数学B 第7章 空間ベクトルと空間図形 — 空間ベクトルの1次独立
ベクトルの1次結合の定義(空間)
ベクトルの1次結合の定義(空間)
2 つのa,b に関する1 次結合は,「ベクトルの1 次結合の定義」で見たように,適当な実数s,t を用いて
sa + tb
と表されるベクトルのことであった.
ここでは,これを拡張して,3 つのa,b,c に関する1 次結合を次のように定義する.
§
定義11 次結合の定義
3 つのベクトル,a,b,c に対して,適当な実数s,t,u を用いて
sa + tb + uc
と表されるベクトルのことを,a,b,c の1 次結合という.
たとえば,右図の空間においてOP をa,b,cの1次結合で表すと
OP = 3a + 2b + 1/2c
とただ1通りに表せる.
また,左図の平面おいて,OP をa,b,c の1次結合で表すと
OP = 4a + 0b + 2c OP = 6a + 4b + 0c OP = 5a + 2b + c ⋮
などいろいろな方法で表せる.
ベクトルの1次独立の定義(空間)
ベクトルの1次独立の定義(空間)
2 つのa,b が1 次独立であることの定義は,「ベクトルの1 次独立の定義」で見たように
sa + tb = 0
を満たす実数s,t が s = t = 0 のときに限る,ことであった.
ここでは,これを拡張して,3 つのa,b,c に関する1 次独立を次のように定義する.
§
定義21 次独立の定義
「a,b,c が1 次独立である」とは
sa + tb + uc = 0
を満たす実数s,t,u が s = t = u = 0のときに限る,ことである.
たとえば,右図のように空間内にあるa,b,cでは
sa + tb + uc = 0
となるs,t は s = t = u = 0 のときに限られるので,a,b,c は1 次独立である.
また,左図のように同一平面上にあるa,b,c( c = a + 2b を満たす)では, s = t = u = 0 のとき以外に
も,たとえば s = −1,t = −2,u = 1 のときや, s = 2, t = 4,u = −2 のときも
sa + tb + uc = 0
を満たすので,a,b,c は1 次独立であるとはいえない.
つまり,次のようなことがいえる.
§
定理31 次独立なベクトルと平行でないベクトル
a,b,c が1 次独立であるならば,a,b,c は同一平面内にない.逆に,a,b,c が同一平面になければ,a,b,c は1 次独立である.
つまり
「a と b が1次独立」 ⇔ a、b、c が同一平面内にない
である.
証明は省略.
1次独立な空間ベクトルに関する定理
1次独立な空間ベクトルに関する定理(空間)
2 つの1 次独立なベクトルの1 次結合に関して,「1 次独立な平面ベクトルに関する定理」が成り立った.ここでは,これを拡張した,3 つの1 次独立なベクトルの1 次結合に関する次の定理を示す.
§
定理41 次独立な空間ベクトルに関する定理
あるp が,1 次独立なa,b,c の1 次結合で
p = sa + tb + uc p = s’a + t’b + u’c
と2 通りに表されたとする.このとき
\begin{eqnarray}
\left{
s = s’ t = t’ u = u’
\right.
\end{eqnarray}
が成り立つ.つまり,p は1 通りでしか表せない.
証明
p は
p = sa + tb + uc = s’a + t’b + u’c
と表されるので
sa + tb + uc = s’a + t’b + u’c
⇔ (s − s’)a + (t − t’)b + (u − u’)c = 0
ここで,a,b,c は1 次独立であるから,その定義より
\begin{eqnarray}
\left{
s − s’= 0 t − t’= 0 u − u’= 0
\right.
\Longleftrightarrow
\left{
s = s’ t = t’ u = u’
\right.
\end{eqnarray}
∎
問題1空間内の直線の交点の位置ベクトル
空間内の四面体OABC において,辺AB の中点をE,辺OC を 2 : 1 に内分する点をF,辺OA を 1 : 2 に内分する点をP とする.また,Q を辺BC上の点とする.線分EF とPQ のが交点X をもつとき,OX をOA,OB,OC で表せ.
解答を見る
OA = a,OB = b,OC = c とおく.
まず,X は線分EF 上にあるから, EX : XF = s : 1 – sとおくと
OX=(1-s)OE+sOF (注) 内分点の位置ベクトル ⇔OX=(1-s)・1/2(a+b)+s・2/3c ⇔OX=(1-s)/2a+(1-s)/2b+2s/3c ①
と表すことができる.
また,X は線分 PQ 上にあるから, PX:XQ=t:1-t とおき,また,点Q について BQ:QC=u:1–u とおくと
内分点の位置ベクトルOX=(1-t)OP+tOQ (注) 内分点の位置ベクトル ⇔OX=(1-t)・1/3a +t・{(1-u)b+uc} ⇔OX=1–t/3a+t(1-u)b+tuc ②
と表すことができる.
いま,,,a,b,c は1次独立であるから, ,①,② より
\begin{eqnarray}
&&
\left{
(1-s)/2=(1-t)/3 (1-s)/2=t(1-u) 2s/3=tu
\right.
\
&\Leftrightarrow&
\left{
3-3s=2-2t (1-s)/2=t-tu 2s/3=tu
\right.
\
&\Leftrightarrow&
\left{
t=(3s-1)/2 (3-3s)/6=t-tu 4s/6=tu
\right.
\end{eqnarray}
以下,連立方程式
{ t=(3s-1)/2 (3-3s)/6=t-tu 4s/6=tu .
を解く.
上の式から
(3)、(4)、(5)
とする.
まず, (4)+(5) より
t=(3+s)/6
これを (3) に代入して
(3+s)/6=(3s-1)/2⇔6+2s=18s–6
∴s=3/4
これと (4) より, t=5/8 である.これらと (5) より, u=4/5 となる.
よって
OX =1/8a+1/8b+1/2c
最終更新: 2026-08-10
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