数学I 第2章 関数と方程式・不等式 — 2次不等式と2次関数

2次式で表された不等式「2次不等式」について学ぶ。1次不等式がそうであったように、2次不等式も2次関数や2次方程式と深い関係がある。2次不等式の場合は、むしろ、2次関数と2次方程式を用いて解くことになる。

2次不等式とは

2次不等式とは

不等式を移項して整理することにより などの形に変形できる不等式を、一般に 2次不等式 (quadratic inequality) という。

2次不等式 を満たす の値について考えてみると、 を満たすが、 を満たさない。

1次不等式の解法と同じように、2次不等式でも、不等式を満たす の値の範囲をその不等式の解といい、解を求めることを不等式を解くという。

2次不等式の解法

2次関数をもちいて2次不等式を解く

2次不等式 を解くためには、2次関数 について、 となる の値の範囲を調べればよい。

と因数分解できるので、グラフは下図のようになる。これより、 となる の範囲は である。

2次関数 y=x^2-5x+4 の下に凸な放物線がx軸と1と4で交わっている。交点の1と4は白丸で表され、1から4の間でx軸より下側の領域が着色されている。

暗記12次不等式の解法

以下の空欄に適当な数字を入れよ。

2次不等式 を解くことを考えよう。

まず を因数分解するため、2次方程式 を解こう。

これは、解の公式より となる。よって と因数分解できる。

この左辺を とおいて、 となるときの の範囲を求めればよい。

2次関数 のグラフを描けば次の図のようになるので、 の解は

y=x^2-4x+2 の放物線が下に凸に描かれ、x軸との交点のx座標は B-√C と B+√C で、白丸になっている。x軸より上で、交点より左側と右側の領域が着色されている。
解答を見る

の係数が偶数の場合の解の公式参照)

問題1判別式 の場合の2次不等式

次の2次不等式を解け。

解答を見る
xy座標平面上に、下に凸の放物線 y=x^2-2x-3 が描かれている。この放物線は x 軸と 2 点で交わっており、それぞれの x 座標として -1 と 3 が示されている。

とおくと、判別式 となるので、この放物線は 軸と2つの共有点をもつ。その共有点の 座標は より、 軸との交点の 座標は とわかる。

これより、 のグラフは上の図のようになる。

以下、このグラフをもとに2次不等式を解く。

  1. 2次関数 y=x^2-2x-3 の放物線が、x軸と x=-1, 3 の白丸で交わっている。y>0 となる x<-1 および 3<x の部分で、グラフとx軸の上側の領域がグレーに塗られている。

    上の図より、 となるのは または のときであるとわかる。

    よって、2次不等式 の解は となる。

  2. 放物線 y=x^2-2x-3 と x軸との交点は -1 と 3 であり、xが -1 以下および 3 以上の範囲で、放物線の x軸より上側の領域が着色されている。

    上の図より、 となるのは または のときとわかる。

    よって、2次不等式 の解は となる。

  3. 放物線 y=x^2-2x-3 と x軸との交点は -1 と 3 で、白丸で表されています。x軸より下側の放物線とx軸で囲まれた、xが -1 と 3 の間の領域が塗りつぶされています。

    上の図より、 となるのは のときとわかる。

    よって、2次不等式 の解は となる。

  4. 座標平面上に2次関数 y=x^2-2x-3 の放物線があり、x軸との交点 -1 と 3 に黒丸が付いている。これらを含み、x軸より下側にある放物線の内側の部分が塗られている。

    上の図より、 となるのは のときとわかる。

    よって、2次不等式 の解は となる。

問題2判別式 の場合の2次不等式

次の2次不等式を解け。

解答を見る
xy平面上に、下に凸の放物線 y=4x^2-4x+1 が描かれている。この放物線はx軸と x=1/2 の点で接しており、その接点に黒丸が付いている。

とおくと、判別式 となるので、この放物線は 軸と接する。

さらに、2次方程式 を解くと となるので、 軸との共有点(接点)の 座標は とわかる。

これより、 のグラフは上の図のようになる。

以下、このグラフをもとに2次不等式を解く。

  1. 座標平面上に、x軸と点 1/2 で接する下に凸の放物線 y=4x^2-4x+1 が描かれている。接点は白丸で除外され、放物線の x軸より上側にある部分が網掛けされている。

    上の図より、 となるのは または のときとわかる。

    よって、2次不等式 の解は となる。

  2. 2次関数 y=4x^2-4x+1 の放物線が、x軸上の x=1/2 で接している。x軸より上の領域が灰色に着色されており、放物線全体がその領域に入っている。

