数学II 第5章 対数と対数関数 — 対数の計算法則
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対数の計算に関して、大変興味深いいくつかの計算方法が成り立つ。ここでは、その計算方法について見ていこう。
和と差に関する対数の性質
和と差に関する対数の性質について
常用対数表には、10を底とする対数の概算値がまとめてある。 この表によれば
log102≒0.3010 , log104≒0.6021 , log108≒0.9031
なので
(log108=) log10(2・4)=log102+log104
が成り立っているのがわかる。 このような関係が成り立つのは偶然ではなく、一般的には次のようにまとめられる。
§
定理1和と差に関する対数の性質
aは a > 0, a≠1を満たし、 M > 0, N > 0とするとき
- logaMN=logaM+logaN
- 1'. logaM/N=logaM-logaN
が成り立つ。
たとえば、 log218 = log23 + log26、 log32/5 = log32 − log35などもいえる。
暗記1和と差に関する対数の性質の証明
実数に拡張された指数法則
- a^xa^y=a^x+y
- 1'. a^x/a^y=a^x-y
に、aを底とする対数を考えることにより、和と差に関する対数の性質
- logaMN=logaM+logaN
- 1’. logaM/N=logaM-logaN
を証明せよ。
解答を見る
- 1.指数法則 a^xa^y=a^x+y,において、aを底とする対数をとると
logaa^xa^y=logaa^x+y ⇔ logaa^xa^y=x+y
ここで、 a^x = M, a^y = Nとおくと、 x = logaM, y = logaNなので
logaMN=logaM+logaN
- 1' 指数法則 a^x/a^y=a^x-yにおいて、aを底とする対数をとると
logaa^x/a^y=logaa^x-y ⇔ logaa^x/a^y=x-y
ここで、 a^x = M, a^y = Nとおくと、 x = logaM, y = logaNなので
logaM/N=logaM-logaN
問題1和と差に関する対数の性質の練習
a = log102, b = log103とするとき、次の対数をa, bで表せ。
- log1012
- log105
- log101/30
- log10225
解答を見る
log1012=log10(2・2・3) =log102+log102+log103 =2a+b
log105=log1010/2
=log1010-log102
=1-a
log101/30=log101/2・3・5
=log101-log10(2・3・5)
=0-(log102+log103+log105)
=-{a+b+(1-a)}
=-1-b
log10225=log10(5・5・3・3)
=log105+log105+log103+log103,
=(1-a)+(1-a)+b+b,
=2-2a+2b
実数倍に関する対数の性質
実数倍に関する対数の性質について
常用対数表の表によれば
log103≒0.4771 , log109≒0.9542
なので
2log103=log103² (=log109)
が成り立っているのがわかる。 このような関係が成り立つのは偶然ではなく、一般的には次のようにまとめられる。
§
定理2実数倍に関する対数の性質
a は a > 0, a≠1を満たし、 M > 0, r は任意の実数のとき
が成り立つ。
たとえば、 log32³=3log32、 log2(3/5)⁴=4log23/5などもいえる。
暗記2実数倍に関する対数の性質の証明
実数に拡張された指数法則
に、aを底とする対数を考えることにより、実数倍に関する対数の性質
を証明せよ。
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- 2.指数法則 (a^x)^y = a^xyにおいて、aを底とする対数をとると
loga(a^x)^y=logaa^xy ⇔ loga(a^x)^y=xy
ここで、 a^x = M, y = rとおくと、 x = logaMなので
logaM^r=rlogaM
問題2対数の計算-その1-
次の式を簡単にせよ。
- log1025+log104
- log545+2log55/3
- log372-3log32
- log2√5-(1/2)log21/2-(3/2)log2√[3]10
解答を見る
式を変形すると
log1025+log104
=log10(25×4)
=log1010²=2
式を変形すると
log545+2log55/3
=log545+log5(5/3)²
=log545+log525/9
=log545×25/9
=log55³=3
式を変形すると
log372-3log32
=log372-log32³
=log372/8
=log33²=2
