数学II 第2章 図形と方程式 — 円の方程式

円の方程式について

円の方程式~平方完成形~

円は,中心と半径を決めればただ1つに定まる.

そこで,座標平面上の点を中心とした半径の円は, どのような方程式で表されるか考えてみよう.

の周上にある点の座標をとすると, 2点距離は常にである. 座標平面上の2点間の距離で学んだように, であるから

等式の両辺は共に正であるので両辺を2乗して,等式

を得る.

点A(a, b)を中心とする円があり、円周上に点P(x, y)が描かれている。中心Aと点Pは破線で結ばれており、その間の距離がrと示されている。
§

定理1円の方程式〜平方完成形〜

を中心とし,半径が である円の方程式は

である.

問題1円の方程式

座標平面上に次のような円があるとき,その方程式をそれぞれ求めよ.

  1. 中心,半径
  2. 中心 ,半径
  3. 中心 ,半径
解答を見る

円の方程式~標準形~

中心 ,半径の円の方程式は となるが,この式は

と変形することができる. 逆に,方程式

と変形し,中心,半径の円の方程式に一致することがわかる.

一般に方程式

と変形できるので, であれば, 円の方程式を表していることになる.

§

定理2円の方程式〜標準形〜

についての方程式

は, のときに円を表す方程式である.

問題2円の方程式〜平方完成形と標準形〜

次の方程式のうち,円の方程式を表すものについては中心と半径を求めよ.

解答を見る
  1. 与式の左辺を平方完成すると

    となるので,

    中心は

    ,

    半径は

    .

  2. 与式の左辺を平方完成すると

    となるので,

    中心は

    ,

    半径は

    .

  3. 与式の左辺を平方完成すると

    となるので,この方程式は円を表さない.

  4. 与式の左辺を平方完成すれば

    となるので,この方程式は円を表さない.

    ←この方程式を満たす必要十分条件は, であるので, のみが方程式を満たす. つまり,方程式 のグラフは, 「点 」となる.

円の方程式の決定

中心や半径の条件が与えられた円の方程式

問題3円の方程式の決定〜その1〜

  1. 半径がであり,軸,軸の両方に接する円はいくつあるか. また,それぞれの方程式を求めよ.
  2. 中心が直線 上にあり,を通る円の方程式を求めよ.
  3. 中心が直線 上にあり, を通る円の方程式を求めよ.
解答を見る
  1. 図のように考えれば,円が

    4つ

    あることが分かる.

    中心は であるので

    が求める方程式になる.

  2. 与えられた円の方程式は とおくことができる.

    を通ることから~~

    を通ることから~~

    である.これらを整頓して,連立方程式

    を得る.上の式を,下の式をすると、から なので

    を代入すると考えてもよい.

    に代入すれば であるので, 求める円の方程式は となる.

  3. 与えられた円の方程式は とおくことができる.

    ←中心は直線 上にあるので,中心の座標をとおくと座標もになる.

    を通ることから~~

    を通ることから~~

    である.これらを整頓して,連立方程式

    を得る.上の式を,下の式をとすると、から なので

    を代入すると考えてもよい.

    に代入すれば であるので, 求める円の方程式は となる.

座標平面上に、x軸とy軸の両方に接する等しい大きさの4つの円が、各象限に1つずつ配置されている。接点はx軸およびy軸上の3と-3の位置にあり、4つの中心を結ぶ点線が描かれている。

与えられた3点を通る円の方程式

どんな三角形も,外接円はただ1つに定まった. これは,(同一直線上にない)3点を通る円周がただ1つに定まることを意味する.

円の内部に、3つの頂点がすべてその円周上にある1つの三角形が描かれている。頂点の記号や座標軸、円の中心などの書き込みはない。

問題4円の方程式〜その2〜

  1. の3点を通る円の方程式を求めよ.
  2. とする.の外接円の中心と半径を求めよ.
解答を見る
  1. 求める円の方程式を とおく.

    を通ることから

    を通ることから

    を通ることから

    である.これらを整頓して,連立方程式を得る.

    上の式から順に,,とする

    より

    より となって からを求めればよい

    これを解いて . よって,求める方程式は である.

  2. の外接円は3点を通る円に一致する. その方程式を とおく.

    を通ることから

    を通ることから

    を通ることから

    である.これらを整頓して,連立方程式を得る.

