+b)²+2(a+b)c+c² (注) Aをa+bに戻す =a²+2ab+b²+2ca+2bc+c² (注) 平方の公式 =a²+b²+c²+2ab+2bc+2ca (注) この順番にすると式が見やすい
であるから、 (a+b+c)²=a²+b²+c²+2ab+2bc+2ca が成り立つ。
これを使い、たとえば (2x+y-3)² は次のように計算する。
- うまい計算のやり方
慣れると省略できる(2x+y-3)² =(2x)²+y²+(-3)²+2・2xy +2・ y(-3)+2・(-3)2x慣れると省略できる =4x²+y²+9+4xy-6y-12x
- 普通の計算のやり方
(2x+y-3)² =(2x+y-3)(2x+y-3) =4x²+2xy-6x+2yx+ y²-3y-6x-3y+9 =4x²+y²+9+4xy-6y-12x
§
定理83項の平方の公式
7. (a+b+c)²=a²+b²+c²+2ab+2bc+2ca
次に、 (x+y−z)(x−y+z) の展開を考えてみよう。
-y+z=-(y-z) に注意し、2ヶ所にある y-z を A とおくとよい。
とおき、式の一部を1つの文字とみなす和と差の積の公式をに戻す平方の公式符号に注意してを外す(x+y-z)(x-y+z) ={x+(y-z)}{x-(y-z)} (注) -y+z=-(y-z) =(x+A)(x-A) (注) A=y-zとおき、 式の一部を1つの文字とみなす =x²-A² (注) 和と差の積の公式 =x²-(y-z)² (注) Aをy-zに戻す =x²-(y²-2yz+z²) (注) 平方の公式 =x²-y²+2yz-z² (注) 符号に注意して( )を外す
問題10多項式の展開の練習~その2~
- (3a-b+3c)²
- (a²+a-1)²
- (x+y+z)(x+y-z)
- (2a-b+c)(2a+b+c)
解答を見る
- 項の平方の公式参照(3a-b+3c)² =9a²+b²+9c²-6ab-6bc+18ca (注) 3項の平方の公式参照
- 項の平方の公式参照(a²+a-1)² =(a²)²+a²+(-1)²+2・ a²・ a +2・ a・(-1)+2・(-1)・ a² (注) 3項の平方の公式参照 =a⁴+2a³-a²-2a+1
- (x+y) が共通していることに注意して
和と差の積の公式参照平方の公式参照(x+y+z)(x+y-z) =(x+y)²-z² (注) 和と差の積の公式参照 =x²+2xy+y²-z² (注) 平方の公式参照
- (2a+c) が共通していることに注意して
和と差の積の公式参照平方の公式参照(2a-b+c)(2a+b+c) =(2a+c)²-b² (注) 和と差の積の公式参照 =4a²+4ac+c²-b² (注) 平方の公式参照
掛け算の順序の工夫
35× 6 の計算は、 35×2×3=70×3=210 とすると楽である。多項式の展開においても、掛け算の順序を考えると計算が楽にできることがある。
(a-b)²(a+b)(a²+ab+b²) =(a-b)(a+b)(a-b)(a²+ab+b²) ={(a-b)(a+b)}{(a-b)(a²+ab+b²)} =(a²-b²)(a³-b³) =a⁵-a³b²-a²b³+b⁵
前から順に計算するととても大変
(a-b) は (a+b) と相性がいいし
(a-b) は (a²+ab+b²) とも相性がいい
和と差の積の公式参照と立方の公式1参照
問題11多項式の展開の練習~その3~
- (x+1)(x-1)(x²+1)
- (a-2)(a+2)(a²+4)(a⁴+16)
- (x-1)(x-3)(x+3)(x+1)
- (a-1)(a-2)(a²-3a)
解答を見る
- まずは (x+1)(x-1) から計算する。
和と差の積の公式参照和と差の積の公式参照(x+1)(x-1)(x²+1) (注) 和と差の積の公式参照 =(x²-1)(x²+1) (注) 和と差の積の公式参照 =x⁴-1
- まず、 (a-2)(a+2) から計算をはじめる。
和と差の積の公式参照和と差の積の公式参照和と差の積の公式参照(a-2)(a+2)(a²+4)(a⁴+16) =(a²-4)(a²+4)(a⁴+16) (注) 和と差の積の公式参照 =(a⁴-16)(a⁴+16) (注) 和と差の積の公式参照 =a⁸-256 (注) 和と差の積の公式参照
- x-1 と x+1 の積を計算し、 (x-3) と (x+3) の積を計算し、最後にこの両者の積を計算する。
和と差の積の公式参照次式の積の公式参照(x-1)(x-3)(x+3)(x+1) =(x-1)(x+1)(x-3)(x+3) =(x²-1)(x²-9) (注) 和と差の積の公式参照 =x⁴-10x²+9 (注) 1次式の積の公式参照
