数学I 第6章 平面図形・空間図形の計量 — 空間図形の計量

空間図形は、上手に切り口を選ぶことにより、平面図形の問題へと帰着される。以下では、代表的な空間図形の計量についてみていこう。

直角が1つの頂点に集まった四面体

直角三角錐の計量

1つの頂点に直角が3つ集まった三角錐のことを直角三角錐 (rectangular triangular pyramid) という。

問題1直角三角錐の計量

図のように、 の直角三角錐 において、次の問に答えよ。ただし、 とする。

  1. の長さをそれぞれ求めよ。
  2. とするとき、 の値を求めよ。
  3. の面積 を求めよ。
3つの辺OA、OB、OCが点Oで互いに垂直に交わる三角錐OABCがあり、辺OAの長さが2、辺OBの長さが3、辺OCの長さが6とそれぞれ示されている。
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  1. それぞれに、三平方の定理を用いて
  2. に点 からみる余弦定理を用いて
  3. 2より だから、1より の面積

上の例題で、 の面積をそれぞれ とおくと が成り立っているのが確認できる。この関係は、一般の直角三角錐で成り立ち、三平方の定理の空間版といえるものである。

問題2三角錐の計量

図のような三角錐 において、次の問に答えよ。

  1. の長さを求めよ。
  2. の長さを求めよ。
  3. の長さを求めよ。
  4. とするとき、 の値を求めよ。
頂点 O, A, B, C からなる三角錐があり、∠OAB と ∠OAC は直角である。辺 BC の長さは 6 であり、∠OBA=60°、∠OBC=75°、∠OCB=45° である。
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  1. であるから、 に正弦定理を用いて

    △OBCにおいて、頂点Oの内角が60°、頂点Bの内角が75°、頂点Cの内角が45°であり、辺BCの長さが6であることが示されている。

  2. まず、 に点 からみる第1余弦定理を用いて

    △OBCにおいて、3つの角の大きさが∠BOC=60°、∠OBC=75°、∠BCO=45°であり、辺OBの長さは2√6、辺BCの長さは6と示されている。

    これより、 に三平方の定理を用いて はこれ以上簡単にならない

  3. まず、

    三角形ABCが描かれている。各辺の長さを表す数値として、辺ABの側に√6、辺BCの側に6、辺ACの側に√(6+12√3)が示されている。

    これより、 からみる余弦定理を用いて

正多面体

正多面体

空間図形において、全ての面が合同な正多角形からなり、各頂点に集まる辺の数が全て等しい多面体のことを正多面体 (regular polyhedron) という。

市松模様の面の上に、左から順に正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体という5種類の正多面体が横一列に並んでいる。 正多面体は

  1. 正四面体
  2. 正六面体(立方体)
  3. 正八面体
  4. 正十二面体
  5. 正二十面体

の5つしかないことが知られている。

問題3正四面体の計量

図のように、1辺の長さが である正四面体 について以下の問に答えよ。

  1. の面積 を求めよ。
  2. 頂点 から に下ろした垂線の足を をするとき、 の長さを求めよ。
  3. 正四面体 に内接する球の半径を求めよ。
  4. 正四面体 に外接する球の半径を求めよ。
一辺の長さが1である正四面体ABCDがあり、頂点Aが上方、底面が△BCDとなるように配置されている。辺ABの横に長さが1であることを示す数値「1」と弧線が添えられている。
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  1. であるから

  2. まず、辺 の中点を とおくと、 となり、 は、 から におろした垂線の足であるとわかる。これは、 が平面 上で交わる2直線 の両方と垂直だから、 は平面 と垂直になり、したがって平面 も平面 と垂直になるからである。この2つの平面が垂直であるから、 から平面 におろした垂線は平面 上にあり、その足は2平面の交わりである直線 上にくる。

    1辺の長さが1である四面体ABCDにおいて、辺ABの長さが1と示され、辺BC上の点Mと頂点A、Dを結んでできる三角形AMDが斜線で塗りつぶされている。
    1辺の長さが1である四面体ABCDにおいて、辺BC上の点Mと頂点A、Dを結ぶ線分AM、MDが描かれており、△ABMの部分に斜線が施されている。

