数学II 第2章 図形と方程式 — 直線の方程式
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この節では、平面上の直線が、座標平面上ではどう表現されるか考えていく。
直線の方程式について
通る1点と傾きが与えられた直線の方程式
A( − 3, 1)を通り、傾き2の直線をl とする。
lの方程式を
y=2x+n ①
とすると、これはAを通るので
1=2・(-3)+n②
①-②からn を消去すると、lの方程式は
y-1=2(x+3)
である。
一般に次のようになる。
§
定理1通る1点と傾きが与えられた直線の方程式
点(x1, y1)を通り、傾きmの直線の方程式は
y-y1=m(x-x1)
である。
問題1直線の方程式-その1-
次の直線の方程式を求めよ。
- (3, 1)を通り、傾きが − 3
- ( − 3, − 1)を通り、傾きが-1/2
解答を見る
- y-1=-3(x-3)
⇔ y=-3x+10
- y-(-1)=-1/2{x-(-3)}
⇔ y=-(1/2)x-5/2
通る2点が与えられた直線の方程式
A( − 3, 1),B(2, − 4)を通る直線をl とする。
直線ABの傾きは (-4-1)/(2-(-3)) = − 1であり、 点 ( − 3, 1)を通るから、lの方程式は通る1点と傾きが与えられた直線の方程式 より
y − 1 = − (x − ( − 3))
である。
§
定理2通る2点が与えられた直線の方程式
異なる2点(x1, y1),(x2,y2)を通る直線の方程式は
y-y1=(y2-y1)/(x2-x1)(x-x1)
である。ただし、 x1≠ x2とする。
x1 = x2のとき、直線の方程式は x = x1となる。
問題2直線の方程式-その2-
次の2点を通る直線の方程式を求めよ。
- (1, 2), (3, 4)
- (2, 1), ( − 1, − 3)
- (5, 3), ( − 4, 3)
解答を見る
- y-2=(4-2)/(3-1)(x-1) ⇔ y=x+1
- y-1=(-3-1)/(-1-2)(x-2)
⇔ y=43x-53
- y-3=0 ⇔ y=3
直線の方程式の標準形
座標平面上の直線について、次のことがいえる。
1)直線がy軸に平行でないとき 傾きをm, y 切片をn とすると、直線の方程式は
y=mx+n ⇔ mx-y+n=0
2)直線がy 軸に平行なときx 軸との交点の座標を(p, 0)とすると、直線の方程式は
x=p ⇔ x-p=0
以上1)、2)のいずれの場合でも、直線の方程式はxとyの1次式となっている。 つまり、座標平面上のあらゆる直線は
ax+by+c=0 (a≠ 0または b≠ 0)
である。
直線の集まりとして式をみる方法
方程式 y = kx + 1のグラフは、実数k の値によって異なるが、 図のように、必ずy切片が1、つまり(0, 1)を通る直線となる。
逆に、(0, 1)を通る直線は、y軸に平行な直線以外は、 y = kx + 1という形の方程式で表される。
直線の方程式を見て、それがどのような直線の集まりを表すか見抜けるよう、 次の例題で練習してみよう。
問題3直線の集まりとして式をみる-その1-
- 直線 y = 2x + k(k はすべての実数)はどのような直線の集まりか。
- 直線 y = kx – 3(k はすべての実数)はどのような直線の集まりか。
- 直線 y − 3 = k(x + 2)(k はすべての実数)はどのような直線の集まりか。
解答を見る
傾きが2である直線の集まり
になる.
(0, − 3)を通りy軸に平行でない直線の集まり
になる.
