数学II 第5章 対数と対数関数 — 常用対数
対数の発見は、実用計算法として極めて重要な功績である。対数を用いれば、かけ算をたし算で、わり算をひき算で求められる。まだ現代のように計算機が発達していなかった時代、天文学者や物理学者などは、時間のかかる単調な計算に苦労していたが、この対数の出現によってその苦労は大幅に軽減された。以下では、対数の中でも、私たちが普段にもちいている記数法である十進法と特に相性のよい、「常用対数」について学んでいく。
指数の利用
指数で数を表すことの利点
地球と太陽の距離は約1億5000万kmであるが、これを10進法で表すと
となる。しかし、このように表すと一見何桁の数なのかわからず不便である。
このように大きな数を表すには、
とするとよい。このように表すことによって、
定義1指数を使って数を表す方法〜その1〜
という形ただ
また、赤血球の直径は
となり、これも一見小数第何位に
このような
と表せば、
定義2指数を使って数を表す方法〜その2〜
という形でただ1通りに表すことができ、このとき小数第
問題1指数を使って数を表す
次の問いに答えよ。
- 地球から月までの距離は約
である。これを、 の形で表せ。ただし、 は整数とする。 - 地球から太陽までの距離は約
である。このことと1.を利用して、地球から太陽までの距離は、地球から月までの距離の約何倍か求めよ。 - 水素原子の質量は約
である。これを、 の形で表せ。ただし、 は整数とする。 - 炭素原子の質量は約
である。このことと3.を利用して、炭素原子の質量は、水素原子の質量の約何倍か求めよ。
解答を見る
。 であるから
より、約
。 であるから
より、約
常用対数の利用
常用対数の定義
定義3常用対数の定義
本文の補足にある常用対数表には、
問題2常用対数表から対数の値を求める
本文の補足にある常用対数表を用いて、次の値について小数第4位を四捨五入して小数第3位まで求めよ。
解答を見る
- 計算していくと
←和と差に関する対数の性質
よって、
- 計算していくと
←和と差に関する対数の性質
よって、
- 計算していくと
←和と差に関する対数の性質
よって、
- 計算していくと
←実数倍に関する対数の性質
よって、
- 計算していくと
←底の変換公式
よって、
- 計算していくと
←底の変換公式
←実数倍に関する対数の性質
よって、
問題3対数をもちいて積や商の計算を簡単にする
常用対数表を用いて、次の値について小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
解答を見る
とおき、の常用対数を考えると
よって、表から
とおき、の常用対数を考えると
よって、表から
桁数と最高位の数の評価
問題4桁数と最高位の数の評価
は何桁の整数か求めよ。また、 の最高位の数を求めよ。 は小数第何位にはじめて でない数があらわれるか求めよ。 また、その数はいくつか求めよ。
解答を見る
の常用対数を考えると
より、
ここで、
と2つの部分に分けることができ、
を満たすので、
とわかる。
←指数を使って数を表す方法〜その1〜
さらに
などと求まるが、いま
を満たすので、
←
の常用対数を考えると
より、
ここで、
と2つの部分に分けることができ、
を満たすので、
小数第10位
にはじめて
←指数を使って数を表す方法〜その2〜
さらに
などと求まるが、いま
を満たすので、
最終更新: 2026-08-20
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