    上の図より、すべての実数 となるのがわかる。

    よって、2次不等式 の解はすべての実数となる。

  3. 座標平面上に2次関数 y=4x^2-4x+1 の下に凸の放物線が描かれている。この放物線は、x軸上の点 x=1/2 でx軸に接している。

    上の図より、 となる は存在しないのがわかる。

    よって、2次不等式 の解は存在しない

  4. 次の図より、 となるのは のときのみとわかる。

    x軸とy軸がある座標平面上に、下に凸の放物線 y=4x^2-4x+1 がある。放物線の頂点はx軸上の点 1/2 にあり、グラフはx軸とこの点でのみ接している。

    よって、2次不等式 の解は となる。

問題3判別式 の場合の2次不等式

次の2次不等式を解け。

解答を見る
x軸、y軸、原点Oがある座標平面上に、下に凸の放物線y=x^2-4x+5が描かれている。放物線は全体がx軸の上側にあり、x軸と交点をもたない。

とおくと、判別式 となり、この放物線は 軸と交点をもたないので、 のグラフは上の図のようになる。

以下、このグラフをもとに2次不等式を解く。

  1. x軸の上方に、x軸と共有点をもたない下に凸の放物線 y=x^2-4x+5 が描かれている。放物線とx軸ではさまれた部分が灰色に塗られていて、グラフ全体がx軸より上にあること(yの値がどのxに対してもつねに正であること)を表している。

    上の図より、すべての実数 となるのがわかる。

    よって、2次不等式 の解はすべての実数となる。

  2. x軸の上方に、x軸と共有点をもたない下に凸の放物線 y=x^2-4x+5 が描かれている。放物線とx軸ではさまれた部分が灰色に塗られていて、グラフ全体がx軸より上にあること(yの値がどのxに対してもつねに正であること)を表している。

    上の図より、すべての実数 となるのがわかる。

    よって、2次不等式 の解はすべての実数となる。

  3. x軸とy軸、原点Oがある座標平面上に、下に凸の放物線 y=x^2-4x+5 が描かれている。放物線は頂点も含めてすべてx軸より上側に位置している。

    上の図より、 となる は存在しないのがわかる

    よって、2次不等式 の解は存在しない

  4. 座標平面上に、下に凸の放物線 y=x^2-4x+5 が描かれている。この放物線は常にx軸の上側に位置しており、x軸と共有点をもたない。

    上の図より、 となる は存在しないのがわかる。

    よって、2次不等式 の解は存在しない

§

定理12次不等式の解

の場合の、2次不等式の解はつぎのようにまとめることができる。 の場合は、両辺に を掛けて不等号の向きを変え、 の係数が正になるようにしてから、下の表を使えばよい。

判別式 D の符号ごとに、a>0 の2次関数 y=ax^2+bx+c のグラフと2次不等式の解をまとめた表。D>0 では ax^2+bx+c=0 が2解 α、β(α<β)をもち放物線は x 軸と2点で交わり、ax^2+bx+c>0 の解は x<α, β<x、≧0 の解は x≦α, β≦x、<0 の解は α<x<β、≦0 の解は α≦x≦β となる。D=0 では重解 α をもち放物線は x 軸に接し、>0 の解は α 以外の実数、≧0 の解はすべての実数、<0 の解はなし、≦0 の解は x=α となる。D<0 では実数解がなく放物線は x 軸と共有点をもたず、>0 と ≧0 の解はすべての実数、<0 と ≦0 の解はなしとなる。

問題42次不等式の練習

次の2次不等式を解け。

解答を見る
  1. x軸と点-2、3で交わる下に凸の放物線 y=(x-3)(x+2) が描かれており、x軸より下側の放物線とx軸で囲まれた領域が塗りつぶされている。

    のグラフを描けば上の図のようになるので、 が解となる。

  2. x軸とx=2, 4で交わる下に凸の放物線 y=(x-2)(x-4) が描かれ、x軸より下側の部分が塗られている。交点の2と4の位置は白丸で表されている。

    は整数の範囲で因数分解でき

    のグラフを描けば上の図のようになるので、 が解となる。

  3. x軸と、その上方にある下に凸の放物線 y=2x^2+x+6 が描かれている。放物線とx軸は交わっておらず、放物線全体がx軸より上側にある。

    式全体に を掛けて

    は判別式 であるので、グラフは上の図のようになる。つまり、この不等式を満たす実数は存在しないので、解はない

  4. 下に凸の放物線 y=x^2-3x-2 とx軸の交点のx座標は (3-√17)/2 と (3+√17)/2 である。放物線がx軸より上側にある、交点の両外側の領域が塗られている。