    まず、 に三平方の定理を用いて よって、 。同様に、 である。

    頂点A、M、Dを頂点とする三角形AMDにおいて、辺MAと辺MDに等しいことを表す記号が付いている。辺MAの長さは2分の√3、辺ADの長さは1と示されている。

    次に、 とおくと、 に点 からみる余弦定理 を用いて

    であり、 より

    一辺の長さが1の正四面体ABCDにおいて、辺BCの中点Mをとり、頂点Aから線分MDへ垂線AHを下ろしている。三角形AMDには斜線が引かれている。

    よって、 の長さは

    【別解: の重心であることを使う】

    まず、辺 の中点を とおくと、 となるので、 に三平方の定理を用いて よって、 。同様に、 である。

    次に、正四面体の対称性から、点 の重心となるので 、つまり

    1辺の長さが1の正四面体ABCDにおいて、辺BCの中点Mを通る線分AM, DMと、頂点Aから線分DMへおろした垂線AHによりできる三角形AMHが斜線で塗られている。

    最後に、 に三平方の定理を用いて よって、 となる。

  3. 内接球の中心の点を とし、その半径を とおく。このとき、正四面体は4つの正三角錐 に分けることができる。

    1辺の長さが1である正四面体ABCDの内部に点Oがあり、点Oと各頂点A、B、C、Dを結ぶ線分が描かれている。

    内接球は4つの面すべてに接するから、 から各面までの距離はどれも である。また、4つの面はどれも合同な正三角形だから、その面積はすべて 1 で求めた に等しい。

    これらの正三角錐の体積は、どれも であるから、正四面体 の体積 また、1、2より正四面体 の体積 よって、 より

  4. を辺 の中点、 を 2 と同じく から平面 に下ろした垂線の足、 から平面 に下ろした垂線の足にとると、次の図のようになる。

    球に内接する1辺の長さ1の正四面体ABCDにおいて、辺BCの中点M、頂点Aから面BCDへ下ろした垂線の足H、頂点Dから面ABCへ下ろした垂線の足H'、線分AHとDH'の交点Oが示されている。

    図形の対称性から、外接球の中心 上および 上にあるのがわかる。

    の重心だから となる。同様に、 である。

    また、 の重心だから中線 上にあり、 はすべて平面 上にある。この平面の中で見ると、 より であり、 は共通であるから、2組の角がそれぞれ等しい。

    ここで、 とおくと、 より

正多角錐

正多角錐

空間図形において、底面が正多角形で、側面が合同な二等辺三角形で作られ、側面の頂点が一点に集まっている多面体のことを正多角錐 (regular pyramid) という(正角錐ともいう)。底面が正 角形の正多角錐のことを正 角錐といい、 以上の自然数をとりうる。正多角錐では、側面の頂点と底面の各頂点を結ぶ辺の長さがすべて等しいので、側面の頂点から底面に下ろした垂線の足は、底面の正多角形の中心となる。

次の図は正三角錐と正四角錐である。底面の形状がわかり易いように底面を上にしてある。

左に底面である正三角形を上に向けた正三角錐、右に底面である正方形を上に向けた正四角錐が、それぞれ頂点を下にして並べて置かれている。

問題4正四角錐の計量

次の図のように、底面の1辺の長さが 、高さ である正四角錐 について以下の問に答えよ。

  1. 底面と側面のなす角 を求めよ。
  2. から辺 に下ろした垂線 の長さを求めよ。
  3. 隣り合う2つの側面のなす角 を求めよ。
正四角錐O-ABCDにおいて、頂点Oから底面ABCDに下ろした垂線OHの長さは1、底面の正方形ABCDの1辺BCの長さは2である。
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  1. 正四角錐O-ABCDで、Oから底面に下ろした垂線OHの長さが1、底面の辺BCの長さが2であり、辺ABの中点Mと点H、Oを結んでできる三角形OMHが斜線で塗られている。

    の中点を とおくと、 は共に二等辺三角形であるから、 である。よって、 が底面と側面のなす角 である。

    いま、直角三角形 において、 より、 となる。これは、他の側面についても同様である。

  2. とおくと、三平方の定理より

    四角錐O-ABCDにおいて、辺OB上に点Eがあり、頂点Aから垂線AEが下ろされ直角記号と∠OBA=θが示されている。さらに、頂点Dから点Eへ線分DEが結ばれている。

    である。

    に着目して、 となる。ここで、 に着目すれば、 である。

  3. 正四角錐 O-ABCD の辺 OB 上に点 E があり、線分 AE は辺 OB と垂直に交わっている。この正四角錐の内部にある三角形 AEC が斜線で塗られている。

    であり、 より、 。よって、 が求める角 である。

    に点 からみる余弦定理を用いると よって、 となる。

最終更新: 2026-08-12

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