数学II 第1章 式と証明 — 等式の証明
この節の練習問題10問だけをまとめて見る・印刷する →
式 2x+yと x+y+xは形は違えども、xやyがどのような値をとっても式の値は等しくなる。このように式の形が異なっていても、その値は同じになるとうことを示すには、証明というステップを踏む必要がある。以下では、ある式とある式が等しいことを示す、『等式の証明』に関して考えていこう。
恒等式
多項式とはなんであったか
FTEXT 数学Iで学んだように、いくつかの単項式の和や差として表される式を多項式(polynomial) といった。 たとえば、 4x² − 3x + 5 は、x の2次多項式である。 この式の x にはさまざまに変化する値が代入されると想定されるが、このような x を 変数(variable)と呼ぶ。 それに対して、この式の 4 や − 3 や 5 のように、一定の値のまま変化しないものを 定数(constant)と呼ぶ。
これらの言葉をつかうと、定数 a0, a1, …, an を係数とする変数 x の式
anx^n+an-1x^n-1+…+a1x+a0
を x の多項式と定義できる。
多項式の相等
2 + 3 = 5 という等式は、 2 + 3 という数が 5 という数と等しいという、関係を表したものである。 この例は数の関係を表したものであるが、 関係はなにも数に限ったことではなく、多項式についても同様に関係を表すことができる。 多項式と多項式の関係の1つである、多項式の相等を以下に定義しておこう。
§
定義1多項式の相等
2つのn次多項式 f(x),g(x)
f(x)=anx^n+an-1x^n-1+…+a1x+a0
g(x)=bnx^n+bn-1x^n-1+…+b1x+b0
において、すべての係数が等しい、すなわち
an=bn, an-1=bn-1, …
, a1=b1, a0=b0
が成り立つとき、 f(x) と g(x) は多項式として等しいという。
たとえば、多項式 f(x) = 3x² − 4x + 7 と多項式 g(x) = 3x² − 4x + 7 は、 すべての係数が等しいので、多項式として等しいといえる。 しかし、多項式 h(x) = 3x² − 5x + 7 は、すべての係数が等しいわけではないので、 多項式として等しいとはいえない。
恒等式とは何か
式 x² = − x + 2 は x = 1 または x = − 2 のとき成り立つ等式である。 このように、特別な値を入れたときだけ成り立つ等式を方程式(equation)という。
これに対して、式 x² − x = x(x − 1) のように、 x にどのような値を代入しても成り立つ等式のことを 恒等式(こうとうしき)(identity)である。
値を代入する文字、すなわち変数は1つとは限らない。 たとえば、 (x − y)(x + y) = x² − y² は、 x,y にどのような値を代入しても成り立つので恒等式と考える。
§
定義2恒等式の定義
ある等式において、その変数にどのような値を代入しても、 常に等式が成り立つとき、その等式をそれらの文字についての恒等式(identity)という。 ただし、分数式のように、分母が 0 になって代入できない値があるときは、その値を除いて考える。
一般に、式の変形によって導かれる等式は、どれも恒等式である。 たとえば、 (x − 1)(x − 3) を展開すると x² − 4x + 3 となるので、等式
(x-1)(x-3)=x²-4x+3
は恒等式である。
問題1恒等式〜その1〜
次の等式のうち、恒等式はどれか。
- (x+3)(x+1)-5(x+1)
=(x-2)(x+1)
- (x+y)(x-y)+x²+2x=(x+y)²
- 1/x+1/(x+1)=1/x(x+1)
解答を見る
左辺を展開すると
(左辺)
\begin{eqnarray}
&=&x^2+4x+3-5x-5\
&=&x^2-x-2\
&=&(x-2)(x+1)=
\end{eqnarray}
(右辺)
ゆえに、
恒等式である。
両辺に、 x = 1,y = 0 を代入すると
← x = 1,y = 0 はひとつの例である
(左辺) =(1+0)(1-0)
+1²+2・ 1=4
(右辺) =(1+0)²=1
左辺の値と右辺の値が異なるので
恒等式ではない。
両辺に、 x = 1 を代入すると
