数学B 第1章 数列の一般項と和 — Σ記号
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Σ記号の定義
Σ記号の定義
ここで,数列の和を表すのに便利な記号 Σ を導入する
§
定義1Σ 記号の定義
数列 {an} の初項から,第 n 項までの和 a1+a2+a3+…+an-1+an を, Σ 記号を用いて
a1+a2+a3+…+an-1+an=Σk=1ak
と表す.
つまり, Σk=1ak とは, ak において, k=1,2,3,…,n-1,n として得られるすべての項 a1,a2,a3,…,an-1,an の和であると定義する.文字 k の代わりに, i,j などを用いてもよい.
また, a1 ではなく a2 からの和を表したいときには, Σk=2ak と書けばよい.つまり
Σk=2ak=a2+a3+…+an-1+an
である.
Σ記号に慣れる
まずは Σ 記号に慣れるために,例題をみていくことにしよう.
問題1Σ 記号の練習~その1~
次の和を, Σ 記号を用いずに表せ(計算はしなくてよい).
- Σ(2k-1)
- Σ3k²
- Σ3
- Σ3^j
- Σ(2n-1)
解答を見る
k に 1,2,3 を代入して足すので
1+3+5
k に 2,3,4 を代入して足すので
3・2²+3・3²+3・4²
i が変わっても中身は 3 のままなので, 3 を n 個足して
3+3+3+…+3
j に 1,2,3,…,n を代入して足すので
3¹+3²+3³+…+3^n
足し合わせる文字は k であり, n は k に無関係なので,中身は変わらない.よって 2n-1 を 3 個足して
(2n-1)+(2n-1)+(2n-1)
次に数列の和を Σ 記号に書き直してみよう.
問題2Σ 記号の練習~その2~
次の和を, Σ 記号を用いて表せ.
- 1²+2²+3²+…+7²
- 3+5+7+…+(2n+1)
- 3+3+3+…+3 (3は全部で n 個あるとする)
- 1・3+2・4+3・5+4・6+5・7
Σ 記号に書き直すときには,まずは数列の一般項を求めるとよい.そうすれば数列の和が
Σ(一般項)
と表現することが出来るようになる.
解答を見る
- 一般項が k² で, k が 1 から 7 まで動くから
Σk²
- 一般項が 2k+1 で, k が 1 から n まで動くから
Σ(2k+1)
- 一般項が 3 で, k が 1 から n まで動くから
Σ3
- 一般項が k(k+2) で, k が 1 から 5 まで動くから
Σk(k+2)
問題3Σ 記号の練習~その3~
次の和はどれも同じことを表現していることを確認せよ.
- Σ2^k
- Σ2^k-1
- Σ(2・2^i-1)
解答を見る
Σ 記号から数列の和に書き下して同一であることを確かめればよい.和はそれぞれ
- k に 1,2,…,n を代入して
2¹+2²+…+2^n
- k に 2,3,…,n+1 を代入して
2^2-1+2^3-1+…+2^(n+1)-1=2¹+2²+…+2^n
- i に 1,2,…,n を代入して
2・2⁰+2・2¹+…+2・2^n-1=2¹+2²+…+2^n
となり,どれも 2¹+2²+…+2^n を表している.
Σの性質
Σの性質
Σ を導入した理由は,数列の和を簡単に取り扱うためであった.つまり,
3+1,6+4,9+9,…,3n+n² ①
のような等差数列でも等比数列でもない数列についても和を考えやすくするためである.その際,よく利用される Σ の計算法則があるので,まずはその計算法則を確認しよう. Σ 記号に関して,次のことが成り立つ.
§
定理2Σ 記号の性質
- Σ(ak+bk)=Σak+Σbk
- は定数Σcak=cΣak (cは定数)
証明
- Σ(ak+bk) = (a1+b1)+(a2+b2)+(a3+b3) +…+(an-1+bn-1)+(an+bn) = (a1+a2+a3+…+an-1+an) +(b1+b2+b3+…+bn-1+bn) = Σak+Σbk
- Σcak = ca1+ca2+ca3+…+can-1+can = c(a1+a2+a3+…+an-1+an) = cΣak
この性質を利用すると,数列 ① の第 n 項までの和は
Σ(3k+k²)=3Σk+Σk²
と簡単にすることができる.
あとは Σk や Σk² がわかれば,数列 ① の和を求めることができるわけであるが,これら Σk や Σk² については次のΣ 記号の公式 でまとめて学習することにしよう.