- が共通しているをとおくと、となるため(a-1)(a-2)(a²-3a) =(a²-3a+2)(a²-3a) =(a²-3a)²+2(a²-3a) (注) a²-3a が共通している =a⁴-6a³+9a²+2a²-6a (注) a²-3a を A とおくと、 (A+2)A=A²+2A となるため =a⁴-6a³+11a²-6a
基本的な因数分解
因数と因数分解
多項式の展開とは逆に、1つの多項式 A を2つ以上の多項式 B、C、… の積で表すことを、A の因数分解 (factorization) といい、B や C などを、A の因数 (factor) という。
共通因数
多項式において、各項に共通する因数を共通因数 (common factor) という。
多項式の各項に共通因数があれば、それをかっこの外にくくり出し因数分解できる。
問題12共通因数による因数分解
次の式を因数分解せよ。
- a⁴-2a
- 6a²b+4ab²-2ab
- p(2x-y)+q(y-2x)
- 3a(x-y)+6b(x-y)+9c(y-x)
解答を見る
- a⁴ と -2a の共通因数は a であるから
共通因数をくくり出すa⁴-2a =a(a³-2) (注) 共通因数 a をくくり出す
a³-2 aa⁴-2a
- 6a²b と 4ab² と -2ab の共通因数は 2ab であるから
共通因数であるをくくり出す6a²b+4ab²-2ab =2ab(3a+2b-1) (注) 共通因数である 2ab をくくり出す
3a2b-1 2ab6a²b4ab²-2ab
- y-2x=-(2x-y) であるから 2x-y が共通因数となる。
共通因数であるでくくるp(2x-y)+q(y-2x) =p(2x-y)-q(2x-y) =(p-q)(2x-y) (注) 共通因数である 2x-y でくくる
p-q 2x-yp(2x-y)-q(2x-y)
- y-x=-(x-y) であるから x-y が共通因数となる。
共通因数であるでくくる3a(x-y)+6b(x-y)+9c(y-x) =3a(x-y)+6b(x-y)-9c(x-y) =3(x-y)(a+2b-3c) (注) 共通因数である 3(x-y) でくくる
a2b-3c 3(x-y)3a(x-y)6b(x-y)-9c(x-y)
多項式の因数分解の公式
『平方の公式』を逆に利用した因数分解
§
定理9平方の公式の逆利用
- a²+2ab+b²=(a+b)²
- a²-2ab+b²=(a-b)²
問題13平方の公式を逆に利用した因数分解
次の式を因数分解せよ。
- x²+6x+9
- 4x²-12xy+9y²
- a⁴+4a²+4
解答を見る
- x²+6x+9 =x²+2・3x+3² =(x+3)²
x3 xx²3x 33x9
- 4x²-12xy+9y² =(2x)²-2・(2x)(3y)+(3y)² =(2x-3y)²
2x-3y 2x4x²-6xy -3y-6xy9y²
- a²=A とおくと、 a⁴=A² であるので、
慣れればおきかえずにできるa⁴+4a²+4 =A²+4A+4 =(A+2)² =(a²+2)² (注) 慣れればおきかえずにできる
a²2 a²a⁴2a² 22a²4
2重根号
√(8+2√15) とは「2乗して 8+2√15 になる正の数」を表す。このような、根号の中に根号が含まれる式を2重根号 (doubleradicalsign) という。一見複雑な形をしているが、実は √(8+2√15)=√5+√3 である。実際、 √5+√3 を2乗すると (√5+√3)²=5+3+2√15=8+2√15 となる。
2重根号を外す仕組みは、以下のようにして考えられる。
a>0, b>0 のとき、 (√a+√b )²=a+b+2√ab であり、 √a+√b>0 であるから
√(a+b+2√ab) =√(√a+√b )²=√a+√b ①
また、 a>b>0 のとき、 (√a-√b )²=a+b-2√ab であり、 √a-√b>0 であるから
√(a+b-2√ab) =√(√a-√b )²=√a-√b ②
これら ①、② を用いると、根号を2重に含む式を簡単にできる場合がある。
たとえば、√(8+2√15) は ① を用いて
√(8+2√15) =√((5+3)+2√5・3) =√(√5+√3 )² =√5+√3
として、2重根号をはずすことができる。
問題142重根号をはずす
次の2重根号をはずせ。
- √(9-2√14)
- √(7+4√3)
- √(3-√5)
解答を見る
- 足して、掛けてになる数を探すを作るときは、を満たすように作るとよい。√(9-2√14) =√(√7-√2)² (注) 足して9、掛けて14になる数を探す (○-△)² を作るときは、○>△を満たすように作るとよい。 =√7-√2