    移項して整理すると は簡単には因数分解できないので、

    2次方程式 の解

    を利用して が解となる。

  5. x軸の上に、下に凸となる2次関数 y=x^2+2x+6 の放物線があり、x軸とは交わっていない。放物線の下側の領域全体がグレーで塗りつぶされている。

    移項して整理すると

    の判別式 について であるので、グラフは上の図のようになる。つまり、この不等式は常に正しいので、解はすべての実数

  6. x軸と点-4で接する、下に凸の放物線y=(x+4)^2がある。頂点の点-4においてx軸と接しており、それ以外の部分はすべてx軸の上側に位置している。

    両辺を6倍して整理すると のグラフを描くと上の図のようになる。よって、この不等式の解は

問題5連立2次不等式

次の不等式を解け。

  1. 上の式を 、下の式を とする。
  2. 上の式を 、下の式を とする。
解答を見る
    • x軸とx=-2、7で交わる下に凸の放物線 y=x^2-5x-14 が描かれている。xが-2以下および7以上の範囲で、x軸の上側の領域が着色されている。

      まず、 を解くと 最後の式を とする。

    • y=2x^2-11x-40のグラフとx軸が、x座標が-5/2と8の点で交わっており、交点は白丸で示されている。x軸より下側にある放物線の内側の部分が塗られている。

      次に、 を解くと 最後の式を とする。

    以上 を共通して満たす

    数直線上に①'の表すx≦-2および7≦xの範囲と、②'の表す-5/2<x<8の範囲が示され、共通部分である-5/2<x≦-2と7≦x<8の領域に斜線が引かれている。
    • x軸と交わる下に凸の放物線 y=9x^2-25 があり、交点のx座標は -5/3 と 5/3 で白丸となっている。この2つの交点の間で、放物線のx軸より下の領域が塗られている。

      まず、 を解くと

      最後の式を とする。

    • 下に凸の放物線 y=3x^2+4x-6 と x 軸との交点が白丸で示され、x 座標はそれぞれ (-2-√22)/3 と (-2+√22)/3 である。放物線の x 軸より下側の部分がグレーで塗られている。

      次に、 を解くのだが、これは簡単には因数分解できないので、2次方程式 の解

      を利用して

      最後の式を とする。

    以上 を共通して満たす

    数直線上に(3)'の範囲 -5/3<x<5/3 と、(4)'の範囲 (-2-√22)/3<x<(-2+√22)/3 が示され、共通部分である -5/3<x<(-2+√22)/3 に斜線が引かれている。

    なので

    なので

問題6範囲に注意すべき2次関数の最大・最小

のとき、 の最大値・最小値、そのときの を求めよ。

解答を見る

まず、 を変形して

に代入し、平方完成すると

一方、 において、 なので

である。つまり

x軸とL軸の座標平面に、上に凸の放物線 L=f(x)=-(x-1/2)^2+1/4 が描かれている。-1≦x≦1 の範囲が実線で描かれ、両端の点(-1, -2)と点(1, 0)は黒丸で示されている。

において、 の最大値・最小値を求めればよい。そこで、 のグラフを描けば、上の図のようになる。

図から、最大値は であり、 に代入して となる。

また、最小値は であり、 に代入して となる。まとめると

  • のとき最大値
  • のとき最小値

絶対値を含む関数・方程式

「絶対値」で学んだことを使って、絶対値を含む2次関数や2次方程式・不等式にして考えていこう。

問題7絶対値を含む2次関数

次の式で与えられた関数のグラフを描け。

解答を見る
    1. のとき、 なので
    2. 、つまり のとき、 であるので
    y=2x-|x^2-4| のグラフが実線で描かれている。点(-2, -4)と点(2, 4)で折れ曲がり、点(-1, -5)を頂点とする曲線などを含み、延長上の放物線が破線で併記されている。

    i,ii で求めた放物線は、それぞれの場合分けの範囲にある部分だけを描く。とくに、i の放物線の頂点 で i の範囲の外にあるので、グラフには現れない。

    以上i,iiより、グラフは上の図のようになる。

    1. 、つまり のとき、 なので
    2. 、つまり のとき、 なので
    x軸との交点 2-√10 と 2+√10 の間で上に折り返された関数 y=|x^2-4x-6| のグラフが実線で描かれている。頂点 (2, -10) をもつx軸より下の元の放物線は点線で描かれている。

    以上i,iiより、グラフは上の図のようになる。

この問の2のグラフは、 のグラフのうち 軸より下にある部分を上側へ折り返したものになっている。一般に、 のグラフは、 のグラフを描いておき、 軸より下にある部分を上に折り返すと素早く描くことができる。

