数学A 第1章 場合の数 — 部屋割り(部屋に区別が無い場合)
部屋割りでは、ボールと箱のモデルで「区別するn個のボールを、区別するr個の箱に最低1個は配る場合の数」を扱った。『部屋割り』の問題において、部屋の作りが同じなどという理由で、部屋を区別する必要がない場合も考えられる。ここでは、部屋を区別しない場合の部屋割り、すなわち箱を区別しない場合のボールの配分について考えてみよう。
| ボール・箱 | 単射 | 写像全て | 全射 | |
|---|---|---|---|---|
| あり・あり | 順列 | 重複順列 | 部屋割り | |
| なし・あり | 組合せ | 重複組合せ | 資源配分 | |
| あり・なし | (右枠の和) | 部屋割り(区別なし) | ||
| なし・なし | (右枠の和) | 資源配分(区別なし) |
部屋割り(部屋に区別が無い場合)の数
ボールと箱のモデル7
ボールと箱のモデルを使って
「区別する5個のボールを、区別しない3個の箱に最低1個は配る場合の数」
を求めてみよう。
箱に区別はないが、数を数えやすくするため、とりあえず区別して考えていく。つまり、箱に区別のある 普通の部屋割りに一度戻して考えていく。
ボールは区別するので番号をつけ、それを①、②、③、④、⑤とし、 箱もとりあえず区別するので番号をつけ、それを

としておく。
集合

が空になる

が空になる

が空になる
とおくと、部屋割りの数は
であるから、包含と排除の原理 (3集合版)を使って
∴150通り
となる。
以上までが、普通の部屋割りと同じ話であった。部屋に区別がない場合には、以下の点が違う。
今求めた150通りは、部屋に区別がある場合の部屋割りの数であるから、部屋に区別が無いときには、部屋を区別することによって 生じる
ここで、「区別する
定義1部屋割り(部屋の区別が無い場合)の数 の定義
「区別する
この例では、
問題1 の計算練習
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は「区別する2個のボールを、区別しない1個の箱に最低1個は配る場合の数」である。これは、2個のボールを1つの箱にしまう 通り。 
は「区別する2個のボールを、区別しない2個の箱に最低1個は配る場合の数」 である。これは、2個のボールを2つの箱に1つずつしまう 通り。 
は「区別する3個のボールを、区別しない1個の箱に最低1個は配る場合の数」 である。これは、3個のボールを1つの箱にしまう 通り。 
は「区別する3個のボールを、区別しない2個の箱に最低1個は配る場合の数」 である。ボールを配るとき、ボールが1個の箱と2個の箱ができるが、どのボールが1個で箱に入るのかを考え、 通り。
問題2部屋割り (部屋に区別が無い場合)
9人の人が、区別しない3つの部屋に泊まる場合について考える。 どの部屋にも最低1人は泊まるものとすると、泊まり方には何通りの方法があるか。
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まず、部屋を区別してから考える。求めるものは
まず、3つの部屋を区別して考えていくため、部屋に
このうち、空にする部屋を1つ決めて、残りの2部屋に9人を自由に泊めると
となるが、この数え方では2部屋とも空になる場合を2回ずつ数えている。 2部屋が空部屋になるのは
であるから、これを1回分引いて、1部屋以上の部屋が空部屋になるのは
よって、空部屋が無いような人の泊まり方は
より、
本来部屋は区別しないので、
★ の計算
部屋を区別しない場合の、一般の部屋割りの数は
と表される。
定理2第2種スターリング数 の計算
第2種スターリング数
と計算できる。
第2種スターリング数の性質
問題3 の性質を利用した計算
- 2以上の整数
において が成り立つことを、 の(計算ではなく)意味を考えることによって示せ。 - 1.を利用して、
を求めよ。
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すなわち「区別する 個のボールを、区別しない 個の箱に最低1個は配る場合の数」は、次の2つの場合に分けることができる。 (i) 特定のボールが1つだけで入る箱がある
(ii) 特定のボールが1つだけで入る箱がない
(i)については、まず特定のボールを1つの箱に入れておいて、残り
個のボールを残りの 個の箱にしまえばよいから通り 
(ii)については、まず特定のボール以外の
個のボールを個の箱にしまっておいて、最後に特定のボールをすでに他のボールが 入っている 個の箱のどれかにしまえばよいから 通り
よって
が成り立つ。
部屋割り(部屋に区別が無い場合)の和
問題4部屋割り(部屋に区別が無い場合)の和
部屋割り (部屋に区別が無い場合)の例題において、 空の部屋があってもよいとすると、何通りの方法があるか求めよ。
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部屋割り(部屋に区別が無い場合)の解答より、
空部屋が無いような人の泊まり方は
だった。
空部屋の数で分けると、ちょうど2部屋の場合、ちょうど1部屋の場合、0部屋の場合の3つになる。 0部屋の場合が上の
2部屋が空になるのは、部屋を区別した場合には、9人全員が
1部屋が空になるのは、まず空にする部屋の選び方が
よって
この例題からわかるように、空の部屋(箱)があってもよい場合の人(ボール)の分け方(配り方)は、
定理3部屋割り(部屋に区別が無い場合)の和
「区別する
ボールと箱のモデルでの体系では以下の位置を占めている。
| ボール・箱 | 単射 | 写像全て | 全射 | |
|---|---|---|---|---|
| あり・あり | 順列 | 重複順列 | 部屋割り | |
| なし・あり | 組合せ | 重複組合せ | 資源配分 | |
| あり・なし | (右枠の和) | 部屋割り(区別なし) | ||
| なし・なし | (右枠の和) | 資源配分(区別なし) |
先程の例題を少し変え、「9人の人が、区別しない9つの部屋に泊まる場合(空部屋があってもよい)何通りの泊まり方があるか」 とした場合にはその答えは
となり、この値は
最終更新: 2026-08-20
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