数学II 第8章 本文の補足 II — 一般の場合の相加平均と相乗平均の関係

一般の場合の相加平均と相乗平均の関係

一般の場合の相加平均と相乗平均の関係

ここでは、数学II「式と証明」の不等式の証明であげた相加平均と相乗平均の関係が、 すべての自然数 で成り立つことを確かめる。 本文で証明したのは、 の場合と の場合であった。

§

定理1一般の場合の相加平均と相乗平均の関係

個の 以上の数 において

が成り立つ。等号が成立するのは のときである。

証明を見る
証明

はじめに、 のどれかが のときは、(右辺)の相乗平均が となり、 (左辺)の相加平均は 以上であるから、関係式は明らかに成り立つ。 そこで以下では、 はすべて正であるとしてよい。

証明は、次の2つの手を組み合わせて行う。

  1. 手順1 個の場合が成り立つならば、 個の場合も成り立つ(個数を2倍に増やす手)
  2. 手順2 個の場合が成り立つならば、 個の場合も成り立つ(個数を1つ減らす手)

の場合は不等式の証明ですでに示してあるので、手順1 回繰り返せば の場合が証明できる。 その後、手順2を繰り返し用いれば、どの自然数 にも降りてくることができ、 すべての自然数 相加相乗平均の関係式が証明できる。

手順1(個数を2倍に増やす)

個の正の数で関係式が成り立つことを前提として、 個の正の数 でも関係式が成り立つことを示す。

前半の 個と後半の 個の相乗平均を、それぞれ

とおくと、 であり、前提より

が成り立つ。また、 をかけると

である。よって、 個の数の相加平均は

となり、 個の場合も成り立つことが示された。

の場合から出発してこの手順を 回繰り返せば、 の場合が次々に証明できる。

手順2(個数を1つ減らす)

とする。 個の正の数で関係式が成り立つこと、すなわち

を前提として、 個の正の数 でも関係式が成り立つことを示す。

個の数に、つけ加えても相加平均が変わらないような数 、つまり

となる を用いる。

つまり、 という 個の数の相加平均は、 自身に等しい。

そこで、この 個の数に前提を用いると

となる。両辺とも正であるから、両辺を 乗しても不等号の向きは変わらず

両辺を で割ると

両辺とも正なので、 乗根をとって

となり、 個の場合も成り立つことが示された。 この手順を使えば、個数を1つずつ、いくらでも降りてくることができる。

すべての自然数で成り立つこと

以上の2つの手順から、どの自然数 でも関係式が成り立つことがわかる。

実際、 である自然数 に対して、 となる自然数 を1つとると、 の場合から手順1 回繰り返して 個の場合が示され、 そこから手順2 回繰り返せば、 個の場合に降りてくることができる。 のときは、関係式は となって当然成り立つ。

最終更新: 2026-08-20

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