( − 2, 3)通りy軸に平行でない直線の集まり
になる
問題4直線の集まりとして式をみる-その2-
kを実数とする。直線 l :kx + x + y + 3k = 0について、以下の問いに答えよ。
- kの値に関わらずlが通る点Aの座標を求めよ。
- kが任意の値を取るとき、直線l はどのような直線の集まりになるか。
解答を見る
k についての降べきの順にまとめると
kx+x+y+3k=0
⇔ k(x+3)+x+y=0
k の値に関わらずこの等式が成り立つには、 (x, y)が連立方程式
x+3=0 x+y=0 を満たせばよい。これを解いて、 (x, y) = ( − 3, 3) であるので、
A( − 3, 3)
また、l の方程式は (k+1)x+y+3k=0と変形でき、y の係数は0でないので、l がy 軸に平行になることはない。 さらにl の傾きは -(k+1)であり、k が実数全体を動くとき -(k+1)も実数全体を動くので、l は
A( − 3, 3)を通りy 軸に平行でない直線の集まり
になる。
直線の平行と垂直
直線の平行と垂直について
中学で学んだように、2本の直線が平行であるとは傾きが一致することであった。
では、2本の直線 y = m1x + n1,y = m2x + n2が直交するときはどうだろうか。 このとき、図のように、直線を平行移動しても交点の作る角は変わらないので、 原点を通る2直線 y = m1x,y = m2xが直交していることが分かる。
図のように、x座標が1の点を、それぞれの直線上にとる。 このとき、 ∠AOH=90°-∠BOH=∠OBHであるので、 2つの直角三角形△AOHと△OBHは相似である。よって
AH :HO=OH:HB ⇔ m1 : 1 = 1:(-m2) ⇔ m1 m2 =- 1
が成り立つ。これは、逆も成立する。

§
定理3直線の平行と垂直
2直線 y = m1x + n1 ,y = m2x + n2
(m1≠0, m2≠0)について
「互いに平行」 ⇔ m1=m2
「互いに直交」 ⇔ m1m2=-1
である。
問題5与えられた点を通り与えられた直線に直交する直線の方程式
- ( − 1, 2)を通り直線 y = 3に直交する直線を図示し、方程式を求めよ。
- (3, 2)を通り直線 y = 3x – 4に直交する直線の方程式を求めよ。
- (1, − 2)を通り直線 x − 2y + 3 = 0に直交する直線の方程式を求めよ。
解答を見る
図のようになるので、求める方程式は
x=-1
傾き3の直線に直交するのは傾き-1/3の直線なので
y-2=-1/3(x-3)
直線 x − 2y + 3 = 0は y=1/2 x +3/2と変形でき、傾きは1/2。 これと直交する直線の傾きは− 2なので
y-(-2)=-2(x-1) ⇔ y=-2x
直線に対して対称な点
直線に対して対称な点について
与えられた直線l に対し、点Aと対称な点をPとすると、 以下のことが成り立つ。
- 直線APは直線lと垂直である。
- 線分APの中点は直線l 上にある。
暗記1直線に対して対称な点
- 直線 l :x − 2y + 3 = 0に対し、 A(1, − 2)と対称な点Pを求めよ。
- 直線 m :x = − 2に対し、 A(1, − 2)と対称な点Qを求めよ。
解答を見る
右欄外のような図を描き、P(s, t)とおく。線分APの中点((s+1)/2,(t-2)/2)は
直線l上にあるので
(s+1)/2 - 2・(t-2)/2 +3=0 ⇔ (s+1)-2(t-2)+6=0 ⇔ s=2t-11
①
lの方程式は y=1/2 x +3/2と変形できるので、 l の傾きは1/2である。 直線APの傾きは(t-(-2))/(s-1)であり、l とAPは直交するので
12 ・ (t-(-2))/(s-1)=-1 ⇔ t+2=-2(s-1) ⇔ t=-2s
②
①に②を代入して s=2(-2s)-11 ⇔ s=-11/5 これを②に代入して t=22/5、よって P (-11/5, 22/5)
図を描いて、AとQはy 座標が等しいと分かる。Aと直線mの距離は3であるから、線分AQの長さは6であるので、
Q( − 5, − 2)
である。
△Q(s, − 2)とおき、線分AQの中点の x座標(s+1)/2は、中点が直線m 上にあることから− 2なので
(s+1)/2=-2 ⇔ s=-5
と求めてもよい。
点と直線の距離
点と直線の距離について
直線lの方程式を ax + by + c = 0、その直線上にない1点Aを(x1, y1)とする。
a≠ 0かつ b≠ 0のとき、直線l の傾きは-a/bであるので、 Aを通りl に垂直な直線の方程式は
y-y1=b/a (x-x1) ⇔ -bx +ay+(bx1-ay1)=0
①
と書ける。l の方程式と①の交点Hの座標は、連立方程式
ax+by+c=0 -bx +ay+(bx1-ay1)=0
を解けばよい。これを解いて
H((-ac+b²x1-aby1)/(a²+b²), (-bc-abx1+a²y1)/(a²+b²))
よってA, Hの距離hについて
h² =(x1-(-ac+b²x1-aby1)/(a²+b²))² + (y1-(-bc-abx1+a²y1)/(a²+b²))² =1/(a² +b²)² {(a² x1 + b² x1 . +ac - b²x1 +aby1)² .+(a² y1 +b² y1 +bc +abx1 -a²y1)²} =1/(a² +b²)²{a²(ax1 +c +by1)² . . + b²(by1 +c +ax1)²} =1/(a² +b²)²(a² + b²)(ax1 +c +by1)² =(ax1 +by1+c)²/(a² +b²)
よって h=vmatrixax1 +by1 +cvmatrix√(a² +b²)を得る。 これは、 a = 0のときも b = 0のときも成立する.
