数学I 第7章 本文の補足 I — 開平法について

開平法について

開平法の手順

例として、 の値を開平法で計算する。

  1. を根号の中に書き、「小数点を基準」にして「2桁ずつ」区切っていく。また、横にスペースをとっておく。

  2. 根号内の823.69が小数点を基準に縦の点線で2桁ずつ区切られている。根号の上の8の上に2が置かれ、右側のスペースには2が縦に2つ並んで書かれている。

    一番左の数は 。2乗して を超えない最大の1桁の整数 を、上の図のように3ヶ所に書く。

  3. 根号の上の8の位置に2があり、8の下に2×2の4と、引き算して23を下ろした423が縦に並ぶ。右側には2と2を足した4の計算が添えられている。

    の下に書き、 から を引く。そして、 を下に下ろす。

    また、その横で を計算する。

  4. 開平法の計算過程で、根号の上に2と太字の8が並び、根号の下には8から4を引いて23を下ろした423が書かれている。右側の筆算では、2加える2の和4の右隣と下に太字の8が書き込まれている。

    」に「」を掛けて「」を超えない、最大の1桁の整数 を求める。 であるので、。これを3ヶ所に書き込む。

  5. 開平法の筆算で、根号の上に2 8.、下に423、384、太字の3969と並ぶ。右側の足し算には48の下に8が加わり、和として太字の56が書かれている。

    の結果 の下に書き、 から引く。そして、 を下に下ろす。さらに、小数点を打つ。

    また、 を横で計算しておく。

    小数点は、根号の中の小数点より下の最初の区切り(ここでは )を下ろすときに打つ。そのため、答えの整数部分の桁数は、根号の中の整数部分の区切りの個数(ここでは の2つ)と同じになる。

  6. 823.69の平方根を求める開平法の筆算が最後まで進められている。上に答えの28.7が書かれ、567×7の結果である3969を引いて余りが0になり、計算が完了している。

    」に「」を掛けて「」を超えない、最大の1桁の整数 を求める。 より であり、 なので計算は完了。 とわかる。

(下ろす数字が無くなったときは、小数点以下に を書き足して下ろしていけばよい。いつまでも が現れないときは、計算を繰り返すことでより精密な近似値を求めることができる。)

開平法とは

「開平」とは「ある数の平方根を求めること」であり、「開平法 (extraction of square root)」とは、その「開平」を筆算のような計算で求める方法である。いずれも和算の時代から使われた用語であり、開平法は古くからそろばんによって用いられていた。

開平法の計算は、化学や物理において必要とされることがある。

開平法の仕組み

なぜ、上で見た開平法によって平方根が求められるのか、その仕組みを下に図で示しておく(途中の計算式の中に、実際の計算のときには必要のない数字があるので注意すること)。余裕のある人は、各自で考えてみよう。

√823.69の開平法で、数を2桁ごとに区切って最初の商の2を立てた筆算と、面積が823.69で1辺の長さが√823.69である正方形が並んでいます。
大きな正方形の中に一辺20の灰色の正方形があり、残りの白い部分の面積が423.69であることが示されている。その左には、√823.69の開平法の途中の計算が添えられている。
√823.69の開平法の筆算と、一辺28の正方形を20と8の長さに分けた構成が描かれている。一辺20の領域の右と下に幅8の領域が組み合わされ、白い部分の面積は39.69と示されている。
√823.69を計算する開平法の筆算と、一辺28に幅0.7を加えた正方形が描かれている。筆算の横には各段階の面積の式が対応づけられ、白い部分の面積は0と添えられている。

問題1開平法

の値を開平法によって計算せよ(無限に続く場合は、四捨五入によって上から3桁まで計算せよ)。

解答を見る
  • 開平法によって、下のように計算できて

    153664を2桁ずつ「15」「36」「64」と破線で区切り、開平法の筆算を進めている。右側に補助計算を並べながら計算を進め、上に392が得られ余りは0となっている。
  • 開平法によって、下のように計算できて

    1.1236の平方根を求める開平法の筆算で、根号の上に答えの1.06が示され、根号の下に途中の引き算、右側に補助計算が順に書かれている。

    下のように、 を引く部分を省略しても構わない。ただし、補助の計算から を省略してはいけない。

    ルート1.1236の値を1.06と求める開平法の筆算であり、左側の計算では0を引く過程が省略され、右側の補助計算では0を含めた足し算の過程がすべて書かれている。
  • 開平法によって、下のように計算できて

    ルート13の値を3.605まで計算する開平法の筆算と、その右側の補助計算が書かれている。筆算の上部には商の3.605が示され、途中で商が0になる段階も含めて計算過程が表されている。

    下のように、 を引く部分を省略しても構わない。ただし、補助の計算から を省略してはいけない。

    √13の値を小数第3位の3.605まで求める開平法の筆算で、途中の0を引く計算を省略して余り3975を出す本体の計算と、その右側の補助計算が表されている。
  • 開平法によって、下のように計算できて

    √9.8の値を開平法で小数第3位の3.130まで求める筆算で、9.80を2桁ずつ区切り、9を引いて80を下ろし、61×1、623×3と進めて余り3100を出している。右側にはその各段階での補助計算が添えられている。

    とは、物理で重要となる「重力加速度 」の近似値である。余談になるが、この答えは に近い値である。

最終更新: 2026-08-12

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