- まずの形になおし、変形ができるようにする。平方の形にした(足して、掛けてになる数を探す重根号をはずした√(7+4√3) =√(7+2√12) (注) まず √○±2√△の形になおし、 変形ができるようにする。 =√(√4+√3)² (注) 平方の形にした (足して 7、掛けて 12 になる数を探す) =√4+√3 (注) 2重根号をはずした =2+√3
- 内側のの前にが無くても、分母・分子にを掛けての形を作る足して、掛けてになる数を探す。を作るときは、を満たすように作るとよい。最後は分母を有理化しておく√(3-√5) =√(3-√5)×√2/√2 (注) 内側の √の前に 2 が無くても、分母・ 分子に √2 を掛けて 2√の形を作る =√(6-2√5)/√2 =√(√5-√1)²/√2 (注) 足して 6、掛けて 5 になる数を探す。 (○-△)² を作るときは、 ○>△を満たすように作るとよい。 =(√5-1)/√2=(√10-√2)/2 (注) 最後は分母を有理化しておく
『和と差の積の公式』を逆に利用した因数分解
問題15和と差の積の公式を逆に利用した因数分解
次の式を因数分解せよ。
- a²-9
- 4x²−25y²
- a⁴−1
- (a−b)²−c²
解答を見る
a²-9 =a²-3² =(a+3)(a-3)
a-3 aa²-3a 33a-9
4x²-25y² =(2x)²-(5y)² =(2x+5y)(2x-5y)
2x-5y 2x4x²-10xy 5y10xy-25xy
a²=A とおくと、 a⁴=A² であるので、
はまだ分解できるa⁴-1 =A²-1² =(A+1)(A-1) =(a²+1)(a²-1) (注) a²-1 はまだ分解できる =(a²+1)(a+1)(a-1)
a-b=X とおけば、
(a-b)²-c² =X²-c² =(X+c)(X-c) =(a-b+c)(a-b-c)
(a-b)²-c² =(a-b)+c(a-b)-c =(a-b+c)(a-b-c)
a-b-c a-b(a-b)²-(a-b)c c(a-b)c-c²
『1次式の積の公式』を逆に利用した因数分解
§
定理111次式の積の公式の逆利用
- x²+(b+d)x+bd=(x+b)(x+d)
- acx²+(ad+bc)x+bd =(ax+b)(cx+d)
まず、簡単な例として x²+5x+6 の因数分解の手順を考えてみよう。
STEP1
STEP1
x² 6
展開して x²+5x+6 になる1次式の積を考えるため、まず上図のように表を書く。表のます目の中には、x² の項と定数項を斜めに書いておく。
STEP2
STEP2
x6 x² 16
x3 x² 26
x² を分解すると x×x になり、6 を分解すると 1×6 または 2×3 になることから、上の2つの表を作る
(6の分解には、 (-1)×(-6)や (-2)×(-3)なども考えられる。しかし、xの係数が正の数5なので、この因数分解ではその可能性はない)
STEP3
×x6 xx²6x 1x6
○x3 xx²3x 22x6
表の残りの部分を埋めることにより、新しくできた右の太字の式を加えて、x の係数が 5 になっているほうを選び、それを利用して因数分解すれば完成である
x²+5x+6=(x+2)(x+3)
問題161次式の積の公式を逆に利用した因数分解~その1~
次の式を因数分解せよ。
- x²+10x+21
- x²-6x+8
- a²+3ab−18b²
- a²-4a-32
解答を見る
x²+10x+21 =x²+(3+7)x+3・7 =(x+3)(x+7)
×x21 xx²21x 1x21
○x7 xx²7x 33x21
x²-6x+8 =x²+(-2-4)x+(-2)(-4) =(x-2)(x-4)
×x-8 xx²-8x -1-x8
○x-4 xx²-4x -2-2x8
a²+3ab-18b² =a²+(-3b+6b)a+(-3b)(6b) =(a-3b)(a+6b)
×a18b aa²18ab -b-ab-18b²
×a9b aa²9ab -2b-2ab-18b²
○a6b aa²6ab -3b-3ab-18b²
a²-4a-32 =a²+(4-8)a+4・(-8) =(a+4)(a-8)
○a-8 aa²-8a 44a-32
次に、少し難しい例として 3x²+11x+6 の因数分解を考えてみよう。
STEP1
STEP1
展開して 3x²+11x+6 になる1次式の積を考えるため、まず右のように表を書く。さきほどと同じように、表のます目の中には、x² の項と定数項を斜めに書いておく。
3x² 6
STEP2
STEP2
3x² を分解すると x×3x になり、6 を分解すると 1×6 または 2×3 になることから、右の4つの表を作る(6 の分解には、 (-1)×(-6) や (-2)×(-3) なども考えられる。しかし、やはりさきほどと同じように、x の係数が正の数 11 なので、この因数分解ではその可能性はない)