    上の式から順に,,とする

    より

    より

    \href{#eq-ennohouteishiki-sono2-44}{\enclose{circle}{4}'}と\href{#eq-ennohouteishiki-sono2-55}{\enclose{circle}{5}'}を連立して .\href{#eq-ennohouteishiki-sono2-4}{\enclose{circle}{4}}から

    これを解いて .よって,の外接円の方程式は

    平方完成型に変形すると となり,

    ←中心と半径を求めるため平方完成型に変形

    の外接円の中心は ,半径はである.

    【2.の別解(略解)】

    ←もちろん1.も同じようにして解くことができる.

    外接円の中心をとすると, であるので

    これを解いて ,外接円の半径は

円と直線の関係

円と直線の交点

円と直線の交点について,グラフの交点の座標と連立方程式の実数解は一致する.

問題5円と直線の共有点の座標

座標平面上に円 があるとき,以下の問いに答えよ.

  1. 直線 と円の共有点があれば,すべて求めよ.
  2. 直線 と円の共有点があれば,すべて求めよ.
解答を見る
  1. 直線と円の共有点は,連立方程式

    の解に一致する.上の式を,下の式をとするとき,より であるので, これをに代入すれば

    これを解いて より,求める共有点の座標は

    に代入してを解く. のとき のとき となる.

  2. 直線と円の共有点は,連立方程式

    の解に一致する.上の式を,下の式をとするとき, より であるので, これをに代入すれば

    となる.2次方程式の判別式をとすると

    であるので,は実数解を持たない. つまり,

    は共有点を持たない.

    は実数解を持たないことは,連立方程式は実数解を持たないことになるため.

座標平面上の円を図形的に考える

図形に置き換えて考えると, 円と直線の関係は「直線と円の中心の距離」で決まる. この視点から考えると,次のように考えることができる.

暗記1円と直線の共有点の個数

座標平面上の円 と直線 が,共有点を持つような実数の範囲を求めたい. 以下のに入る式・言葉・値を答えよ.

  1. 直線と円の共有点は,連立方程式 の実数解に一致する.つまり,この連立方程式がようなの範囲を求めればよい.

    連立方程式からを消去し,の2次方程式を得る.

    この2次方程式が実数解を持つことから,不等式を得る.

    これを解いて,求めるの範囲はと分かる.

  2. 条件「直線 が円と共有点を持つ」は

    条件「直線 と円の中心の距離が,以下である」

    と必要十分条件である.

    直線と円の中心の距離は であるので不等式を得る. これを解いて,求めるの範囲はと分かる.

解答を見る

実数解を持つ

より上の式を変形すると, なので, それを下の式に代入すればよい

←実数解を持つ~~(判別式) でもよい

(または円の半径)

←直線 と点の距離を 点と直線の距離で計算

§

定理3「円と直線の共有点」について

と直線 を考えるとき

と直線 の共有点の個数

方程式 を連立して得られる2次方程式の判別式

円の中心と直線 の距離

について,次のようにまとめることができる.

円と直線の共有点の個数 2個
円と直線の位置関係 直線が円と2つの点で交わっている。円の中心から直線に下ろした垂線の長さdと、円の半径rがそれぞれ示されており、dがrよりも短いことがわかる。
連立方程式の判別式
と直線の距離
円と直線の共有点の個数 1個
円と直線の位置関係 円と1本の直線が1つの黒点で接している。円の中心から共有点へ引かれた垂直な点線に、d=r と書かれている。
連立方程式の判別式
と直線の距離
円と直線の共有点の個数 0個
円と直線の位置関係 「円と直線の共有点」についての図その3
連立方程式の判別式
と直線の距離

問題6円が切り取る線分の長さ

と直線 が2点で交わり, であるとき, の値を求めたい. 以下のに入る式・言葉・値を答えよ.

図のように,円の中心をとし,から直線 へ下ろした垂線の足をとおく. このとき, であるので,三平方の定理より,

ところで,の長さは,点と直線の距離に一致するので, 点と直線の距離より

よって,方程式 を解けば, と求められる.

座標平面上に原点Oを中心とする円と直線x+2y=kがあり、その2つの交点をA、Bとする。原点Oから線分ABに下ろした垂線の足HとOを結ぶ線分OHが点線で描かれている。
解答を見る

(直線)

←直線 と点の距離を点と直線の距離で計算

, つまり,

円の接線

円周上の点から引いた接線の方程式

簡単のため,円の中心が原点にあるときを考えよう. 図のように考えて,円周上の点に接する直線は1本しか存在しないことが分かる.