∎
Σ記号の公式
Σ記号の公式
複雑な数列の和が計算できるように,ここでは Σ 記号の公式を学んでいこう.
暗記1基本的な Σ の計算~その1~
次の数列の和を求めよ.ただし, c は定数とする.
- Σc
- Σk
解答を見る
c を n 個足すのだから
個Σc=c+c+…+cn個=nc
1 から n までの和である.この和を S とおき,同じ和を逆順に並べて足すと
S=1+2+…+n +)S=n+(n-1)+…+1 2S=(n+1)+(n+1)+…+(n+1)
となり, (n+1) が n 個並ぶので 2S=n(n+1) .よって
Σk=(1/2)n(n+1)
暗記2基本的な Σ の計算~その2~
等式
k(k+1)=1/3{k(k+1)(k+2) -(k-1)k(k+1)}
を利用して
Σk²=(1/6)n(n+1)(2n+1)
を証明せよ.
解答を見る
等式を利用した数列を書き下すことにより項が相殺して消えていくことがわかるΣk(k+1) = Σ[1/3{k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1)}] (注)等式を利用した = 1/3Σ{k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1)} = 1/3[ (1・2・3-0・1・2) +(2・3・4-1・2・3) +(3・4・5-2・3・4) +… +{(n-1)n(n+1)-(n-2)(n-1)n} +{n(n+1)(n+2)-(n-1)n(n+1)}] (注)数列を書き下すことにより項が相 殺して消えていくことがわかる = (1/3)n(n+1)(n+2)
なので
Σk(k+1)=(1/3)n(n+1)(n+2) ⇔ Σ(k²+k)=(1/3)n(n+1)(n+2) ⇔ Σk²+Σk=(1/3)n(n+1)(n+2) ⇔ Σk²=(1/3)n(n+1)(n+2)-Σk
よって
で通分したΣk²=(1/3)n(n+1)(n+2)-Σk =(1/3)n(n+1)(n+2)-(1/2)n(n+1) =(1/6)2n(n+1)(n+2)-(1/6)3n(n+1) (注)1/6で通分した =(1/6)n(n+1){2(n+2)-3} =(1/6)n(n+1)(2n+1)
§
定理3自然数の累乗の和
数列の和に関して,次の式がなりたつ.
- Σc=nc
- Σk=(1/2)n(n+1)
- Σk²=(1/6)n(n+1)(2n+1)
- Σk³={(1/2)n(n+1)}²
問題4Σ の計算
次の数列の和を求めよ.
- Σk(k+1)
- Σ(2k+1)²
解答を見る
- 展開してから公式を使うと
Σk(k+1)=Σ(k²+k) =Σk²+Σk =(1/6)n(n+1)(2n+1)+(1/2)n(n+1) =(1/6)n(n+1){(2n+1)+3} =(1/3)n(n+1)(n+2)
- 同じように展開してから公式を使うと
Σ(2k+1)²=Σ(4k²+4k+1) =4Σk²+4Σk+Σ1 =(2/3)n(n+1)(2n+1)+2n(n+1)+n =(1/3)n{2(n+1)(2n+1)+6(n+1)+3} =(1/3)n(4n²+12n+11)
等比数列のΣ計算
c は定数として, の次式Σc^(kの1次式) タイプの和は,すべて等比数列の和として求めることができる.
問題5等比数列の Σ 計算
次の数列の和を求めよ.
- Σ3^k
- Σ3^k
- Σ3^k
- Σ3^k-1
- Σ3^2k-1
解答を見る
- 個Σ3^k=3¹+3²+3³+…+3^nn個 =3(1-3^n)/(1-3)=3(3^n-1)/2
- 個Σ3^k=3¹+3²+3³+…+3^n-1n-1個 =3(1-3^n-1)1-3=3(3^n-1-1)2
- 個Σ3^k=3²+3³+3⁴+…+3^n-1n-2個 =3²(1-3^n-2)1-3=9(3^n-2-1)2
- 個と同じ答えであるΣ3^k-1=3¹+3²+3³+…+3^n-1n-1個 =3(1-3^n-1)1-3=3(3^n-1-1)2 (注) 2. と同じ答えである
- 個Σ3^2k-1=3¹+3³+3⁵+…+3^2n-1n個 =3+3・9+3・9²+…+3・9^n-1 =3(1-9^n)/(1-9)=3(9^n-1)/8
最終更新: 2026-08-12
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