3x6 x3x² 16
3x3 x3x² 26
3x2 x3x² 36
3x1 x3x² 66
STEP3
STEP3
表の残りの部分を埋めることにより、新しくできた右の太字の式を加えて、x の係数が 11 になっているものを選び、それを利用して因数分解すれば完成である。
×3x6 x3x²6x 13x6
×3x3 x3x²3x 26x6
○3x2 x3x²2x 39x6
×3x1 x3x²x 618x6
3x²+11x+6=(x+3)(3x+2)
問題171次式の積の公式を逆に利用した因数分解~その2~
次の式を因数分解せよ。
- 2x²+3x+1
- 5a²+7ab+2b²
- 8x²-10xy+3y²
- 12a²+7a-12
解答を見る
- 2x²+3x+1 =2x²+(2+1)x+1 =(x+1)(2x+1)
○2x1 xx²x 12x1
- 5a²+7ab+2b² =5a²+(5+2)ab+2b² =(a+b)(5a+2b)
○5a2b a5a²2ab b5ab2b²
×5ab a5a²ab 2b10ab2b²
- 8x²-10xy+3y² =8x²+(-6-4)xy+3y² =(2x-y)(4x-3y)
×8x-3y x8x²-3xy -y-8xy3y²
×8x-y x8x²-xy -3y-24xy3y²
○4x-3y 2x8x²-6xy -y-4xy3y²
×4x-y 2x8x²-2xy -3y-12xy3y²
- 12a²+7a-12 =12a²+(16-9)a-12 =(3a+4)(4a-3)
×4a3 3a12a²9a -4-16a-12
○4a-3 3a12a²-9a 416a-12
『3項の平方の公式』を逆に利用した因数分解
§
定理123項の平方の公式の逆利用
5. a²+b²+c²+2ab+2bc+2ca=(a+b+c)²
問題183項の平方の公式を逆に利用した因数分解
次の式を因数分解せよ。
- a²+4b²+c²+4ab+4bc+2ca
- 4x²+y²+1+4xy+2y+4x
- 4a²+b²+1+4ab−2b−4a
- x²+4y²+9z²−4xy+12yz−6zx
解答を見る
- a²+4b²+c²+4ab+4bc+2ca =a²+(2b)²+c² +2・a(2b)+2・(2b)c+2・ca =(a+2b+c)²
a2bc aa²2abac 2b2ab4b²2bc cac2bcc²
- 4x²+y²+1+4xy+2y+4x =(2x)²+y²+1²+2・(2x) y +2・ y・ 1+2・ 1・(2x) =(2x+y+1)²
2xy1 2x4x²2xy2x y2xyy²y 12xy1
- 4a²+b²+1+4ab-2b-4a =(2a)²+b²+(-1)²+2・(2a)b +2・ b(-1)+2・(-1)(2a) =(2a+b-1)²
2ab-1 2a4a²2ab-2a b2abb²-b -1-2a-b1
- x²+4y²+9z²-4xy+12yz-6zx =x²+(2y)²+(3z)²+2・x(-2y) +2・(-2y)(-3z)+2・(-3z)x =(x-2y-3z)²
x-2y-3z xx²-2xy-3xz -2y-2xy4y²6yz -3z-3xz6yz9z²
『立方の公式1』を逆に利用した因数分解
§
定理13立方の公式1の逆利用
- a³+3a²b+3ab²+b³=(a+b)³
- a³-3a²b+3ab²-b³=(a-b)³
問題19立方の公式1を逆に利用した因数分解
次の式を因数分解せよ。
- x³+9x²y+27xy²+27y³
- 8a³+12a²b+6ab²+b³
- x³-6x²+12x-8
- 27x³-54x²y+36xy²-8y³
解答を見る
- x³+9x²y+27xy²+27y³ =x³+3・x²(3y)+3・x(3y)²+(3y)³ =(x+3y)³
- 8a³+12a²b+6ab²+b³ =(2a)³+3・(2a)²b+3・(2a)b²+b³ =(2a+b)³
- x³-6x²+12x-8 =x³-3・ x²・ 2+3・ x・ 2²-2³ =(x-2)³
- 27x³-54x²y+36xy²-8y³ =(3x)³-3・(3x)²(2y) +3・(3x)(2y)²-(2y)³ =(3x-2y)³
『立方の公式2』を逆に利用した因数分解
§
定理14立方の公式2の逆利用
- a³+b³=(a+b)(a²−ab+b2)
- a³−b³=(a−b)(a²+ab+b²)
問題20立方の公式2を逆に利用した因数分解
次の式を因数分解せよ。
- x³+27
- 8a³+1
- 8x³−27y³
- 64a³−125b³
解答を見る
