数学II 第2章 図形と方程式 — 軌跡と領域
多変数関数と図形の方程式
多変数関数とは何か
変数を2つ以上持つような関数のことを 多変数関数 (multivariable function)という. もし,ある関数が
たとえば,勝ちに3点,引き分けに1点,負けに0点を与えるゲームを考える.
勝った回数を

勝った回数(
と求められる.
変数への値の代入は,変数が1つのときと同じように以下のように書く.
この式は,6勝4引き分けならば合計点は22点であることを表している.
のとき, の値を求めよ.- 1個200円のりんごを
個,1個100円のみかんを 個買うときの合計金額を 円とするとき, を と の式で表せ.
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2変数関数と図形の方程式
FTEXT 数学Iで学んだ放物線や,直線の方程式で学んだ直線,円の方程式で学んだ円 のなどの図形の方程式は,適当な多変数関数
で表すことができる.
たとえば,2変数関数を
つまり,傾きが
もう1例考えてみよう.2変数関数を
つまり,原点
図形の方程式は,適当な多変数関数
で表せる.
2変数関数
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より, となるので,
グラフは図のようになる.
2.
となるので,グラフは図のようになる.

軌跡
軌跡とは何か
平面上で,与えられた条件を満たしながら点
座標平面上の2点
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点
より,求める軌跡は,直線

座標平面上2点
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←座標平面上の2点間の距離
であるから
よって,求める軌跡は,
中心
である.
2点からの距離の比が与えられたときの点の軌跡について,一般に次のことが成り立つ.
2点
なお,
上のアポロニウスの円〜その1〜の例題を,アポロニウスの円の知識を使って解け.
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線分
外分する点
軌跡である円の直径となる
軌跡である円の中心となる
よって,求める軌跡は,
中心
である.

条件に動点を含む場合の軌跡
次の例題の点
円
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点
点
点
よって,
←なぜこのような操作を行うのかについては下の本文を参照
よって,求める軌跡は,
中心が
である.
上の例題の軌跡,つまり点
そこで,考え方の順序を変え,ある点
を満たさなくてはならない. この式から
となり満たさないので,点
このような作業を具体的な点
このような考え方を使う例題として,もう1問練習してみよう.
注 逆像法や逆手流という俗称もある.
2直線
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方程式を
上の式を
のとき,より
これを
のとき,より が必要だが, これは,で のとき成立する. つまり,点は と の交点である.
以上1),2)より,求める軌跡は,
中心
(ただし,点
となる.

領域
領域とは何か
次の2つの条件
条件
条件
まず,条件
次に,条件

次の不等式の表す領域を図示せよ.
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- 中心が原点で半径が
の円の境界と内側を表す. - 中心が原点で半径が
の円の外側を表す. - 中心が
で半径がの円の内側を表す.

点
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1.2.は直線
3.4.は放物線

2つの不等式を同時に満たす領域を,それぞれ図示せよ.
i)
ii) iii) 領域
を図示せよ.不等式
を満たすを座標平面上に図示せよ.
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(i)境界は2直線
であり,2直線の交点はと求められる. ←連立方程式
を解いた.
を に代入してとなり,これを
に代入すればよい.求める領域は
直線
より下部直線
より下部であり境界を含まない.よって,図のようになる.

いろいろな領域の解答の図その1 (ii)境界は放物線
と直線 であり, 交点は と求められる.←連立方程式
を解いた.
に を代入してより
となるので, それぞれ に代入すればよい. は と変形できるので, 求める領域は放物線
より下部直線
より上部であり境界を含まない.よって,図のようになる.

いろいろな領域の解答の図その2 (iii)境界は円
,直線 であり,交点は と求められる.←連立方程式
を解いた.
を に代入してから
となり,これを に代入すればよい. は と変形できるので,求める領域は円
の内側直線
より下部であり境界を含む.よって,図のようになる.

いろいろな領域の解答の図その3 求める領域は
かつ を満たせばよい.つまり放物線
より下部直線
より上部であり境界を含む.
境界は 放物線
と直線 であり, 交点は となる.連立方程式
を解けばよい.
を消去して ,これを解いて .よって,図のようになる.

いろいろな領域の解答の図その4 不等式
が成り立つには←2つの式を掛けて正になるための必要十分条件は,どちらも正か,どちらも負になることである
または
が成立することである.それぞれ変形すると
または
が成立すればよいと分かり,
←それぞれ図示すれば,次の2つのどちらかを満たす領域が求めるものと分かる

いろいろな領域の解答の図その5 どちらの領域も
と を境界とし, その交点はとなる. よって求める領域は図のように図示できる.

いろいろな領域の解答の図その6
領域を利用した証明
FTEXT 数学Aの論理と集合で学んだように,一般に2つの条件
「
であった.
条件
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連立方程式
を解く. 上の式を

多変数関数の最大最小
条件を逆にたどる方法
ここでは,2変数関数
条件に動点を含む場合の軌跡で学んだ,条件を逆にたどる方法は,軌跡を求めるだけでなく, 2変数関数の最大値や最小値を求めるときにも有効である. そのことを次の例題で確認しよう.
- 4つの不等式の表す領域
を図示せよ. の最大値と最小値およびそのときのと の値を求めよ.
解答を見る
領域を図示すると次のようになる.

2変数関数の最大最小〜その1〜の図その1 とおくと,これは傾きが , 切片が の直線を表す.この直線 が領域 と共有点をもつ ような の値の最大値と最小値を求めればよい.
←なぜこのような操作を行うかについては下の本文参照
次の図より,

よって,
のとき,最大値
のとき,最小値
上の例題での2変数関数
そこで,条件に動点を含む場合の軌跡で学んだ方法と同じように,考え方の順序を逆にして, ある値
たとえば,
を満たさなくてはならない.この関係を満たす
次の図は領域

このような作業を具体的な値ではなく,ある値
1変数に帰着させる方法
2変数関数の最大値や最小値を求めるときには,まず片方の変数をとりあえず定数として固定し, 1変数の問題として最大値と最小値を求めておき,次に固定していた変数を動かし全体の最大値と最小値を求める, という方法もある.
それを次の例題で確認しよう.
注 予選決勝法という俗称もある
2変数関数
の最小値を求めよ.
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まず,
となるから,
←「予選」
次に,
←「決勝」
1変数に帰着させる方法
を定数と考えるということがわかっていれば, と書き換える必要はなく
として最小値
を求めてもよい.
元記事: http://www.ftext.org/text/section/113(取得日 2026-08-07)
最終更新: 2026-08-08
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