数学I 第3章 集合の基礎 — 写像

写像について

写像とは何か

ここでは、集合と集合の対応を調べることによって、写像や関数という考え方を学んでいこう。

向かう駅 料金(円)
渋谷
新宿
横浜
仙台
大阪
博多
札幌

例えば、東京駅からJRを使いさまざまな駅に向かうときの乗車券の料金は表のようになっている。

このことを「集合」を用いて表すことを考えよう。

40

まず、向かう駅の集合 とし、料金の集合 とする。

このように集合 を作ると、図のように の各要素に の要素が1つずつ対応する。

集合Aに含まれる7つの地名から、集合Bに含まれる6つの数値へそれぞれ矢印が向かっている。集合Aの渋谷と新宿からの矢印は、どちらも集合Bの190を指している。 一般に、2つの集合 において、ある規則によって のどの要素にも、 の要素が1つずつ対応しているとき、この規則を から への写像 (mapping) といい、記号 などを用いて と書く。

写像 において、集合 定義域 (domain of definition) という。

また、写像 によって、 の要素 に対応する の要素を と書き、これを による 像 (image)、または における値 (value) という。

さらに、この像(値)全体の集合 を写像 値域 (range) という。

先程の例でいうなら、定義域は であり、値域は である。

また、この対応を与えている規則 による「横浜」の像、つまり は、 である。

問題1定義域・値域

定義域 以下の自然数とするとき、 の各要素に、その正の約数の個数を対応させる写像 の値域 を求めよ。

解答を見る

定義域 である。

の各要素の正の約数と、その個数は表のようにまとめられるので、値域 となる。

約数 約数の個数
集合Aの要素1から10と、集合Bの要素1から4が並び、Aの各要素からBの要素へ矢印が向いている。1は1へ、2・3・5・7は2へ、4・9は3へ、6・8・10は4へ矢印が指している。

いろいろな写像

1対1の写像(単射)

からどのような要素 をとってきても が成り立つならば、 であるとき 1対1の写像 (one-to-one correspondence)、または単射 (injection) という。

集合Aの要素1, 2, 3, 4から集合Bの要素へ、1はb、2はc、3はa、4はdへそれぞれ矢印が向かっており、集合Bの要素eには矢印が向かっていない。

上への写像(全射)

のどのような要素 に対しても となるような の要素 が存在するとき 上への写像 (onto-mapping)、または全射 (surjection) という。

集合Aの要素1から5と集合Bの要素aからdに対して、1からb、2と5からc、3からa、4からdへ矢印が向かい、Bのすべての要素に矢印が到達しています。

上への1対1の写像(全単射)

上への写像であり、かつ1対1の写像でもあるものを、上への1対1写像 (onto and one-to-one correspondence)、または全単射 (bijection) という。

集合Aの要素1、2、3、4、5から、集合Bの要素a、b、c、d、eへ、1はb、2はc、3はa、4はe、5はdへと、それぞれ重複なく1本ずつ矢印が伸びている。 特に、集合 から集合 への全単射のことを、置換 (substitution) ともいう。

最終更新: 2026-08-10

この節についてAIに質問する

この節に書かれている内容だけを根拠に答えます。個人情報は書かないでください。
送信のとき、機械による連投を防ぐ確認(Cloudflare Turnstile)を通します。