- x³+27 =x³+3³b =(x+3)(x²-3x+9)
x²-3x9 xx³-3x²9x 33x²-9x27
- 8a³+1 =(2a)³+1³ =(2a+1)(4a²-2a+1)
4a²-2a1 2a8a³-4a²2a 14a²-2a1
- 8x³-27y³ =(2x)³-(3y)³ =(2x-3y)(4x²+6xy+9y²)
4x²6xy9y² 2x8x³12x²y18xy² -3y-12x²y-18xy²-27y³
- 64a³-125b³ =(4a)³-(5b)³ =(4a-5b)(16a²+20ab+25b²)
16a²20ab25b² 4a64a³80a²b100ab² -5b-80a²b-100ab²-125b³
因数分解の公式のまとめ
最も大事なことは、「いつ、どの因数分解を使うのか」見極めることである。
問題21因数分解の練習~その1~
次の式を因数分解せよ。
- a²-14ab+49b²
- 2x²-x-3
- 343a³-8b³
- 4x²+23x-6
- 3b²-27c²
- 3x³+81y³
- 2a⁴-32
- x⁸-1
- a⁶-b⁶
- 5(x+y)²-8(x+y)-4
- (a+b)²+10c(a+b)+25c²
解答を見る
a²-14ab+49b²=(a-7b)²
2x²-x-3=(2x-3)(x+1)
343a³-8b³ =(7a-2b)(49a²+14ab+4b²)
4x²+23x-6=(4x-1)(x+6)
3b²-27c²=3(b²-9c²) =3(b+3c)(b-3c)
3x³+81y³ =3(x³+27y³) =3(x+3y)(x²-3xy+9y²)
2a⁴-32 =2(a⁴-16) =2(a²+4)(a²-4) =2(a²+4)(a+2)(a-2)
(x⁸-1) =(x⁴+1)(x⁴-1) =(x⁴+1)(x²+1)(x²-1) =(x⁴+1)(x²+1)(x+1)(x-1)
a⁶-b⁶ =(a³+b³)(a³-b³) =(a+b)(a²-ab+b²) (a-b)(a²+ab+b²) =(a+b)(a-b) (a²-ab+b²)(a²+ab+b²)
x+y=Xとおくと
5X²-8X-4 =(5X+2)(X-2) =(5x+5y+2)(x+y-2)
a+b=Xとおくと
X²+10cX+25c² =(X+5c)² =(a+b+5c)²
難度の高い因数分解
次数の低い文字に着目する因数分解
2つ以上の文字を含む多項式では、最も次数の低い文字に着目して整理すると、因数分解がしやすくなることが多い。
a²+ab-3a+b-4 という式には、共通因数も無く、どの公式にも当てはまらないが
a²+ab-3a+b-4 =(a+1)b+a²-3a-4 =(a+1)b+(a-4)(a+1) =(a+1)(a+b-4)
a については 2 次式、b については 1 次式
次数の低い b について、降べきの順に整頓
定数項を因数分解したら a+1 が共通因数になった
b+a-4 は順番を入れ替えておこう
問題22次数の低い文字に着目する因数分解
次の式を因数分解せよ。
- a²+ab+bc+ca
- x²+2xy-2y-1
- x²+2xy+3x+4y+2
- a³+ab²+b²+1
解答を見る
b について降べきの順に整理すると
a²+ab+bc+ca =(a+c)b+(a²+ca) =(a+c)b+(a+c)a =(a+b)(a+c)
c で整理してもよい
共通因数を見抜いて因数分解してもよい。また、a の2次式と見て、次に学ぶ2文字2次式の因数分解で考えてもよい。
y について降べきの順に整理すると
x²+2xy-2y-1 =(x-1)2y+(x²-1) =(x-1)2y+(x-1)(x+1) =(x-1)(x+2y+1)
x の次数は 2、y の次数は 1
y についての降べきの順に整理すると
x²+2xy+3x+4y+2 =(2x+4)y+(x²+3x+2) =(x+2)2y+(x+1)(x+2) =(x+2)(x+2y+1)
x の次数は 2、y の次数は 1
b についての降べきの順に整理すると
a³+ab²+b²+1 =(a+1)b²+(a³+1) =(a+1)b²+(a+1)(a²-a+1) =(a+1)(a²+b²-a+1)
a の次数は 3、b の次数は 2
2文字2次式の因数分解
ここでは、x についても y についても次数が同じ x²+4xy+3y²+x+5y-2 という式の因数分解について考えてみよう。
【方法1:1次式の積の公式の逆利用を使う】
まず、 x²+4xy+3y²+x+5y−2 を x の式とみて、降べきの順に整理する。
x²+(4y+1)x+3y²+5y-2
次に、x を含まない項について因数分解する。
x²+(4y+1)x+(3y-1)(y+2)
1次式の積の公式の逆利用のときと同じように、下のような表を描き、隙間を埋めていく。