← x = 1 はひとつの例である
(左辺) =1/1+1/(1+1)=3/2
(右辺) =1/1(1+1)=1/2
左辺の値と右辺の値が異なるので
恒等式ではない。
以上から、恒等式は
である。
多項式が恒等的に0になる条件
a0,a1,a2 を定数とするとき、等式 a2x²+a1x+a0=0 が x についての恒等式となるのは、 係数 a0,a1,a2 にどのような条件が備わっているときなのか調べてみる。
a2x²+a1x+a0=0 が x についての恒等式であるならば、 x にどのような値を代入しても、この等式は成り立つので、 たとえば、 x=-1,x=0,x=1 をそれぞれ代入すると
a2-a1+a0=0 a0=0 a2+a1+a0=0
が必要であり、この連立方程式を解くと
a2=a1=a0=0
となる(下の ⇒ の証明)。 逆に、 a2=a1=a0=0 とすると、等式 a2x²+a1x+a0=0 は明らかに x についての恒等式となる(下の の証明)。
以上より、次のことが成り立つ。
「 a2x²+a1x+a0=0 が x についての恒等式である」 ⇔ a2=a1=a0=0
この例では2次式の等式について考えたが、一般に、同類項を整理した後の多項式について、次のことが成り立つ。
§
定理3多項式が恒等的に0になる条件
多項式 f(x)=anx^n+an-1x^n-1+…
+a1x+a0 において
f(x)=0
が恒等式となるのは、 f(x) の各項の係数がすべて 0 になる、すなわち
an=an-1=…=a1=a0=0
のときである。
この証明は、付録多項式が恒等的に 0 になる条件の証明で行う。
暗記1多項式の恒等式
2つの n 次の多項式 f(x),g(x) をそれぞれ
f(x)=anx^n+an-1x^n-1+…+a1x+a0
g(x)=bnx^n+bn-1x^n-1+…+b1x+b0
とおく。このとき、等式
f(x)=g(x)
が恒等式となるのは、 f(x) と g(x) が多項式として等しいとき、すなわち
an=bn , an-1=bn-1 , …
, a1=b1 , a0=b0
が成り立つときであることを上の多項式が恒等的に 0 になる条件を使い証明せよ。
解答を見る
等式 f(x) = g(x) が恒等式であることと、等式 f(x) − g(x) = 0 が恒等式であること、すなわち
(an-bn)x^n+(an-1-bn-1)x^n-1+…
+(a1-b1)x+a0-b0=0
が恒等式となることとは同値である。
←このあとすぐに習う『等式の証明について』の知識を使った
この恒等式が成り立つのは、多項式が恒等的に 0 になる条件より
an-bn=0 , an-1-bn-1=0 , …
, a1-b1=0 , a0-b0=0
すなわち
an=bn , an-1=bn-1 , …
, a1=b1 , a0=b0
が成り立つときである。
この例題の内容をまとめると、次のようになる。
§
定理4多項式の相等と恒等式
f(x),g(x) を多項式とするとき
f(x)=g(x)
が恒等式となるのは、 f(x) と g(x) の次数が等しく、両辺の同じ次数の項の係数がそれぞれ等しいとき、すなわち 多項式として等しいときである。
このことから、 x の多項式 f(x),g(x) についての等式 f(x)=g(x) が恒等式となるための条件として、
i) x に具体的な値を代入して両辺が等しくなる(代入法)
ii)左右両辺の同じ次数の係数が等しくなっている(係数比較法)
上記のいずれの条件でもよいことがわかる。
ただし、i)の代入法だけで恒等式といえるのは、 n 次以下の多項式どうしの等式について、異なる n+1 個の値で両辺が等しくなることを確かめたときである。
以下では、この2つを活用して、恒等式を求めてみよう。
問題2恒等式〜その2〜
次の等式が恒等式となるように、定数 a,b,c,d の値を定めよ。
- x²+3x=ax²+bx+c
- x²=a(x-1)²+b(x-1)+c
- x²=ax(x+1)+b(x-1)+c
- x³=a(x-1)³+b(x-1)²
+c(x-1)+d
- x³=ax(x+1)(x+2)
+bx(x+1)+cx+d
解答を見る
両辺の x² の係数を比較すると、 a=1 である。
両辺の x の係数を比較すると、 b=3 である。