§
定理4点と直線の距離
直線 ax + by + c = 0と点(x1, y1)の距離h は
h=vmatrixax1 +by1 +cvmatrix√(a² +b²)
で求められる。
問題6点と直線の距離-その1-
それぞれ与えられた直線l と一点Aについて、直線l と点Aの距離を求めよ。
- l :2x − y + 4 = 0, A(2, − 1)
- l :3x − 4y − 2 = 0, A(0, 0)
- l :3x − 4y − 2 = 0, A( − 4, − 4)
- l : − 3x + 2y + 1 = 0, A(2, 2)
解答を見る
- vmatrix2・ 2 - (-1) +4vmatrix√(2² + (-1)²)=vmatrix9vmatrix√5 =9√5/5
- vmatrix3・ 0 - 4 ・ 0 -2vmatrix√(3² + (-4)²)=vmatrix-2vmatrix√25 =25
- vmatrix3・ (-4) - 4 ・ (-4) -2vmatrix√(3² + (-4)²)=vmatrix2vmatrix√25 =25
- vmatrix-3・ 2 + 2 ・ 2 +1vmatrix√((-3)² + 2²)=vmatrix-1vmatrix√13 =√13/13
問題7点と直線の距離-その2-
- 直線 l :3x − 4y − k = 0とA(2, 1)の距離が3であるとき、kの値を求めよ。
- 直線 l :2kx + y − 2 = 0とA(2, 1)の距離が1であるとき、kの値を求めよ。
解答を見る
- 直線l とAの距離はvmatrix3・ 2 -4 ・ 1 -kvmatrix√(3²+4²)であるので
vmatrix3・ 2 -4 ・ 1 -kvmatrix√(3²+4²)=3 ⇔ vmatrix2-kvmatrix5=3 ⇔ vmatrix2-kvmatrix=15
2-k=± 15を解いて、 k=17,-13を得る.
直線l とAの距離はvmatrix(2k)・ 2 + 1 -2vmatrix√((2k)²+1²)であるので
vmatrix(2k)・ 2 + 1 -2vmatrix√((2k)²+1²)=1 ⇔ vmatrix4k-1vmatrix√(4k² +1)=1 ⇔ vmatrix4k-1vmatrix=√(4k²+1)
両辺とも正なので、両辺2乗して
⇔ (4k-1)²=4k² +1 ⇔ 12k² -8k=0 ∴k=0, 23
問題8三角形の面積-その1-
原点をOとし、A(a1, a2)、B(b1, b2)とする。ただし、 a1≠ b1とする。
- 原点から直線ABへ引いた垂線の長さhを求めよ。
- 線分ABの長さを求め、△OABの面積を求めよ。
解答を見る
原点Oと直線ABの間の距離がhと一致する。
直線ABは、Aを通り傾き(b2-a2)/(b1-a1)の直線であるので、その方程式は
y-a2 =(b2-a2)/(b1-a1)(x-a1) ⇔ (b1-a1)y - (b1 -a1)a2 =(b2-a2)x - (b2 -a2)a1 ⇔ -(b2 -a2)x +(b1-a1)y -a2b1 + a1b2=0
と表される。よって、求める垂線の長さhは次のようになる。
h=1/√({-(b2 -a2)}²+(b1-a1)²) × |-(b2 -a2) × 0 +(b1-a1)× 0 . . -a2b1 + a1b2|
=vmatrixa1b2 -a2b1vmatrix√((b1-a1)²+ (b2 -a2)²)
AB=√((b1-a1)²+ (b2 -a2)²)
、 △OAB=12 ・ AB ・ hより
△OAB =(1/2)√((b1-a1)²+ (b2 -a2)²) ・vmatrixa1b2 -a2b1vmatrix√((b1-a1)²+ (b2 -a2)²) =12vmatrixa1b2 -a2b1vmatrix
上の結果は、 a1 = b1のときにも成り立ち、次のようにまとめられる.
§
定理5三角形の面積-点と直線の距離-
3点O(0, 0), A(a1, a2), B(b1, b2)を頂点とする△OABの面積S は
S=12vmatrixa1b2 -a2b1vmatrix
である。
問題9三角形の面積-その2-
- O(0, 0), A(2, 1), B( − 3, 2)のとき、△OABの面積を求めよ。
- M(1, 2), A(3, 4), B(4, − 3)とする。 Mが原点Oと一致するよう△MABを平行移動したとき、 A, Bの座標はA', B'に移動したとする。 A', B'の座標を求め、△OA'B'の面積を求めよ。 また、△MABの面積はいくらか。
解答を見る
△OAB=1/2vmatrix2 ・ 2 -1・ (-3)vmatrix
=1/2vmatrix7vmatrix=7/2
x 軸方向に− 1, y 軸方向に − 2平行移動するので
A(3, 4) → A'(2, 2)
B(4,-3) → B'(3,-5)
よって、
△OA'B'=1/2vmatrix2・(-5) - 2・ 3vmatrix
=1/2 vmatrix-16vmatrix=8
また、 △MABを平行移動して△OA'B'になったので、 △MAB=△OA'B'=8。
最終更新: 2026-08-20
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