xy+2 xx² 3y-1(3y-1)(y+2)
より
○xy+2 xx²(y+2)x 3y-1(3y-1)x(3y-1)(y+2)
と表を作れるから
(x+y+2)(x+3y-1)
と因数分解できる。
【方法2:3 マス × 3 マスの表を書く】
STEP1
STEP1
因数分解する式
x²+4xy+3y²+x+5y-2
の、x²の項(x²)、y²の項(3y²)、定数項(−2)を下図のように、 3× 3の表に書き込む
x² 3y² -2
STEP2
左上から順にます目を埋めていく。
まずは x² の分解を考えたものが下図である。
x x² 3y² -2
STEP3
3y²=3y×y と分解できるから、ます目を埋めると下図のようになる。このとき、新しくできた xy と 3xy を足したものが、因数分解する式の 4xy
x²+4xy+3y²+x+5y-2
と等しくなるような分解を考える( 3y²=(-3y)×(-y) の分解では、-4xy となるので考えなくてよい)
xy xx²xy 3y3xy3y² -2
STEP4
最後に、定数項(-2)の分解を考える。
下の2つは、x と -2x を足しても
x²+4xy+3y²+x+5y-2
にならないのでその時点で失敗。
×xy1 xx²xyx 3y3xy3y² -2-2x-2
×xy-2 xx²xy-2x 3y3xy3y² 1x-2
最後の空欄を埋め、その和が
x²+4xy+3y²+x+5y-2
となるものが正解の表となる。
×xy-1 xx²xy-x 3y3xy3y²-3y 22x2y-2
○xy2 xx²xy2x 3y3xy3y²6y -1-x-y-2
以上から
(x+3y-1)(x+y+2)
と因数分解できることがわかる。
問題232文字2次式の因数分解
次の式を因数分解せよ。
- 2x²+5xy+3y²+2x+4y-4
- 6x²-5xy-6y²+4x+7y-2
解答を見る
【方法1】
与式を x について降べきの順に整理すると
2x²+5xy+3y²+2x+4y-4 =2x²+(5y+2)x+3y²+4y-4 =2x²+(5y+2)x +(3y-2)(y+2)
となり、表は
x 2x2x² (3y-2)(y+2) ↓ xy+2 2x2x²(2y+4)x 3y-2(3y-2)x(3y-2)(y+2)
と作れるので、
2x²+5xy+3y²+2x+4y-4 =(2x+3y-2)(x+y+2)
となる。
【方法2】
3 マス × 3 マスの表は
x 2x2x² 3y² -4 ↓ xy 2x2x²2xy 3y3xy3y² -4 ↓ xy2 2x2x²2xy4x 3y3xy3y²6y -2-2x-2y-4
と作れるので、
2x²+5xy+3y²+2x+4y-4 =(2x+3y-2)(x+y+2)
となる。
【方法1】
与式を x について降べきの順に整理すると
6x²-5xy-6y²+4x+7y-2 =6x²+(-5y+4)x -(6y²-7y+2) =6x²+(-5y+4)x -(3y-2)(2y-1)
となり、表は
3x 2x6x² -(3y-2)(2y-1) ↓ 3x2y-1 2x6x²(4y-2)x -(3y-2)(-9y+6)x-(3y-2)(2y-1)
と作れるので、
6x²-5xy-6y²+4x+7y-2 =(2x-3y+2)(3x+2y-1)
となる。
【方法2】
3×3 の表は
3x 2x6x² -6y² -2 ↓ 3x2y 2x6x²4xy -3y-9xy-6y² -2 ↓ 3x2y-1 2x6x²4xy-2x -3y-9xy-6y²3y 26x4y-2
と作れるので、
6x²-5xy-6y²+4x+7y-2 =(2x-3y+2)(3x+2y-1)
となる。
複2次式の因数分解
ここでは、x² を1つのかたまりとして表される多項式のなかでも、特に複2次式とよばれる多項式についての因数分解について考えよう。
§
定義15複2次式の定義
a、b、c を実数の定数とするとき
ax⁴+bx²+c
という形の多項式を複2次式 (compound quadratic expression) という。 ただし、 a≠0 とする。
例として、次の2つの複2次式の因数分解についてみてみよう。
x⁴-13x²+36
x⁴+2x²+9
x⁴-13x²+36 の因数分解
この複2次式は、 x²=X とおくと、 X²-13X+36=(X-4)(X-9) であるから
x⁴-13x²+36 =(x²-4)(x²-9) =(x+2)(x-2)(x+3)(x-3)
と因数分解できる。
x⁴+2x²+9 の因数分解
この複2次式は、 x²=X とおいても、 X²+2X+9 となるだけで因数分解が進まない。
そこで、x⁴ と 9 に着目すると