問題8絶対値を含む2次方程式

次の方程式を解け。

解答を見る
    1. 、つまり

    放物線 y=(x+2)(x-4) と x軸が交わる点 -2, 4 に黒丸があり、xが -2 以下および 4 以上の範囲で、x軸の上側の領域が着色されている。

    のとき、与えられた方程式は の範囲で考えているので、 2. 、つまり

    のとき、与えられた方程式は

    の範囲で考えているので、

    以上 i,ii より、求める解は

    1. 、つまり

    放物線 y=(x-1)(x-3) と x軸の交点である x=1 と 3 に黒丸が付いている。xが1以下、および3以上の範囲で、放物線の外側の領域がグレーで塗られている。

    のとき、与えられた方程式は

    の範囲で考えているので、 2. 、つまり

    のとき、与えられた方程式は

    の範囲で考えているので、

    以上 i,ii より、求める解は

問題9絶対値を含む2次不等式

次の不等式を解け。

解答を見る
    1. 、つまり

    下に凸の放物線 y=(x+3)(x-3) と x 軸の交点 -3, 3 に黒丸が付いている。x 軸より上側で x ≦ -3 と x ≧ 3 の領域が灰色で塗られている。

    のとき、与えられた不等式は

    下に凸の放物線 y=(2x+1)(2x-9) が x軸と交わっており、交点 x=-1/2 と 9/2 は白丸になっている。この2つの交点の間の x軸より下側にある、放物線と x軸で囲まれた部分が塗られている。

    数直線上に、x≦-3および3≦xを表す範囲と、-1/2<x<9/2を表す範囲が重ねて描かれており、共通部分となる3≦x<9/2の範囲に斜線が引かれている。

    これと を合わせて、 2. 、つまり

    のとき、与えられた不等式は

    これと、 を合わせて、

    以上 i,ii より求める解は

    1. 、つまり

    のとき、与えられた不等式は

    x軸と点-1および11で交わる下に凸の放物線y=(x+1)(x-11)があり、x軸より上でx<-1と11<xの範囲のグラフの上側の部分がグレーに着色されている。交点は白丸となっている。

    これと、 を合わせて、 2. 、つまり

    のとき、与えられた不等式は

    x軸とx=1、5で交わる下に凸の放物線y=(x-1)(x-5)がある。交点の1と5は白丸で、x軸より下側にある放物線とx軸で囲まれた領域が色塗られている。

    これと、 を合わせて、

    以上 i,ii より求める解は

問題10絶対値記号を複数含む式

以下の問いに答えよ。

  1. 関数 のグラフを書け。
  2. 方程式 を解け。
  3. 不等式 を解け。
解答を見る
  1. まず、場合分けについて考える。

    • を解くと、
    • を解くと、

    よって、次の表のようになる。

    1. のとき
    2. のとき
    3. のとき
    関数 y=|2x-4|+|x-5| のグラフで、y軸上の点(0, 9)から点(2, 3)へ下がり、点(5, 6)へ上がり、そこからさらに右上がりに伸びる折れ線が描かれている。

    以上 i,ii,iii より、グラフは上の図のようになる。

  2. まず、場合分けについて考える。

    • を解くと、
    • を解くと、

    よって、次の表のようになる。

    1. のとき これは に適する。
    2. のとき がいくつでも、この等式を満たすことはありえない。よって、この場合には解は無い。
    3. のとき これは に適する。

    以上 i,ii,iii より、求める解は である。

  3. まず、場合分けについて考える。

    下に凸の放物線 y=x^2-4x+3 とx軸がx=1, 3で交わり、交点に黒丸が打たれている。xが1以下および3以上の範囲で、x軸より上側の領域が灰色で塗られている。
    • を解くと、
    • を解くと、

    よって、次の表のようになる。

    1. のとき

      x軸と x=1, 5 の2点で交わる下に凸の放物線 y=(x-1)(x-5) が描かれている。2交点の間のx軸より下側の部分が灰色に塗りつぶされている。

      これと、 を合わせて、この場合は解が無い。

    2. のとき

      x軸と点(1,0)で接する下に凸の放物線 y=(x-1)^2 が描かれている。接点(1,0)は白丸で示され、放物線の外側にあたる左右の領域がグレーに塗られている。

      これと、 を合わせて、

    3. のとき

      x軸の上方に、x軸と共有点をもたない下に凸の放物線 y=x^2-4x+5 が描かれている。放物線とx軸ではさまれた部分が灰色に塗られていて、グラフ全体がx軸より上にあること(yの値がどのxに対してもつねに正であること)を表している。

      の判別式を すると、 であり、グラフを考えると、解はすべての実数。

      これと、 を合わせて、

    4. のとき

      これと、 を合わせて、

    以上 i,ii,iii,iv より、求める解は

最終更新: 2026-08-13

この節についてAIに質問する

この節に書かれている内容だけを根拠に答えます。個人情報は書かないでください。