多項式の除法の練習問題(全18問・解答つき)

数学II「多項式の除法」(式と証明)の練習問題を18問まとめました。解答は各問のすぐ下に折りたたんであります。そのまま印刷すれば、解答の見えない問題プリントになります。

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問題1除法の計算方法~筆算形式~

で割ったときの商と余りを求めよ.

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STEP1

まず,整数の割り算と同じように,下図のように書いておく.この例題では,割られる多項式にはの項はないが,その場合でも 適度にスペースを空け,計算できるようにしておく.

割る式 x^2-3x+1 の右側に割り算の筆算の記号が付いており、その中に割られる式 x^4+3x^3 と、x^2の項の場所をあけて -4x+2 が書かれている。

STEP2

に何をかけて引くと, の最高次の項が消えるかを考える. この例題ではなので,を下図のように書く.

多項式の除法の筆算で、割る式 x^2-3x+1 と割られる式 x^4+3x^3-4x+2 が配置され、上の横線に商の一部である x^2 が x^4 の真上に書かれている。

STEP3

下図のようにして, をかけた式を から引く.

x^2-3x+1でx^4+3x^3-4x+2を割る筆算。商にx^2を立て、x^4+3x^3-4x+2からx^4-3x^3+x^2を引いた結果の6x^3-x^2-4xまでが書かれている。

STEP4

STEP2と同じように,が消えるように をかけて引く.

多項式 x^4+3x^3-4x+2 を x^2-3x+1 で割る筆算で、商の x^2+6x まで計算が進んでいる。6x^3-x^2-4x から 6x^3-18x^2+6x を引き、17x^2-10x+2 が一番下に書かれている。

STEP5

同じように,が消えるように をかけて引く.

x^2-3x+1 で x^4+3x^3-4x+2 を割る筆算で、計算の最後までが表されている。上に商の x^2+6x+17 が、最下段には引いた結果の 41x-15 が書かれている。

STEP6

最下段のの次数が,割る多項式 の次数より低いので,ここでやめる.

x^4+3x^3-4x+2をx^2-3x+1で割る筆算の計算が完了しており、上に商のx^2+6x+17、最下段にあまりの41x-15が書かれている。

この結果から
となることがわかり,商は ,余りはとわかる.

問題2除法の計算方法~暗算形式~

で割ったときの商と余りを求めよ.

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STEP1

まず,右辺を展開したときにが現れるように,下のように書く.

STEP2

このままでは,右辺のの係数はとなり,左辺のと合わなくなるので,つじつまをあわせるために を下のように書く.こうすれば,右辺を展開したときにの係数がとなり,左辺とあう.

STEP3

しかし,このままでは,右辺のの係数はとなり,左辺のと合わなくなるので,つじつまをあわせるために を下のように書く.こうすれば,右辺を展開したときにの係数がとなり,左辺とあう.

STEP4

しかし,このままでは,右辺のの係数は となり,左辺のと合わなくなるので,つじつまをあわせるためにを右のように書く.こうすれば,右辺を展開したときにの係数がとなり,左辺とあう.

STEP5

最後に,右辺の定数項と左辺の定数項を合わせるため,右のようにを書く. こうすれば,右辺を展開したときの定数項がとなり,左辺とあう.

この結果から,商は ,余りはとわかる.

問題3多項式の除法~その1~

次の式の組について,左側の式を右側の式で割ったときの,商と余りを求めよ.

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  1. 計算すると(筆算形式は下図を参照)

    となるので,商は ,余りはである.

    割られる式 x^2+2x+1 を割る式 x-1 で割る筆算である。上に商 x+3 が書かれ、x^2+2x+1 から x^2-x を引いて 3x+1、さらに 3x-3 を引いて一番下に余りの 4 が導かれている。

    計算すると(筆算形式は下図を参照)

    となるので,商は ,余りはである.

    多項式 x^3+3 を x+1 で割る筆算の計算過程である。割られる式は x^2 の項の場所を空けて書かれており、上部に商の x^2-x+1、最下部に余りの 2 が示されている。

    計算すると(筆算形式は下図を参照)

    となるので,商は ,余りは である.

    x^3+x^2+4x+3をx^2-x+1で割る筆算の過程であり、上に商のx+2が、途中の引き算を経て最下行に余りの5x+1が示されている。

    計算すると(筆算形式は下図を参照)

    となるので,商は ,余りは である.

    多項式 x^4+2x^3-3x^2+5x+6 を x^2+x-1 で割る筆算の計算過程。上部に商の x^2+x-3、最下部に余りの 9x+3 が示されている。

問題4多項式の除法~その2~

  1. で割ると,商が ,余りが になる多項式を求めよ.
  2. を割ると,商が ,余りが になる多項式を求めよ.
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  1. 求める多項式をとすると,商が ,余りが であるから

  2. 多項式 2x^3-3x^2+1 を 2x+1 で割る筆算。上に商 x^2-2x+1 が書かれ、順に各項の引き算を行って最後に余り 0 が導かれている。

    求める多項式をとおくと

    であるから,求める多項式は である.