次の例題で確認してみよう.

座標平面上の原点Oを中心とする円と、第1象限の円周上にある点Pが示されている。右側では、その点Pで円に接する1本の直線が描かれている。

問題7円周上の点から引いた接線の方程式〜その1〜

の周上の点を接点とする接線をとする.

  1. 接線が線分と直交することから,の傾きを求めよ.
  2. の方程式を求めなさい.
座標平面上に原点Oを中心とする円Cがある。第一象限の円周上にある点P(3, 4)において、円Cに接する直線lが右下がりに描かれている。
解答を見る
  1. 線分の傾きは

    接線と線分が直交するので,の傾きは

    ←(の傾き)(の傾き)

  2. を通り傾きの直線であるので

一般に,円 の周上の点を接点とする接線の方程式はどうなるだろうか.とすると,接線は線分と直交し,線分の傾きは であるので,

(直線の傾き) (直線の傾き)

となる.よって,を通り傾きの直線と分かるので

となる.ここで,は円の周上にあるので, を満たす. つまり,の方程式は となる.

§

定理4円周上の点から引いた接線の方程式

の周上の点から引いた接線の方程式は

となる.特に,円の中心が原点にある場合は

となる( の式に代入すればよい).

中心が(a, b)、半径がrの円Cがある。円周上の点(p, q)において直線lが接しており、中心と接点を結ぶ線分と直線lが垂直に交わっている。(69文字)

問題8円周上の点から引いた接線の方程式〜その2〜

  1. の周上の点で接する,接線の方程式を求めよ.
  2. の周上の点 で接する,接線の方程式を求めよ.
  3. の周上の点 で接する,接線の方程式を求めよ.
  4. の周上の点 で接する,接線の方程式を求めよ.
解答を見る
  1. を平方完成形に変形して となる.よって, で接する接線の方程式は

円周外の点から引いた接線の方程式

の外に点をとり,Pから引いた円の接線を考えよう. 図のようにして,そのような直線は2本存在することが分かる.

次の例題で確認してみよう.

xy平面上に原点O、円、およびその外部の第1象限に点Pが配置され、矢印の右側では点Pを通って円に接する2本の直線が描かれている。

問題9円周外の点から引いた接線の方程式

と点について,から引いたの接線の方程式を求めたい.以下のに入る式・言葉・値を答えよ.

直線の傾きをとする.を通り傾きの直線となるので, 方程式はとなる. 条件「円と直線 が接する」は

「円と直線 の距離がに等しい」

という条件と必要十分条件である.

と,円の中心の距離は点と直線の距離を用いてと書けるので,

が成り立つ.これを解いて (ただし, ). よって,の方程式は

のとき のとき

解答を見る

~中心(つまり,原点)

~(または円の半径)

点と直線の距離

←途中の計算は以下のようになる.

両辺とも正なので,両辺2乗して

2円の関係

2円の位置関係(円の方程式)

2円の位置関係

2円の位置関係は,2円の半径と中心間の距離で決まり,以下の5つの状態がある.

§

定理52円の位置関係

2円の半径を ,中心間の距離をとすると,以下のようになる.

2円の図 互いに離れて位置する大小2つの円が描かれている。左側の小さい円の半径r1、右側の大きい円の半径r2、そして2つの円の中心を結ぶ中心間の距離dがそれぞれ示されている。
2円の位置関係 離れている
2円の共有点の個数 0個
2円の中心間の距離
2円の図 1点で外接する大小2つの円と、その中心同士を結ぶ線分が描かれている。左の円の半径 r1 と右の円の半径 r2 の和が、中心間の距離 d と等しいことが示されている。
2円の位置関係 外接している
2円の共有点の個数 1個(外接)
2円の中心間の距離
2円の図 大小2つの円が2点で交わっており、2つの中心を結ぶ点線の長さがdで表されている。それぞれの円の中心から、半径にあたる長さとしてr1、r2が示されている。
2円の位置関係 交わっている
2円の共有点の個数 2個
2円の中心間の距離
2円の図 大きな円とその内側に1点で接する小さな円が描かれている。接点を通る直線上に、小さな円の半径r1、両円の中心間の距離d、大きな円の半径r2が示されている。
2円の位置関係 内接している
2円の共有点の個数 1個(内接)
2円の中心間の距離
2円の図 大きな円の内部に、接することなく小さな円が入っている。2つの円の中心を結ぶ直線上に、中心間の距離dと、小さな円の半径r1、大きな円の半径r2が点線で示されている。
2円の位置関係 一方が他方を含む
2円の共有点の個数 0個
2円の中心間の距離

問題102円の関係

を中心とした半径の円,円を中心とした半径の円とする.

