数学A 第1章 場合の数 — 残りの体系
残りの体系について
ボールと箱のモデル9
ここでは,ボールと箱のモデルにおける体系の最後として, 下表で空欄になっている部分(「あり・なし」「なし・なし」の行の「単射」の欄),つまり
「区別する n 個のボールを,区別しない r 個の箱に高々1個配る場合の数」
と
「区別しない n 個のボールを,区別しない r 個の箱に高々1個配る場合の数」
について考えてみよう.
| ボール・箱 |
|
単射 |
写像全て |
全射 |
| あり・あり |
|
順列 |
重複順列 |
部屋割り |
| なし・あり |
|
組合せ |
重複組合せ |
資源配分 |
| あり・なし |
|
|
(右枠の和) |
部屋割り(区別なし) |
| なし・なし |
|
|
(右枠の和) |
資源配分(区別なし) |
実はこれらは非常に単純で, n≦r の場合に1通りとなるだけである. 箱に区別が無いので,どのボールがどの箱に入ったかという違いは残らず, どの配り方も「ボールの入った箱が n 個,空の箱が r-n 個ある」という同じ形になってしまうからである. 例えば,区別する3個のボールを区別しない5個の箱に高々1個配る場合の数は
の1通りしかない.
同じようにボールを区別しない場合でも
の1通りしかない.
また, n>r の場合には,すべての箱に1つずつボールを配っても,ボールが余ってしまうので0通りとする.
以上で,上の表で空欄になっていた「単射」の2つの欄も, n≦r のとき1通り, n>r のとき0通り,と埋まった. これでボールと箱のモデルの体系はすべて出そろったことになる.
最終更新: 2026-08-12
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