問題5例題(組立除法)

で割ったときの商と余りを組立除法で計算せよ.

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組立除法を実行すると

左上に2を置き、1行目に1, 2, 3, 1、2行目に2, 8, 22を並べている。横線の下の最下行には1, 4, 11と、枠で囲まれた23が並んでいる。

となるので,商は ,余りはとなる.

問題6例題( で展開するということ)

で割ったときの商と余りを, で展開することにより求めよ.

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まず, で展開する.

次に,この式を でくくると

最後に,中括弧の中を展開すると

となるので,結局

と変形できる.

多項式の除法の一意性 より,(の次数)の次数)を満たす関係は一通りに定まるので, 商は で,余りはとなる.

問題7多項式の除法(再)

次の式の組について,左側の式を右側の式で割ったときの,商と余りを 組立除法とで展開する方法の2通りで求めよ.

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  1. 【解1:組立除法】

    組立除法を行うと

    組立除法の計算過程で、左上に1があり、1行目に1、2、1が並ぶ。2行目には2の下に1、1の下に3が配置され、横線の下の最下行には1、3、そして囲まれた4が並んでいる。

    となるので,商は ,余りはである.

    【解2: で展開する方法】

    となるので,商は ,余りはである.

  2. 【解1:組立除法】

    組立除法を行うと

    組立除法の計算過程を表している。左側に-1、上段に1, 0, 0, 3、中段に-1, 1, -1、下段に計算結果の1, -1, 1と区切られた余り2が並んでいる。

    となるので,商は ,余りはである.

    【解2: で展開する方法】

    となるので,商は ,余りはである.

  3. 【解1:組立除法】

    組立除法を行うと

    組立除法の計算で、1行目に2と係数の1、-4、-2、5、2行目に2、-4、-12が並び、最下行に商の係数1、-2、-6と区切られた余りの-7が書かれている。

    となるので,商は ,余りはである.

    【解2: で展開する方法】

    となるので,商は ,余りはである.

  4. 【解1:組立除法】

    組立除法を行うと

    左端に3を配し、上段に1、-2、-1、6、中段に3、3、6、下段に1、1、2と、余りとして枠で囲まれた12が並ぶ、組立除法の計算が示されている。

    となるので,商は ,余りはである

    【解2: で展開する方法】

    となるので,商は ,余りはである.

問題8剰余の定理のための補題

とする.

  1. で割ったときの余りを求めよ.
  2. の値を計算せよ.
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  1. 割り算を実行すると

        組立除法を使うなら図

    となるので,余りはである.

左端の2に対し、1行目に1、0、-3、5、-8、2行目に2、4、2、14が並び、横線の下に1、2、1、7と枠囲みの余り6が書かれた、組立除法の計算過程。 上の例題では,で割ったときの余りと,の値が等しくなっているが, これは,偶然に一致したわけではなく,次の理由による.

多項式を1次式で割ったときの商を,余りをとすると,は定数であり

が成り立つ.この式に を代入すると

となり,で割ったときの余りと等しいことがわかる.

問題9剰余の定理の確認問題

次の式の組について,左側の式を右側の式で割ったときの余りだけ求めよ(商は求めなくてよい).

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  1. 剰余の定理より,
  2. 剰余の定理より,
  3. 剰余の定理より,
  4. 剰余の定理より,

問題10剰余の定理の利用

次の各問に答えよ.

  1. 多項式で割ると余り,で割ると余る. で割ったときの余りを求めよ.
  2. 多項式で割ると余り, で割ると余る. で割ったときの余りを求めよ.
  3. 多項式で割ると余り, で割ると余る. で割ったときの余りを求めよ.
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  1. 【解1:除法の式を変形して解く】

    で割ったときの商をとすると,余りがだから

           多項式の除法の一意性より

    とおける.さらに,で割ったときの商を,余りをとすると

            である

    ここで,剰余の定理より

            を使った

    となる.よって,求める余りは である.

    【解2:余りの多項式をおく】 で割ったときの,商を,余りを とすると

           多項式の除法の一意性より

    である.ここで,剰余の定理より

         を使った

        を使った

    これを解くと であるから,求める余りは である.

  2. 【解1:除法の式を変形して解く】

    で割ったときの商をとすると,余りがだから

           多項式の除法の一意性より

    とおける.さらに,で割ったときの商を,余りをとすると

            である.

    である.ここで,剰余の定理より

            を使った

    となる.よって,求める余りは である.

    【解2:余りの多項式をおく】 で割ったときの,商を,余りを とすると

           多項式の除法の一意性より

    ここで,剰余の定理より なので

        を使った

       を使った

       を使った

    これを解くと であるから,求める余りは である.

