数学II 第6章 微分法 — 接線とグラフ

最後に微分法の応用として、曲線と接線にまつわるいくつかの論点についてまとめる。

2つの曲線の接点

2つの曲線が接するということ

2つの曲線 で共通の接線をもつとき、この2つの曲線は で接するという。

曲線 での接線の方程式は、『接線の方程式』より また、曲線 での接線の方程式も同様にして となる。

この2つの直線 が共通であるとは、傾きと切片がそれぞれ等しいということなので、 かつ 、つまり

が成り立つ。まとめると次のようになる。

§

定義12つの曲線が接することの定義

2つの曲線 で共通の接線をもつとき、この2つの曲線は 接する (contact) という。このことを式で表すと

が成り立つということである。

この式が成り立つことをもって、2つの曲線が接することの定義とするので、たとえば次の図のように2つの曲線が交差している場合にも、共通の接線がある以上「接する」というので注意しよう。

実線の曲線 y=f(x) と破線の曲線 y=g(x) が1点で交わり、その交点で2つの曲線に共通の接線となる直線が引かれている。交点は黒丸で示され、直線には「共通の接線」と書き添えられている。2曲線は交差しているが共通の接線をもつので接するといえる例。

曲線が接するときに成り立つ定理

曲線 において、この2つの曲線が で接するとき、次の定理が成り立つ。

§

定理2曲線が接するときに成り立つ定理

多項式 において が成り立つ。

証明は次の例題を通じて考えてみよう。

暗記1「2つの曲線が接する」「重解をもつ」の証明

  1. の多項式 で割ったときの余りを をもちいて表せ。

  2. 1を用いて

    かつ で割りきれる」

    を証明せよ。

  3. 多項式 において を証明せよ。

解答を見る
  1. で割ったときの商を 、余りを とおくと と表せる。

    この式を で微分すると

    を代入して この2式を について解くと、 となるので、余りは となる。

  2. 1より多項式 と表せるから

    となり、証明された。

  3. (A)(B)の証明

    「曲線 で接する」とは が成り立っているということである。

    いま、見やすくするため とおくと、この2式より が成り立つから、2より で割りきれる、つまり と書けるので、方程式 、つまり「方程式 を重解にもつ」。

    (A)(B)の証明

    「方程式 を重解にもつ」とは と書けるということである。

    いま、見やすくするため とおくと、 より と書けるので、2より が成り立つから、 かつ が成り立つ、つまり「曲線 で接する」。

問題1曲線外の点から引く接線~その1~

2次関数 において、放物線 の接線のうち点 を通るものを次の2通りの方法で求めよ。

  1. 接点の 座標を とおく方法。
  2. 接線の傾きを とおく方法。
解答を見る
  1. であるから、接点の 座標を とおくと、接線の方程式は とおける。このとき、点 を通るような の値は、 を代入して を満たすものである。この の2次方程式の解は となるのでこれを に代入して、 が求める接線となる。

  2. を通る直線の傾きを とおくと、この直線の方程式は となる。この直線と が接するのは、方程式 が重解をもつときだから

    の判別式を考えて

    これを に代入して、 が求める接線となる。

問題2曲線外の点から引く接線~その2~

3次関数 において、3次曲線 の接線のうち点 を通るものを次の2通りの方法で求めよ。

  1. 接点の 座標を とおく方法。
  2. 接線の傾きを とおく方法。
解答を見る
  1. であるから、接点の 座標を とおくと、接線の方程式は とおける。このとき、点 を通るような の値は、 を代入して

    を満たすものである。この の3次方程式の解は となるのでこれを に代入して、 が求める接線となる。

  2. を通る直線の傾きを とおくと、この直線の方程式は となる。この直線と が接するのは、方程式 が重解をもつときだから

    の左辺が と因数分解される。つまり

    となる実数 が存在する。この両辺の係数を比較して から を消去すると

    よって、 。さらにこれらを に代入して、 となるので、 より が求める接線となる。

問題33次曲線の接線とその3次曲線との交点

3次関数 において、3次曲線 上の点 における接線を考える。この接線が、再びこの3次曲線と交わる点の座標を求めよ。

解答を見る

であるから、点 における接線は となる。この接線と を連立して を消去すると

よって、求める点の 座標は であり、また より、求める座標は

【別解】

上の点 における接線の方程式を とおくと、 は接するので、方程式

を重解にもつ。

他の解を とおくと、この式の左辺は と因数分解される。つまり となる実数 が存在する。 の係数を比較して また、 より、求める座標は

最終更新: 2026-08-12

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