数学I 第6章 平面図形・空間図形の計量 — 球の体積と表面積

ここでは、球とその切り口に現れる円の計量について考えていこう。

球の表面積と体積

球の体積

球の体積について考えるため、まず次の例題を解いてみよう。

問題1球と円柱

次の図のように、底面の半径が 、高さが の円柱の中に、半径 の半球 が入っている。この円柱から半球 を除いた図形を とする。 のとき

  1. 高さ の水平面で を切ったときの、切り口に現れる小さい方の円の半径を求めよ。
  2. 高さ の水平面による、 の断面積を求めよ。
底面の半径と高さがともにrの円柱の内部に、半径rの半球Tが入っている。半球Tは平らな円の面を下にして円柱の底面とぴったり重ね、中心が底面の中心にあり、丸い側が上を向いて円柱の上面の中心に接している。この立体を、底面から高さxの水平面で切ると、切り口には大小2つの円が現れる。大きい円は円柱の切り口(半径r)、小さい円は半球の切り口である。円柱から半球Tを除いた残りの立体がSである。
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  1. 長方形の枠内に、底辺の中点をOとする半径rの半円がある。高さxにある点Hと半円上の点Aにより直角三角形OHAが描かれており、斜辺OAの長さはr、OHの長さはxである。
    底面の半径と高さがともにrである円柱の中に半径rの半球があり、底面から高さxの水平面による灰色の円形断面が示されている。底面中心と断面中心を結ぶ高さxを1辺とする直角三角形も描かれている。

    底面に垂直な平面で立体を半分に切れば、1つめの図のような断面図となる。高さ の平面による半球 の切り口は、1つめの図の線分 を半径とした円になるので、線分 の長さを求めればよい。

    よって、求める長さは

  2. 底面の半径と高さがともにrの円柱の中に半径rの半球が入っており、高さxの水平面で切った断面が示されている。円柱の切り口から半径√(r^2-x^2)の半球の切り口を除いたリング状の領域が灰色で塗られている。

    求める面積は「高さ の平面による円柱の切り口の面積」(これは半径 の円)から「高さ の平面による半球 の切り口の面積」(これは半径 の円)を引けばよいので、求める面積は

一般に、2つの立体について、どの高さに対する切り口の面積も等しいならば、これら2つの立体の体積は等しいことが知られている。上の例題において、底面の半径 、高さ の円錐を逆さにしたものを とする。 の頂点は下にあり、その頂点から高さ までの部分は 全体と相似で、相似比は であるから、高さ の切り口は半径 の円となる。したがって、高さ における の断面積は と等しく になる、つまり、 は体積が等しく と計算できる。この の体積を 倍して、半径 の球の体積 を得る。

§

定理1球の体積

半径 の球の体積 は、 である。

球の表面積

まず、中心 、半径 の球の体積と表面積の関係について考えてみよう。

球の表面に小さい三角形を描き、その 頂点と球の中心 を結ぶと三角錐ができあがる。今度は、その三角形の一辺を使ってまた別の三角形を描き、頂点と中心 を結ぶと別の三角錐ができあがる。このような操作を繰り返していけば、球全体を三角錐の集まりとして分割することができる。

球体である地球の地面を、通常私たちは平らであると感じている。つまり、球の表面に描く三角形も十分に小さければ、平らであると扱ってもよいだろう。すると、球体は三角錐の集まりとして扱ってもよいだろう。また、このときひとつひとつの三角錐は大変細長いものとなるので、その高さはすべて と考えてもよいだろう。

中心Oをもつ球の内部に、中心Oを頂点とし、球の表面上の小さな三角形を底面とする細長い三角錐が描かれている。その隣には、底面の一辺を共有するもう1つの三角錐が並んでいる。 すべての三角錐の体積が であるから、三角錐の体積の和は、 となる。三角錐の底面積の和は球の表面積と考えてよいので、半径 の球の体積を 、表面積を とすると、 である。『球の体積』より なので である。

§

定理2球の表面積

半径 の球の表面積 は、 である。

問題2球の表面積、体積

  1. 半径 の球の、表面積と体積をそれぞれ求めよ。
  2. 1辺 の立方体の表面積と直径 の球の表面積では、どちらが大きいか。
  3. 1辺 の立方体に高さ まで水を入れてある。この水の中に半径 の球を静かに入れると、何 の水があふれるか。ただし、表面張力は考えない。
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    • 表面積は
    • 体積は
  1. 1辺 の立方体の表面積は、

    直径 の球の半径は なので、表面積は よって、1辺 の立方体の表面積の方が大きい。

  2. 水中に入れた球の体積は なので、水の体積と球の体積の和は である。実際には しか入らないので、あふれる水の体積は

問題3円錐と内接球

底面の半径が 、母線の長さが の円錐がある。

  1. この円錐に内接する球 の半径を求めよ。
  2. の上に外接し、さらに円錐の側面に接する球 の半径を求めよ。

ただし、球 とも、半径はできるだけ大きくなるようにする。

母線の長さが10、底面の半径が4である円錐の中に、大きい球O1と小さい球O2が縦に並んで入っている。球O1は円錐の側面と底面に、球O2は球O1と円錐の側面にそれぞれ接している。
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円錐の頂点を 、球 の中心をそれぞれ とし、 から底面に下ろした垂線の足を とする。このとき、線分 を通る。

  1. 三角形ABCの各辺の長さはAB=10、AC=10、BC=8である。垂線AH上に中心Pと中心Qの2つの円が縦に接して並び、下側の大きい円Pの半径PHの長さはr1である。

    直線 を含むように、この立体図形を縦に垂直に切る。すると、断面図は上の図のようになり、 球 の断面は、 の内接円になる。

    の面積を 、球 の半径 とすると が成り立つ。

    面積 は、 より であるので、これを に代入して

  2. 二等辺三角形ABCの垂線AH上に、中心Pで半径r1の内接円と、その上にある中心Qで半径r2の円が接して並ぶ。Qから辺ACへ垂線QEが下ろされ、ACの長さは10、HCの長さは4である。

    1と同じ断面を考え、上の図のように から辺 に垂線 を下ろす。 は球 と円錐の側面との接点であり、 は共通、 であるから である。

    ここで、球 の半径を とすると である。また、球 は円錐の底面に接するから 、球 と球 は外接するから であり、 となる。

    よって

最終更新: 2026-08-13

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