にを加え平方の形が作れるようする平方の形にする。の形x⁴+2x²+9 =x⁴+6x²+9-4x² (注) 2x²に4x²を加え 平方の形が作れるようする =(x²+3)²平方の形にする。-(2x)² (注) ○²-△²の形 ={(x²+3)+2x}{(x²+3)-2x} =(x²+2x+3)(x²-2x+3)
となり因数分解ができる。
§
定理16複2次式の因数分解
複2次式 ax⁴+bx²+c の因数分解には
- x²=X とおくことにより因数分解できる場合
- ax⁴ と c に着目し、x² の項を付け加えて因数分解できる場合
の2つの場合がある。
問題24複2次式の因数分解
次の式を因数分解せよ。
- x⁴−7x²−8
- x⁴+x²+1
解答を見る
- x²=X とおくと
x⁴-7x²-8 =X²-7X-8 =(X+1)(X-8) =(x²+1)(x²-8)
- x⁴ と 1 に着目して
x⁴+x²+1 =x⁴+2x²+1-x² =(x²+1)²-x² =(x²+1+x)(x²+1-x) =(x²+x+1)(x²-x+1)
3文字3次式の因数分解
立方の公式1でも触れたが、 (a+b)³ を展開すると
(a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³
であるから
a³+b³=(a+b)³-3a²b-3ab² ⇔a³+b³=(a+b)³-3ab(a+b) ①
が成り立つ。これを用いることにより、 a³+b³+c³−3abc は、次の例題でみるように因数分解できる。
暗記13文字3次式の因数分解
a³+b³+c³-3abc を因数分解せよ。
解答を見る
に着目してを使った今度はに着目するの部分は、、とみての因数分解を使った共通因数でくくったa³+b³+c³-3abc ={a³+b³}+c³-3abc (注) a³+b³に着目して… ={(a+b)³-3ab(a+b)}+c³-3abc (注) ①を使った =(a+b)³-3ab(a+b)+c³-3abc =(a+b)³+c³◯-3ab(a+b)-3abc□ (注) 今度は(a+b)³+c³に着目する ={(a+b)+c}{(a+b)²-(a+b)c+c²}◯ -3ab{(a+b)+c}□ (注) ◯の部分は、a+b=X、c=Yとみて X³+Y³=(X+Y)(X²−XY+Y²) の因数分解を使った =(a+b+c){a²+2ab+b²-ac-bc+c²} -3ab(a+b+c) =(a+b+c) (a²+2ab+b²-ac-bc+c²-3ab) (注) 共通因数(a+b+c)でくくった =(a+b+c)(a²+b²+c²-ab-bc-ca)
解答を見る
- (3a)³+(2b)³+c³-3(3a)(2b)c =(3a+2b+c) (9a²+4b²+c² -6ab-2bc-3ca)
- x³+y³+(-1)³-3xy(-1) =(x+y-1) (x²+y²+1-xy+y+x)
§
定理173変数3次式の因数分解
a³+b³+c³-3abc =(a+b+c)(a²+b²+c²-ab-bc-ca)
問題253文字3次式の因数分解
次の式を因数分解せよ。
- 27a³+8b³+c³-18abc
- x³+y³-1+3xy
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に着目してを使った今度はに着目するの部分は、、とみての因数分解を使った共通因数でくくったa³+b³+c³-3abc ={a³+b³}+c³-3abc (注) a³+b³に着目して… ={(a+b)³-3ab(a+b)}+c³-3abc (注) ①を使った =(a+b)³-3ab(a+b)+c³-3abc =(a+b)³+c³◯-3ab(a+b)-3abc□ (注) 今度は(a+b)³+c³に着目する ={(a+b)+c}{(a+b)²-(a+b)c+c²}◯ -3ab{(a+b)+c}□ (注) ◯の部分は、a+b=X、c=Yとみて X³+Y³=(X+Y)(X²−XY+Y²) の因数分解を使った =(a+b+c){a²+2ab+b²-ac-bc+c²} -3ab(a+b+c) =(a+b+c) (a²+2ab+b²-ac-bc+c²-3ab) (注) 共通因数(a+b+c)でくくった =(a+b+c)(a²+b²+c²-ab-bc-ca)
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- (3a)³+(2b)³+c³-3(3a)(2b)c =(3a+2b+c) (9a²+4b²+c² -6ab-2bc-3ca)
- x³+y³+(-1)³-3xy(-1) =(x+y-1) (x²+y²+1-xy+y+x)
いろいろな因数分解
どの因数分解の手段を用いるかどうかは、だいたい次の優先順位で考えるとよい。 方針がわからないときは、ひとまずこの順序で考えてみよう。