式を変形すると
log2√5-(1/2)log21/2-(3/2)log2√[3]10
=log25¹/2-log2(1/2)¹/2-log2(10¹/3)³/2
=log25¹/2-log21/(2¹/2)-log210¹/2
=log2(5¹/2×2¹/2)/(10¹/2)
=log2(5¹/2×2¹/2)/(2¹/2×5¹/2)
=log21=0
底の変換公式
底の変換公式について
ある対数の値は、底の違う別の対数の比で表すことができ
logab=logcblogca
となる。
この式を使えば、たとえば底が2の対数であるlog23も、常用対数表をもちいて
log23=log103log102≒(0.4771/0.3010)≒1.585
と計算することができる。
§
定理3底の変換公式
a, b, cは正の数で、 a≠1, c≠1のとき
が成り立つ。特に、 b = c のとき、 logab=1logbaである。
この公式を使うことにより、底の違う対数の和や差も、底をそろえ、計算できるようになる。 これについては後の例題でみる。
暗記3底の変換公式の証明
a^x = bが成り立っているとして、cを底とする対数を考えることにより、底の変換公式
を証明せよ。 ただし、a, b, cは正の数であり、 a≠1, c≠1とする。
解答を見る
a^x = bにおいて、cを底とする対数を考えると
logca^x=logcb ⇔ xlogca=logcb ⇔ x=logcblogca
いま、 a^x = bより logab = xなので、 logab=logcblogcaが成立する。
問題3対数の証明-その2-
次の式を簡単にせよ。
- log9√27
- log26-log49
- log26-log2√27+log412
- (log29+log83)(log316+log94)
解答を見る
- 式を変形すると
log9√27
=log93³/2
=(3/2)log93
=(3/2)log99¹/2
=3/2・1/2=3/4
- 式を変形すると
log26-log49
=log26-log29/log24
△底の変換公式この問いのように対数の底が異なる場合は、まず底をそろえることを考えるとよい
=log26-(1/2)log29
=log26-log29¹/2
=log26-log23
=log26/3
=log22=1
- 式を変形すると
log26-log2√27+log412
=log26-log23√3+log212/log24
=log26-log23√3+(1/2)log212
=log26-log23√3+log212¹/2
=log26-log23√3+log22√3
=log26・2√3/3√3
=log22²=2
- 式を変形すると
(log29+log83)底を2でそろえる (log316+log94)底を3でそろえる =(log23²+log23/log22³) ・(log32⁴+log32²/log33²) (注) 底の変換公式参照 =(2log23+log23/3) ・(4log32+log32) =(7/3)log23・5log32 =(35/3)log23・1/log23 (注) 底の変換公式参照 次の例題も参考 =35/3
問題4底の変換公式の活用
次の問いに答えよ。
logab・logbc=logacを証明せよ。 ただし、a, b, cは正の数とし、 a≠1, b≠1とする。
1.を利用して
log23・log35・log58・log816
を計算せよ。
解答を見る
- 式を変形すると
logab・logbc =logab・logac/logab =logac
- 式を変形すると
log23・log35・log58・log816
=log25・log58・log816
=log28・log816
=log216=4
対数と指数の関係
対数と指数の関係について
a^x = Mが成り立つとき、対数の定義より logaM = xである。 この x = logaMを a^x = Mに代入することにより
a^logaM=M
が成り立つ。
この式が成り立つ理由は次のように考えられる。
まず、logaMは対数の定義から 「aは何乗するとMになるのか?」という問いの答えであった。 そして、その値を実際にa の指数としてもちいるのだから、それがMになるのは当然である。
§
定理4対数と指数の関係
a は a > 0, a≠1を満たし、 M > 0のとき
が成り立つ。
問題5対数と指数の関係の利用
次の式を簡単にせよ。
- 16^log23
- 25^log(1/5)4
解答を見る
- 式を変形すると
16^log23=2^4log23
=2^log23⁴
=3⁴
=81
- 式を変形すると
25^log(1/5)4=(1/5)^-2log(1/5)4
=(1/5)^log(1/5)4^-2
=4^-2
=1/16
最終更新: 2026-08-20
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