  3. 【解1:除法の式を変形して解く】

    で割ったときの商をとすると,余りがだから

           多項式の除法の一意性より

    とおける.さらに,で割ったときの商を,余りをとおくと,

            である

    ここで,剰余の定理より

            を使った

    であるから,求める余りは である.

    【解2:余りの多項式をおく(微分法を使う)】

    で割ったときの商をとすると,余りがだから

           多項式の除法の一意性より

    とおける.この式をで微分すると

           微分の計算法則の関数の積の微分法を使った

    は多項式なので,これをとおくと

    いま, でわったときの商を,余りを とおくと,

    を因数に持つ多項式

    であるから

           を使った

    さらに,剰余の定理より

    を使った

    を使った

    これを解くと であるから,求める余りは である.

問題11因数定理による因数分解-その1-

因数定理を利用して,次の式を因数分解せよ.

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などを計算してみてになるものをみつける.

  1. とおく.

    であるから,因数定理よりを因数にもつ. 先に を見つけてもよい

    よって説明文

    組立除法を使うなら図

    組立除法の計算過程であり、左上に1、1行目に1、3、0、-4が並ぶ。その下に1、4、4が書かれ、最下行には1、4、4と枠で囲まれた余りの0が示されている。
  2. とおく.

    であるから,因数定理より を因数にもつ. 先に を見つけてもよい

    よって説明文

    組立除法を使うなら図

    多項式の係数 2、-7、0、9 を -1 で割る組立除法の計算で、1行目に 2、-7、0、9、2行目に -2、9、-9、横線の下の3行目に商の係数 2、-9、9 と余り 0 が配置されている。
  3. とおく.

    であるから,因数定理よりを因数にもつ. 先に などを見つけてもよい

    よって説明文

    組立除法を使うなら図

    1による組立除法の筆算で、上段に1、マイナス6、7、6、マイナス8が並び、下段の計算結果として商の係数1、マイナス5、2、8と余りの0が示されている。

    さらに, とおくと

    であるから,因数定理より を因数にもつ. 先に などを見つけてもよい

    よって説明文

    組立除法を使うなら図

    係数1、-5、2、8に対する-1での組立除法の計算が示され、2行目に-1、6、-8、最下段に商の係数1、-6、8と枠で囲まれた余りの0が書かれています。

    より,

  4. とおく.

    であるから,因数定理よりを因数にもつ. 先に などを見つけてもよい

    よって説明文

    組立除法を使うなら図

    組立除法の計算で、左上に1、1行目に係数1、-8、-2、72、-63が並び、計算結果の最下行に商の係数1、-7、-9、63と余り0が記されている。

    さらに, とおくと

    であるから,因数定理よりを因数にもつ. 先に などを見つけてもよい.

    よって説明文

    組立除法を使うなら図

    3で割る組立除法の計算において、1行目に1、-7、-9、63、2行目に3、-12、-63が並び、最下行に商の係数1、-4、-21と、あまりの0が示されている。

    より, である.

多項式を因数定理を利用して因数分解するとき, となるを見つけることが大切である. このを見つける手段として,次の定理を知っておくとよい.

問題12因数定理による因数分解-その2-

次の多項式を因数分解せよ

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  1. とおくと となるの候補は がある

    であるから

    は判別式の値が負となるので,これ以上因数分解できない

    となる.

  2. とおくと

    となるの候補は

    がある

    であるから

    となる.また, と因数分解できるので

    となる.

問題13最大公約数と最小公倍数

次の各組の多項式の最大公約数と最小公倍数を求めよ. ただし,答えの式は展開しなくてもよい.

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  1. なので,最大公約数は

    最小公倍数は である.

  2. なので,最大公約数は , 最小公倍数は である.

  3. なので, 最大公約数は ,最小公倍数は である.

  4. なので, 最大公約数は , 最小公倍数は である.

問題14分数式の約分

次の分数式を約分せよ.

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  1. 実際に約分をすると

  2. 分子を因数分解すると

  3. 分母・分子を因数分解すると

  4. 分母・分子を因数分解すると

分数式の分母と分子に共通な因数がないとき,この分数式は既約(irreducible)であるという.

問題15分数式の乗法と除法

次の式を計算せよ.

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問題16分数式の加法と減法

次の式を計算せよ.

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問題17分数式の恒等式

次の式が恒等式となるように,定数の値を定めよ.

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  1. 両辺に, を掛けると

    となる.

    両辺に を代入すると

    両辺に を代入すると

    両辺に を代入すると

    を用いた

  2. 両辺に, を掛けると

    となる.

    両辺に を代入すると

    両辺に を代入すると

    両辺に を代入すると

覚えておきたい事項(1問)

暗記1剰余の定理の拡張

多項式を1次式 で割ったときの余りはであることを証明せよ.

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を1次式 で割ったときの商を,余りをとすると,は定数であり,次の関係式が成り立つ.

この式のを代入すると

となり,と余りが等しいことが分かる.