両辺の定数項を比較すると、 c=0 である。
両辺の x² の係数を比較すると、 a=1 である。
x = 1 を代入すると
←右辺には x − 1 という形の式があるので、 x = 1 を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&1^2=1(1-1)^2+b(1-1)+c\
&&\Leftrightarrow~\boldsymbol{c=1}
\end{eqnarray}
また、 x = 0 を代入すると
← 0 以外の数でもかまわないが、一番計算が簡単にできる 0 を使った
\begin{eqnarray}
&&0^2=1(0-1)^2+b(0-1)+1\
&&\Leftrightarrow0=1-b+1\
&&\Leftrightarrow\boldsymbol{b=2}
\end{eqnarray}
両辺の x² の係数を比較すると、 a=1 である。
x = 1 を代入すると
←右辺には x − 1 という形の式があるので、 x = 1を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&1^2=1\cdot1(1+1)+b(1-1)+c\
&&\Leftrightarrow2+c=1\
&&\Leftrightarrow\boldsymbol{c=-1}
\end{eqnarray}
また、 x = − 1 を代入すると
←右辺には x + 1 という形の式があるので、 x = − 1 を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&(-1)^2=1(-1)(-1+1)\
&&\qquad+b(-1-1)-1\
&&\Leftrightarrow~-2b-1=1\
&&\Leftrightarrow~\boldsymbol{b=-1}
\end{eqnarray}
両辺の x³ の係数を比較すると、 a=1 である。
x = 1 を代入すると
←右辺には x − 1 という形の式があるので、 x = 1 を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&1^3=a(1-1)^3+b(1-1)^2\
&&\qquad+c(1-1)+d\
&&\Leftrightarrow~\boldsymbol{d=1}
\end{eqnarray}
右辺を展開すると
(右辺)
\begin{eqnarray}
&&=1(x^3-3x^2+3x-1)\
&&\quad+b(x^2-2x+1)+cx-c+1 \
&&=x^3+(b-3)x^2\
&&\quad+(-2b+c+3)x+(b-c)
\end{eqnarray}
x² と x の項の係数を比較すると
b-3=0 -2b+c+3=0
この連立方程式を解くと、 b=3,c=3 となる。
【別解:微分法を用いる】
x = 1 を代入すると
←右辺には x − 1 という形の式があるので、 x = 1 を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&1^3=a(1-1)^3+b(1-1)^2\
&&\qquad+c(1-1)+d\
&&\Leftrightarrow~\boldsymbol{d=1}
\end{eqnarray}
与式の両辺を微分すると
3x²=3a(x-1)²
+2b(x-1)+c①
これに x = 1 を代入すると
←右辺には x − 1 という形の式があるので、 x = 1 を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
3・ 1²=3a(1-1)²+2b(1-1)+c
⇔ c=3
①の両辺をさらに微分すると
6x=6a(x-1)+2b②
これに x = 1を代入すると
←右辺には x − 1という形の式があるので、 x = 1を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&6\cdot 1=6a(1-1)+2b\
&&\Leftrightarrow~\boldsymbol{b=3}
\end{eqnarray}
②の両辺をさらに微分すると
6=6a⇔ a=1
右辺の x³ の係数は a なので、 a=1 である。
