数学II 第4章 指数と指数関数 — 指数関数

かつ の条件で考えることにより、性質の整った扱いやすい関数になる。ここではこの関数(指数関数)の法則について理解していく。

のグラフ

指数が自然数の場合

ここでは,を定数とし, で表される関数について考えていく. 以下では,例として の場合,つまり のグラフについてみていく.

指数の拡張でみてきたように,指数が自然数の場合, 整数の場合,有理数の場合と段階を追って確認していくことにする.

まず,が自然数の場合には,関数 の値は表のようにまとめることができる.

これらの値の組を座標とする点を,座標平面上にとっていくと,図のようになる. ただし, のときはの値が大きいので,グラフには入りきっていない.

x軸とy軸、原点Oがある座標平面上に、(1, 2)、(2, 4)、(3, 8)の3つの点が打たれている。背景には方眼の点線が引かれている。

指数が整数の場合

が整数の場合には,関数 の値は表のようにまとめることができる.

これらの値の組を座標とする点を,座標平面上にとっていくと,図のようになる. なお,などのときには

として計算している.

座標平面上に、xが整数のときのy=2^xの値を表す点が並んでいる。(0, 1)や(1, 2)、(2, 4)、(3, 8)、(-1, 1/2)などが黒丸で示されている。

指数が有理数の場合

が有理数の場合には,が整数の場合に加えて,さらに などの場合も含まれる.

がこれらの値となるときのの値は

などと計算できるので,表のようにまとめることができる.

これらの値の組を座標とする点を,座標平面上にとっていくと,図のようになる.

座標平面上の点線の方眼に、xの値が増加するにつれてyの値が次第に急激に大きくなる位置へ、曲線を描くように複数の黒い点が打たれている。

指数関数の性質

単調増加関数と単調減少関数

いままでみてきた結果から, のグラフは右に進むにつれ,上にあがっていく形になることが予想されるが, それを厳密に示すためにはどうすればよいだろうか.

の値が増えるにつれ,の値も増えることを示したいのだから,さまざまな(任意の)値に対して

が証明できればよい.次の例題でそのことを確認してみよう.

問題1指数関数の単調性

関数 について,次のことを証明せよ.ただし,は任意の有理数とする.

解答を見る
  1. の証明(背理法)

    有理数 は自然数) とおける.

    いま

    と仮定すると

    となるが,は自然数であるから

    であることに矛盾する.よって,が有理数であるとき, がいえる.

    の証明(背理法)

    有理数 は整数,は自然数)とおける. いま, ,すなわち

    と仮定すると

    となるが, でありは正でない整数であるから

    であることに矛盾する.よって,が有理数であるとき, がいえる.

以上を参考に, のグラフを描くと,次の図のような曲線を描くことがわかる. この のように,の値が増加すると常にの値も増加するような関数を単調増加関数という. このことを次にまとめておこう.

座標平面上に y=2^x のグラフが描かれている。x軸の負の方向から右へ進むにつれて急激に増加する右上がりの曲線で、曲線上にいくつかの点が打たれている。
§

定義1単調増加関数と単調減少関数の定義

関数の定義域内の任意の実数について

  1. が成り立つとき,関数単調増加関数(monotone increasing function)という.

  2. が成り立つとき,関数単調減少関数(monotone decreasing function)という.

    ある関数が単調増加関数であるか単調減少関数である場合に,その関数を単に単調(monotone)な関数という.

次に,関数 のグラフを考えてみよう.

関数 を代入すると

と計算できるが,これは関数 を代入したときの値と等しい. これより, のグラフは,図のように のグラフと軸に関して対称となるのがわかる. 関数 は単調減少関数になっている.

関数 の値に応じて,次のように変化する.

座標平面上に、y=2^x や y=(1/2)^x などの指数関数のグラフが描かれている。すべてのグラフはy軸上の点(0, 1)で交わり、底が1より大きいものは右上がり、1より小さいものは右下がりの曲線になっている。
座標平面上に、実線のy=(1/2)^xと破線のy=2^xのグラフがy軸に関して対称に描かれている。x=-x_1とx=x_1でのyの値がともに2^(x_1)で等しいことが点線で示されている。

指数関数の定義

乗根の表し方でもみたように, 負の数乗根は存在する場合と存在しない場合があり,それはが実数のときでも同様である. 簡単のため,以下では の場合についてだけ考えるものとする.