  1. のとき,円はどんな位置関係にあるか. また, のとき, のときはどうか.
  2. が外接するとき線分の長さを求めよ.また,内接するときはどうか.
  3. に含まれるための,線分の長さの条件を求めよ.
解答を見る
  1. 互いに外部に離れて並ぶ小円C1と大円C2が描かれている。C1の半径は2、C2の半径は5であり、中心間を結ぶ点線により中心間の距離が10であることが示されている。

    のときは

    共有点がなく

    のときは

    2点で交わり

    のときは

    が円に含まれている.

  2. 外接のときは ,内接のときは

    半径5の大きな円に対して、半径2の小さな円が外部で外接する位置と、内部で内接する位置に描かれている。3つの円の中心を結ぶ水平な点線上に、各円の半径を表す2、2、5の数値が示されている。
  3. 線分の長さが,内接するときより短ければよいので,

2円の共通接線

2円の共通接線

2円の共通接線の本数は,2円の位置関係によって異なる.

§

定理62円の共通接線

共通接線の本数 4本
2円の位置関係 離れている
共通接線の本数 3本
2円の位置関係 外接している
共通接線の本数 2本
2円の位置関係 交わっている
共通接線の本数 1本
2円の位置関係 内接している
共通接線の本数 0本
2円の位置関係 一方が他方を含む

共通接線の方程式を求めるには,問題を図示し,図形的に考えることが不可欠である.

問題112円の共通接線

2つの円 がある. この2円に対し,共通内接線,共通外接線を考え, 2本あるの交点をとする.

大きな円C1と小さな円C2が並び、2円の間で交差する2本の共通内接線lと、2円の外側を通り右側で交わる2本の共通外接線Lが引かれ、その交点がPと示されている。
  1. 共通内接線の方程式を求めよ.
  2. の座標を求めよ.
  3. 共通外接線の傾きを求めよ.
解答を見る
  1. 次の図のようにして,

    2本のは軸に平行な直線と分かり,その方程式は である.

  2. 次の図のように, 2円の中心を, 2接点をとする. このとき, であり,その相似比は

    よって, であるから,は線分のの中点となる.とおけば

    xy平面上に中心が点Aの円と中心が点Bの円があり、2本の共通接線が右上の点Pで交わっている。接点S, Tから各中心への線分や、中心A, Bを通り点Pに至る直線が破線で示されている。

    よって,である.

  3. の傾きをとおく.を通るので

    の方程式となる. この直線との距離が,円の半径に等しくなればよいので

2円の交点を通る円

2つの図形の交点を通る図形の方程式は,交点の座標を求めることなく得ることができる場合がある.それを次の例題で確認しよう.

問題122円の交点を通る円

2円 について次の問に答えよ.

  1. 2円の共有点を通る直線の方程式を求めよ.
  2. 2円の共有点と点 を通る円の方程式を求めよ.
解答を見る
  1. kを定数として

    とすると,方程式は,2つの円の交点を通る図形を表す.

    ←理由は下の本文参照

    が直線を表すのは のときなので, となる.

    とすると2次の項が打ち消しあって,1次の項つまり直線の方程式が残る

  2. を通るとき

    よって,求める方程式は となる.

【解答の編集】

上の例題の2つの図形の交点,すなわち方程式を同時に満たすの値はを満たす.これより,の交点を通る方程式であることがわかる.

さらに,を整理することにより, の場合には

と円の方程式〜標準形〜となり,円を表すことがわかる.

の値を変化させたときの図形を図に示した.

座標平面上に、2つの円①と②の交点を通るさまざまな図形が描かれている。k=1やk=3のときの円、k=-1/2のときの円、k=-1のときの直線が、同じ2つの交点で交わっている。

最終更新: 2026-08-10

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