x = 0 を代入すると
d=0
また、 x = − 1 を代入すると
←右辺には x + 1 という形の式があるので、 x = − 1 を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&(-1)^3=1(-1)(-1+1)(-1+2)\
&&\qquad+b(-1)(-1+1)+c(-1)+0\
&&\Leftrightarrow~\boldsymbol{c=1}
\end{eqnarray}
さらに、 x = − 2 を代入すると
←右辺には x + 2 という形の式があるので、 x = − 2 を代入することで不明な文字が少ない式をたてることができる
\begin{eqnarray}
&&(-2)^3=1(-2)(-2+1)(-2+2)\
&&\qquad+b(-2)(-2+1)+1(-2)+0\
&&\Leftrightarrow~\boldsymbol{b=-3}
\end{eqnarray}
問題3恒等式〜その3〜
k が任意の値をとるとき、常に次の等式が成り立つように、 x,y の値を求めよ。
(2k-1)x+(k-1)y-k+3=0
解答を見る
左辺を展開し、 k についてまとめると
(2x+y-1)k-x-y+3=0
これが k がいかなる値でも成り立つのは
2x+y-1=0 -x-y+3=0
のとき。
← (2x+y-1)k-x-y+3=0・ k+0 と考えて両辺の係数を比較した
この連立方程式を解くと x=-2,y=5 である。
2つ以上の変数に関する恒等式
a,b,c,d,e,f を定数とするとき
ax²+by²+cxy+dx+ey+f=0
が x,y についての恒等式であるとき、係数にはどのような関係が成り立つのか考えてみる。
まず、左辺を x について整理すると
ax²+(cy+d)x+(by²+ey+f)=0
となるが、まず x についての恒等式であるから、多項式が恒等的に 0 になる条件より次のことが成り立つ。
a=0 , cy+d=0 , by²+ey+f=0
ここでは、 y の値を1つ決めるごとに、 cy+d や by²+ey+f を定数とみなしている。
また、これらが y についての恒等式でもあるから、結局得られるのは
a=0 , b=0 , c=0
, d=0 , e=0 , f=0
となる。
一般に、次にようにまとめることができる。
§
定理52つ以上の文字に関する恒等式
複数の変数に関する等式が恒等式となる条件は、同類項でまとめたあとの各項の係数がすべて 0 になることである。
等式の証明について
等式の証明を考える
恒等式 A = B を証明するには、 A か B の一方を変形して、他方を導けばよい。
たとえば
(x²+x+1)(x²-x+1)
=x⁴+x²+1
を証明するには
\begin{eqnarray}
\text{(左辺)}&=&(x^2+x+1)(x^2-x+1)\
&=&x^4-x^3+x^2+x^3\
&&-x^2+x+x^2-x+1\
&=&x^4+x^2+1\
&=&\text{(右辺) }
\end{eqnarray}
とすればよい。
しかし、問題によっては A = B を導くことができる
- A = C かつ B = C
- A − B = 0
などの等式を証明する方が簡単なときもあるので、適宜使い分ける。
問題4等式の証明〜その1〜
以下の等式を証明せよ。
- (x+y)²-(x-y)²=4xy
- (a²-b²)(c²-d²)
=(ac+bd)²-(ad+bc)²
- (x³+1)(x²+x+1)
=(x+1)(x⁴+x²+1)
解答を見る
左辺を展開し整理すると
(左辺)
\begin{eqnarray}
&&=x^2+2xy+y^2-(x^2-2xy+y^2)\
&&=4xy=
\end{eqnarray}
(右辺)
となる。
両辺をそれぞれ展開し整理すると
(左辺)
=a²c²-a²d²-b²c²+b²d²
(右辺)
\begin{eqnarray}
&&=a^2c^2+2abcd+b^2d^2\
&&\qquad\qquad-(a^2d^2+2abcd+b^2c^2)\
&&=a^2c^2-a^2d^2-b^2c^2+b^2d^2
\end{eqnarray}
よって、(左辺) = 右辺)がいえる。