- 共通因数を見つける
- 次数の小さい文字に注目し、降べきの順に並べる。
- 公式を使えないか考える。
問題26因数分解の練習~その2~
次の式を因数分解せよ。
- xy-x-y+1
- a²+b²+ac-bc-2ab
- x²(y-z)+y²(z-x)+z²(x-y)
- ab(a-b)+bc(b-c)+ca(c-a)
- x⁴+x²+1
- a⁴+64
- x²-xy-12y²+5x+y+6
- 2x²-y²-xy+3x+3y-2
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xy-x-y+1 =(y-1)x-(y-1) =(x-1)(y-1)
c について降べきの順に整理すると
(a-b)c+a²+b²-2ab =(a-b)c+(a-b)² =(a-b)c+(a-b)(a-b) =(a-b)(a-b+c)
x について降べきの順に整理すると
(y-z)x²-(y²-z²)x+y²z-yz² =(y-z)x² -(y+z)(y-z)x+yz(y-z) =(y-z){x²-(y+z)x+yz} =(y-z)(x-y)(x-z)
aについて降べきの順に整理すると
(b-c)a²-(b²-c²)a+b²c-bc² =(b-c)a² -(b+c)(b-c)a+bc(b-c) =(b-c){a²-(b+c)a+bc} =(b-c)(a-b)(a-c)
x⁴ と 1 に着目して
x⁴+1+x² =(x²+1)²-2x²+x² =(x²+1)²-x² =(x²+1+x)(x²+1-x) =(x²+x+1)(x²-x+1)
a⁴ と 64 に着目して
(a²+8)²-16a² =(a²+8+4a)(a²+8-4a) =(a²+4a+8)(a²-4a+8)
x について降べきの順にし、定数項を因数分解すると
x²-xy-12y²+5x+y+6 =x²+(-y+5)x-(12y²-y-6) =x²+(-y+5)x-(3y+2)(4y-3)
となる。これを元に表を書けば
x3y+2 xx²(3y+2)x -(4y-3)(-4y+3)x-(3y+2)(4y-3)
となるので、 (x-4y+3)(x+3y+2) と因数分解できる。
x-3y2 xx²3xy2x -4y-4xy-12y²-8y 33x9y6
という表を作ってもよい。
x について降べきの順にし、定数項を因数分解すると
2x²-y²-xy+3x+3y-2 =2x²+(-y+3)x-(y²-3y+2) =2x²+(-y+3)x-(y-1)(y-2)
となる。これを元に表を書けば
x-(y-2) 2x2x²(-2y+4)x (y-1)(y-1)x-(y-1)(y-2)
となるので、 (x-y+2)(2x+y-1) と因数分解できる。
x-y2 2x2x²-2xy4x yxy-y²2y -1-xy-2
という表を作ってもよい。
因数分解と式の値
因数分解には、式の因数を見えるようにする働きがある。 この点を生かせば、値を整数や自然数に限った次のような問題を解くことができる。
問題27因数分解と式の値
多項式 F=ab-3a+2b-6 について、次の問いに答えなさい。
- F を因数分解しなさい。
- F=6 を満たす自然数 (a, b) の組をすべて求めなさい。
mn+2m-n=3 を満たす整数 (m, n) の組をすべて求めなさい。
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について整理したF=a(b-3)+2(b-3) =(a+2)(b-3) (注) aについて整理した
a.の結果から
(a+2)(b-3)=6
となる自然数 a、b を求めればよい。
6 を自然数の範囲で約数の積に分解すると、 6=6×1、 3×2、 2×3、 1×6 である。 a+2 は 3 以上でないといけないことに注意すれば
a+2=6 b-3=1
a+2=3 b-3=2
のいずれかが必要である。それぞれの式から (a, b)=(4, 4), (1, 5) と求められる。
- 文字 m、n を含む項を因数分解する。
で整理した両辺からを引いたmn+2m-n=3 ⇔ m(n+2)-n=3 (注) mで整理した ⇔ m(n+2)-(n+2)=3-2 (注) 両辺から 2 を引いた ⇔ (m-1)(n+2)=1
1=1×1または (-1)×(-1)であるので
m-1=1 n+2=1
m-1=-1 n+2=-1
のいずれかが必要である。それぞれの式から (m, n)=(2, -1), (0, -3) と求められる。
最終更新: 2026-08-12
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