また, のときはは常にとなり,それ以外の場合と大きく挙動が異なるので, のときは(関数としては考えることができるが)指数関数というくくりには入れないことにする.

§

定義2指数関数の定義

とするとき,実数に対して

で表される関数を,底てい(base)とする指数関数(exponential function)という.

指数関数の性質について

のグラフから学んできたことは,次のようにまとめることができる. 指数関数 のグラフを見ながら1つ1つ確認しよう.

§

定理3指数関数の性質

指数関数 について,次のようにまとめることができる.

a>1のときは右上がりの曲線y=a^xでx1<x2のときa^x1<a^x2となり、0<a<1のときは右下がりの曲線y=a^xでx1<x2のときa^x1>a^x2となることが示されている。
  1. 定義域は実数全体,値域は正の実数全体である.

  2. グラフは定点を通り,軸が漸近線となる.

  3. 単調な関数であるから,の値との値は1対1に定まる,すなわち

    が成り立つ.

  4. 関数の増加と減少について

    1. のとき

    2. のとき

問題2指数の大小関係(底が等しい場合)

次の値を小さいものから順に並べよ.

解答を見る
  1. それぞれの値は

指数関数の性質4.より

座標平面に指数関数 y=2^x の右上がりの曲線が描かれている。x軸上の -1/3、2/3、3/2 から破線が伸び、y軸側に 2の-1/3乗、2の2/3乗、2の3/2乗の値が下からこの順に並ぶことを示している。

底をでそろえてそれぞれの値を比較できるようにした

は増加関数で, だから

  1. それぞれの値は

指数関数の性質4.より

座標平面に指数関数 y=2^x の右上がりの曲線が描かれている。x軸上の -3、-1/2、3/10、3/2 から破線が伸び、y軸側に 2の-3乗、2の-1/2乗、2の3/10乗、2の3/2乗が下からこの順に並ぶことを示している。

底をでそろえてそれぞれの値を比較できるようにした

と計算でき, は増加関数で, だから

問題3指数を含む1次方程式・1次不等式

次の方程式,または不等式を解け.

解答を見る

【別解:底をでそろえる場合】

【別解:底をでそろえる場合】

問題4指数を含む2次方程式・2次不等式

次の方程式,または不等式を解け.

解答を見る
  1. 式を変形すると

ここで, とおくと

いま, のとり得る値の範囲は なので, は不適であり,を満たすは, のみ.

よって

  1. 式を変形すると

ここで, とおくと

いま, のとり得る値の範囲は なので, は不適であり,を満たす は, のみ.

よって

  1. 式を変形すると

ここで, とおくと

いま, のとり得る値の範囲は なので, これとをあわせて,

よって

  1. 式を変形すると

ここで, とおくと

いま, のとり得る値の範囲は なので, これとをあわせて,

よって

指数関数の性質4.なお, はつねに なので, となることはない

問題5指数を含む2次関数

次の関数の最大値,最小値を求めよ.

解答を見る
  1. とおくと, より

また

より

の範囲では,このグラフは図のようになるので

横軸t、縦軸yの座標平面に、下に凸の放物線 y=4t^2-4t+2 が描かれ、頂点(1/2, 1)からt=4までが実線、その外側は破線になっている。頂点とt=4の点に黒丸が付き、縦軸の1と50へ破線が引かれて、最小値1と最大値50を示している。

のとき,最大値

のとき,最小値

  1. とおくと, より

また

より

の範囲では,このグラフは図のようになるので

横軸t、縦軸yの座標平面に、上に凸の放物線 y=-t^2+2t+1 が描かれ、t=0からt=4までが実線、その外側は破線になっている。頂点(1, 2)とt=4の点に黒丸が付き、縦軸の2と-7へ破線が引かれて、最大値2と最小値-7を示している。

のとき,最大値

のとき,最小値

最終更新: 2026-08-13

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