←「 A = C かつ B = C 」ならば「 A = B 」という論法を使った}
左辺を変形して
(左辺)
\begin{eqnarray}
&&=(x+1)(x^2-x+1)(x^2+x+1)\
&&=(x+1){(x^2+1)^2-x^2}\
&&=(x+1)(x^4+x^2+1)=
\end{eqnarray}
(右辺)
となる。
問題5等式の証明〜その2〜
以下の等式を証明せよ。
- 1/(x+2)+1/(x-2)=2x/(x²-4)
- 1/(x+1)+1/(y+1)
=(1-xy)/(x+1)(y+1)+1
- 2/(x+2)-1/(x+3)
+x/(x+2)(x+3)=2/(x+3)
解答を見る
左辺を通分して計算していくと
(左辺)
=(x-2)/(x+2)(x-2)+(x+2)/(x+2)(x-2)
=(x-2+x+2)/(x+2)(x-2)=2x/(x²-4)=
(右辺)
となる。
両辺をそれぞれ通分して計算していくと
(左辺)
=(y+1)/(x+1)(y+1)+(x+1)/(x+1)(y+1)
=(x+y+2)/(x+1)(y+1)
(右辺)
=(1-xy)/(x+1)(y+1)+(x+1)(y+1)/(x+1)(y+1)
=(1-xy+xy+x+y+1)/(x+1)(y+1)
=(x+y+2)/(x+1)(y+1)
よって、(左辺) = (右辺)がいえる。
左辺を通分して計算していくと
(左辺)
=(2x+6)/(x+2)(x+3)-(x+2)/(x+2)(x+3)
+x/(x+2)(x+3)
=(2x+4)/(x+2)(x+3)
=2(x+2)/(x+2)(x+3)=2/(x+3)=
(右辺)
となる。
条件つきの等式の証明
等式の中には、恒等式ではないが、ある条件のもとではつねに成り立つ等式がある。
たとえば、 a² − 2b² = ab は恒等式ではない( a = b = 1 を考えてみよ)。 しかし、 a + b = 0 という条件の下では常に成り立つ。 これを証明するには、条件 a + b = 0 から b = − a が成り立つことを利用して
(左辺) = a² − 2( − a)² = − a²
(右辺) = a( − a) = − a²
より、(左辺)=(右辺)とすればよい。
一般に、ある条件のもとで成り立つ等式を証明するには、その条件式を証明すべき式に代入すればよい。 そのことを次の例題で学んでいこう。
問題6条件つきの等式の証明-その1-
次の等式を証明せよ。
- a + b = 0 のとき、 ab + a² = 0
- a + b = 0 のとき、 a² − 2b² = ab
- x + y = 1 のとき、
x² + y² + 1 = 2(x + y − xy)
解答を見る
左辺を変形すると
(左辺) = a(a + b) = 0
よって、(左辺) = (右辺)がいえる。
a + b = 0より、 b = − a なので
(左辺) =a² − 2( − a)² = − a²
(右辺) = a( − a) = − a²
よって、(左辺) = (右辺)がいえる。
x + y = 1 より、 y = 1 − x なので
(左辺) = x² + (1 − x)² + 1
= x² + 1 − 2x + x² + 1 = 2(x² − x + 1)
(右辺)=2x + (1 − x) − x(1 − x)
= 2(x + 1 − x − x + x²)
= 2(x² − x + 1)
よって、(左辺) = (右辺)がいえる。
問題7条件つきの等式の証明-その2-
次の等式を証明せよ。
- xy = 1 のとき、
(x+1/y)(y+1/x)=4
- x+1/x=3 のとき、
x²+1/x²=7
- xyz = 1 のとき、
1/xy+1/yz+1/zx=x+y+z
解答を見る
xy = 1 より、 x≠ 0 であるから、 y=1/x と変形できる。
これを左辺にもちいると
(左辺) =(x+x)(1/x+1/x)
=2x・2/x
=4= (右辺) となる。
x+1/x=3 を左辺にもちいると
(左辺) =(x+1/x)²-2・ x・ 1/x
=3²-2=7
より、(左辺) = (右辺)である。
xyz = 1 より、 z=1/xy なので
(左辺) =1/xy+1/(y・1/xy)+1/(1/xy・ x)
=1/xy+x+y
=x+y+z= (右辺)
となる。
比例式を条件にもつ等式の証明
a:b = x:y の定義は bx = ay である。 特に x, y が 0 でないとき、 a/x=b/y と変形できる。 この a/x=b/y のように、比の値が等しいことを示す式を比例式(proportional expression)という。
比例式を条件とする場合には、比の値を k、すなわち a/x=b/y=k などとおき、 a = xk かつ b = yk の形で利用すると計算しやすい。
また
a:b:c=x:y:z
を、 a, b, c の連比(continued ratio)といい、 a:b = x:y かつ b:c = y:z かつ c:a = z:x 、すなわち
bx = ay かつ cy = bz かつ az = cx
と定義する。 こちらの場合も、 x, y, z が 0 でないとき、 a/x=b/y=c/z と変形できる。
問題8比例式を条件にもつ等式の証明
0 でない実数 a, b, c, d, x, y, z において、次の等式を証明せよ。
- a:b = c :d のとき、
(a²+b²)/(c²+d²)=(b/d)²
- a:b = c :d のとき、
(a²+c²)/(b²+d²)=ac/bd
- a:b:c = x :y :z のとき、
(a²+b²+c²)/(x²+y²+z²)=(ab+bc+ca)/(xy+yz+zx)
解答を見る
- a = ck, b = dk とおくと
(左辺) =(c²k²+d²k²)/(c²+d²)
=k²(c²+d²)/(c²+d²)=k²
(右辺) =(b/d)²
=d²k²/d²=k²
より、(左辺) = (右辺)である。
2. a = ck, b = dk とおくと
(左辺)= (c²k²+c²)/(d²k²+d²)
=c²(k²+1)/d²(k²+1)=c²/d²
(右辺) =c²k/d²k=c²/d²
より、(左辺) = (右辺)である。
3. a = xk, b = yk, c = zk とおくと
(左辺)= (x²k²+y²k²+z²k²)/(x²+y²+z²)
=k²(x²+y²+z²)/(x²+y²+z²)=k²
(右辺) =(xyk²+yzk²+xzk²)/(xy+yz+zx)
=k²(xy+yz+xz)/(xy+yz+zx)=k²
より、(左辺) = (右辺)である。
対称式
対称式の定義
次の6つの式
1) x+y 2) xy 3) x²+y²
4) 1/x+1/y 5) 2x³+3y² 6) 2/x+y/2
において、各式の中の x と y を入れ換えてみると
1)' x+y 2)' yx 3)' y²+x²
4)' 1/y+1/x 5)' 2y³+3x² 6)' 2/y+x/2
となる。
ここで、式 ~1)'~4)' はそれぞれ元の式 ~1)~4) と恒等的に等しく、 5)' と 6)' はそれぞれ元の 5) 、 6) と等しくない。
このように、文字を入れ換えても、式が変わるものと変わらないものとがあり、 変わらないものを対称式という。
§
定義6対称式の定義
式の中の文字 x, y を入れ換えても、同じ式となる式のことを、 その文字に関する対称式(symmetric expression)という。
対称式の中でも特に
x+y
xy
の2式を、基本対称式(elementary symmetric expression)という。
対称式の基本定理
証明は高校の程度を越えるが、一般に次のことが知られている。
§
定理7対称式の基本定理
すべての対称式は、基本対称式の和、差、積、商の組合せで表すことができる。
問題9対称式を基本対称式の組み合わせで表す
x + y = A, xy = B とするとき、次の各式を A, B を用いて表せ。
- x²+y²
- x³+y³+x+y
- 1/x+1/y
- y/x+x/y
解答を見る
x²+y²
=(x+y)²-2xy
=A²-2B
x³+y³+x+y
=(x+y)³-3xy(x+y)+(x+y)
=A³-3AB+A
1/x+1/y
=y/xy+x/xy
=(x+y)/xy
=A/B
y/x+x/y
=y²/xy+x²/xy
=(x²+y²)/xy
最終更新: 2026-08-20
この節についてAIに質問する
この節に書かれている内容だけを根拠に答えます。個人情報は書かないでください。
この回答は役に立ちましたか?